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合同籠球マネージャー

さばりん

第49話 ゾーンプレス

第三クォーターが始まった。まずは、合同チームの攻撃だ。
渡辺がセンターラインから黒須にパスを送り、ゆっくりとドリブルを突いて相手陣内へ入っていく。
マークに付いているのは先ほどの交代してきたショートカットの女の子、不気味な雰囲気を醸し出しながら黒須へプレッシャーをかける。

「ん?」

いや、何か違う…何かがおかしい。俺はショートカットマークの付き方を見て感じ取った。
黒須は必要にマークにくる相手をうまくかわしにかかる。するとピンクのゴムの女の子は必要に追いすぎず。黒須のマークから外れる。黒須は不思議そうに感じながらも静がいるゴール前へパスを出す。

「!?」

俺は、はっ!と声を上げる。

「黒須待て!早まるな!」

黒須は俺の指示を出した時には、時すでに遅く、静へパスを出してしまっていた。
そのボールを見事にパシンという音と共にポニーテールに結んだ黒髪を揺らしながらもう一人の女の子がカットした。

「速攻!」

ポニーテール女の子はボールをカットすると、すぐにドリブルを開始して、既に走っていたショートカットの女の子へパスを送る。
ショートカットの女の子は迷わずに走り、梨世たちを全員の置き去りにして、レイアップシュートを決めた。
あれは…マンツーマンと見せかけたゾーンディフェンスだ。ゾーンディフェンスとは、決まった範囲に入って来た選手をマークして範囲から外れた選手は後追いせずに、次のエリアを担当している人にマークを受け渡すディフェンス方法だ。

今回の場合、ボールを持っていた黒須には、マンツーマンのような形で付き、相手にマンツーマンだと思いこませ、一対一またはパスを選択させる。知らぬ間に相手のパスコースを限定することでパスカットを狙って一気に速攻へ持っていく厄介なディヘェンスをしてきている。

「黒須!相手はゾーンだ、一度落ち着いてから、攻撃しろ。」

黒須が俺の指示に頷き、ボールを拾い攻撃を開始しようとした時だった、なんと浮島高校全員の選手がこちら側の陣内からディフェンスをしてくる。

「ゾーンプレス…だと!?」

ゾーンプレス…敵陣から相手にプレッシャーをかけて相手のミスを誘い、高い位置でボールカットを狙うディヘェンス方法。
浮島高校はこの第三クォーターで一気に試合を決めに来るつもりのようだ。

黒須はパスコースを探すものの梨世には先ほどのショートカットとポニーテールの女の子二人がパスを出す隙を与えずにピッタリをマークしている。

「渡辺、倉田カバー!」

俺が叫ぶと、渡辺と倉田は慌てて黒須にパスを貰いに行く。
黒須はとっさに渡辺にパスを出した。
しかし、それを予測していたかのように美優ちゃんがボールを渡辺の前でパスカットした。
そして、先ほどまで梨世をマークしていた女の子二人が同時にゴール前へ走りこむ。3対1の状況を作られ美優ちゃんは落ち着いてポニーテールの女の子の方へパスを出す。
ポニーテールの女の子はゴール下のシュートを確実に決めると。すぐに切り替えて再び梨世のマークへと付いた。
完全に誤算だった。ゾーンプレスのディフェンス対策をしてこなかった合同チームは完全に混乱状態に陥り、パスミスを連発する。気が付けば相手に6連続得点を許す機能不全に陥っていた。

俺はそれを見て、すかさずタイムアウトを要求した。29対48完全に試合を持って行かれた状態となった。

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