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合同籠球マネージャー

さばりん

第65話 新たな目標

遅刻をしたため、一番後ろに申し訳ない気持ちで俺と梨世は新幹線乗り場があるホームへ続くエスカレーターを登っていた。
今日は、インターハイが行われる会場がある愛知へ向かうため、新横浜駅から新幹線に乗って移動する日なのだが…完全に遅刻をしてしまった。
これは…昨日の夜の出来事だ。






明日の準備を終え、俺はリビングで寝る支度をしていると家のインターフォンがなった。インターフォンのカメラで確認すると、そこにはキャリーバックを持ってパジャマ姿の梨世が立っていた。
梨世はよく修学旅行やこういうイベント事になると寝付けないらしく、当日に寝坊しないようによく俺の部屋に来て布団を引いて寝ることがあるのだが…昨日も同じように梨世が俺の部屋にやってきて俺の部屋にあるストック用の布団を敷いて、寝る準備を進めていた。

瀬戸家には部屋の余りがないのと昔からの名残から今もこうして時々梨世と同じ部屋で寝ることがあるのだが…
あの時…

「梨世・・・目覚ましセットしておいて~」
「ん~わかった~」

といって目覚ましをセットするのを梨世に任せたのが間違いだったのだ。
あと、一緒に寝るって同じ布団で寝てると勘違いした奴?残念、俺もそんなに節操のないことはさすがにしませんよ。まあ、寝ぼけて時々梨世が勝手に俺のベッドに入りこんでくることはあるけど…ってか、今日もそうだったわ…

今日も夜中に梨世が寝ぼけて俺のベットに侵入してきたらしく、目が覚めたときには、俺に抱き付きながら幸せそうな寝顔で寝ていましたよ…まあいつものことだから俺は気にせずに梨世の寝顔をちょっとだけ拝見したり、梨世の匂いとかね柔らかい体とかね、色々と堪能してたわけですよ…そしてふと時間を見れば…家を出る5分前だったって落ちですよハイ。

まあ、そこからダッシュで着替えて今に至るわけですけども…

「俺が梨世に目覚ましのセットをまかせたのがバカだった…」
「ホントにゴメン…」

二人ともしょんぼりとしながら新幹線のホームへ向かうと、そこには見覚えがある女の子たちがおーいといいながら手を振っていた。

「由香ちゃん??友ちゃん?!」
「静たちも…」
「お見送りに来たよ!」

小林がそういいながら元気よく手を振っていた。

「見送りって俺たちは試合でないわけだし。そんなたいしたことは…」
「でも、インターハイに行くのは変わらないし…応援したかったから!」
「まあ、今日の夜行バスで私たちも名古屋に向かうのだけども…」
「なんで生徒会長の私が夜行バスで名古屋まで行かなきゃいけないのよ」

渡辺たち川見高校組が戯れている。

「頑張ってね。航一」
「あぁ、頑張ってくるよ」

静は航一と挨拶を交わしていた。

「新幹線私も乗りたかったなぁ~」
「柚ちゃんそんなにホームの端に行ったら危ないよ!!」

小林と形原は元気そうに新幹線の到着を楽しみにしている様子だった。

俺と梨世は見つめあって。コクリと同時に頷き。見送りに来てくれた7人に向き合う。

「みんな、ありがとう」
「俺たちも全力で頑張るから!」
「そして、この最高の舞台の経験を生かして…」
「また一回り成長して帰ってくる。それをみんなの練習に還元する。そして、また強くなっていこう!」

俺が彼女たちに言葉を言い終えると、新幹線がホームに入ってくる。

「目標は8月下旬の新人戦!ここで一つでも多く勝つこと。これが俺たちの次の目標だ!」
「うん!」

全員が一斉に頷く。

俺たちは練習試合の悔しさをばねにまたひと回り強くなろう、成長しようと決めたのだ。まだ、公式戦すら戦っていない新参者なのだから、こんなところでくじけている場合ではないのだ。

「よしっ、円陣組もう!」

梨世が提案してくる。

「えぇ、こんなところで!?」
「恥ずかしいよ…」
「いいから、いいから!!」
「あっちょっと!」

俺たちは全員が肩を組みホームで円陣を組む。

「おい、早くしろ!!新幹線出ちゃうぞ!!」

航一が俺と梨世を急かしてくる。

「うぅぅ…恥ずかしすぎます…」
「ディアちゃん気合いだよ!」
「はぁ、全く仕方がないですね、梨世は…」
「あはは…ホント、その場で決めちゃうのが梨世ちゃんらしいっていうか」
「まったく、感謝しなさいよね」
「円陣…気合が入る」
「ほら、静ちゃん早く早く!」
「それじゃぁ、行くよ!!」
「川見・城鶴!」
「ファイ・オー!!」

こうして俺たちは、練習試合の悔しさを糧に、次の初の公式戦の舞台に立つその日を夢見て、新たな一歩を踏み出していくのであった。

          

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