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合同籠球マネージャー

さばりん

第70話 応援に来たよ!

試合当日、マイクロバスに乗せられて試合会場の体育館に到着した。
会場の前には、全国高校バスケットボール大会と書かれた看板が入口に高々と設置されていた。
俺たちが会場へと足を踏み入れると、各高校の選手たちが立ち話をしたり、入念にストレッチを行っていたりと、全国から集まった強豪校の選手たちがひしめいていた。


「すげぇな…」
「うん…」

俺と梨世は会場の雰囲気に圧倒されながらも、各高校に割り当てられたロッカールームへと向かった。

ロッカールームに到着すると、選手たちは各々の荷物を置いて、着替えを始めた。
俺と梨世は邪魔にならないように準備している間、会場の中を観察することにした。
エレベーターで3階に上がり、アリーナ席と書かれた札がある扉を開けると、そこに広がっていたのは広々とした体育館に、鳴り響く声援の声、そして白熱したコートの中で行われている迫力のある試合であった。
俺たちは思わず生唾を飲みこんだ。

「今からあのコートで試合するんだよな…」
「うん…」

俺たちが試合に出るわけでもないのに、お互いに冷や汗を掻きながら緊張してしまっていた。
俺たちがどこか遠くを見るようにコートの中を眺めて立ち尽くしていると、後ろの方から声を掛けられた。

「おーい、梨世!大樹くん!」

俺と梨世が振り返ると、そこには透明感あふれる、水色のワンピースを着こなし、麦わら帽子がお似合いのニコニコと笑顔をまき散らした天使が現れた。
天使は元気よく俺たちのもとへ向かってきた。

「由香ちゃん!来てくれたんだ!」
「うん、応援しに来たよ!」

渡辺可愛すぎる…その笑顔、永遠に俺だけに向けてくれないか?

「大樹くんもやっほー」

そんなことを考えていると、渡辺が満面の笑みで俺に向かって笑顔を向けながら挨拶をしてきた。 あぁ、これだけで俺は死ねる。そんなどうでもいいことを考えながら渡辺に見とれてしまっていた。

「大樹…」

じとっとした視線を梨世が向けていることに気が付き、俺は一つ咳払いをしてキョトンと首をかしげている渡辺に向き直る。

「おはよう、渡辺。来てくれてサンキューな」
「うん。」

渡辺はまたもや、満面の笑みで頷き返した。俺の心は完全に渡辺にロックオンされてしまった。

「何惚けているの、全く。」

冷たい突き刺さるような声が聞こえ、俺はすぐにそちらへ目線を向けると、倉田が虫けらを見るような視線で俺を睨みつけていた。
俺のライフは一気にゼロになる。やめて倉田さん、本当に怖いから…

「由香ちゃん…やっと見つけた。」

すると、今度は静や黒須など他の部員も俺たちのもとへやってきた。

「みんな!」

梨世が嬉しさと驚いた表情を浮かべ静たちの方を見ていた。

「あはは…ごめんごめん。」

頭を抑えながら渡辺が平謝りをしていた。

「大樹~会いたかったよ」

静はみんなを押しのけて所構わずに俺に抱き付いてきた。

「ちょ、静…ここで抱き付くのはやめてくれ」
「え~、応援に来たんだから、少しくらいご褒美頂戴よ」

静は抱き付くのをやめ、プクっと頬を膨らませて不満そうな表情を見せた。

「それにしても、すごい会場だね」
「ホントです、私。こういうの憧れてました~」

小林と形原が目を輝かせながら会場を見渡していた。

「瀬戸くん、やっほ。応援に来たよ。」
「おう、黒須。ありがとな、来てくれて。みんなもありがとう、わざわざ応援に来てもらっちゃって。」

俺がみんなに礼を言うと、誇らしくぺったんこの胸を張って、本田が鼻を高くしていた。

「あったりまえじゃない。我川見高校開校以来初の全国大会だわ、応援に来るに決まってるじゃない。私も生徒会長としてワクワクしてここまで全く眠れなかったわ」
「香凛先輩、バスの中で酔って死んでたよね」
「ギクっ」
「ここに来るまでもずっと気持ち悪いって言ってずっと寝てたよね」
「ギクッギクッ!」
「はぁ…話も盛るのは止めなさい香凛」
「っ…はい。」

倉田に鋭い視線でとどめを刺され、本田がしょんぼりと肩を落とした。
俺と梨世は苦笑いをしながらその様子を眺めていた。

「まあ、とにかく、私たちは全力でみんなのこと応援するから二人とも頑張ってね!」
「うん!」
「おうよ」

俺と梨世はみんなの方を向きながらニコっと微笑んで、笑顔で威勢のいい返事を返したのだった。

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