話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

合同籠球マネージャー

さばりん

第52話 二分間の勝負

再び合同チームの攻撃から、相手チームは引き続きゾーンプレスを仕掛けてきている。
渡辺がパスをもらいに来た。渡辺はパスを受け取ると、相手の厳しいプレッシャーを受けながらも相手に囲まれる前にドリブルを開始する。

「由香ちゃん!」

静がタイミングよく中央に入って来た。渡辺は必死に静へパスを送る。高々と上がった渡辺からのパスを静は身長差を生かして受け取ると、そのまま空中で反転をして、両手で地面にたたきつけるようにボールを無人のゴール方向へ投げた。

誰も追いつかないだろう…誰もが予想したその時だった一筋の小さな影がそのボールに追いつきキャッチする。
俺は無意識のうちに立ち上がり叫んだ!

「いけ!小林!!」

小林はゴール前へ送られたボールをキャッチするとそのまま踏み込んでジャンプする。ものずごい跳躍力を見せつけながらボールをすっと丁寧に手放し、リングへ置いてくるようにシュートを放った。
ボールはリングに当たりながらネットの内側に吸い込まれた。

「よーし!」

俺は無意識のうちに右手でガッツポーズをしていた。

「戻って、ディフェンス集中。マークチェック」
「マークおっけい!」
「8番マークおっけー」

静が中心となって声を掛けあいながら必死にディフェンスをしていた。小林の得点で合同チームは先ほどとは見違えるように息を吹き返していた。全員が助け合いながら必死に声を出してディヘェンスをしていた。
相手選手は合同チームの必死のディフェンスに根負けし、苦し紛れに外からシュートを放ってきた。ボールはリングをかすめて外れる。
リバウンドを静がしっかりと回収すると、ゾーンプレスを掛けられる前に、一気にボールを前線へ送る。
走りこんでいた小林は、後ろからくるボールをしっかりとキャッチして、そのままドリブルを仕掛ける。
目の前では美優ちゃんが待ち構えていた。小林はまっすぐな瞳で美優ちゃんと対峙すると、ノールックで右へとパスを送る。
そこには梨世が走りこんでいた。裏を取られた美優ちゃんは、しまったというような表情を浮かべ、必死に追いかけようとしたものの、時すでに遅く、梨世のスピードに置いていかれた。

「梨世頼む…」

俺が前のめりになりながら梨世のシュートを見守った。
梨世は右足を踏み込むと大きくジャンプをしてレイアップシュートに持っていった。手を懸命に伸ばしてリングへボールを放った。リングのボードに当たったボールは跳ね返り、リングの淵へ乗っかった。

入っても外れてもおかしくない状態。リバウンドを狙いに美優ちゃんが戻ってくる。

「入れ!」

俺は願うように呟いていた。
ボールは動き出し滑らかにリングの内側へ滑り込んだ。

「よしっ!」

梨世の得点が決まり第三クォーターが終わった。スコア35対66、相手に約2倍の得点を奪われるダブルスコアーに近い点数差の試合になってしまった。しかし、最後の2分間、彼女たちは見事気持ちで負けずに4対0で勝って見せた。

「合同籠球マネージャー」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く