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合同籠球マネージャー

さばりん

第22話 梨世vs静 再び

練習後に、スマートフォンで相沢さんへ、練習試合参加の意を伝えた。

「それでよしっと」

練習を終え、梨世達の着替えを待っているところだった。
冷房の効いた休憩ルームには、夏休み中の小学生が端のほうでカードゲームなどを楽しんでいる数名と、地元の方が読書をしに来ている人などが、ちらほらいる程度であった。
そんな部屋を観察しながら梨世たちの着替えを待っていると、スマートフォンの通知のバイブレーションが鳴った。

スマホに目を通すと相沢さんからの返信がきていた。
内容を確認すると

『浮島高校の先生に話をしておきました』

という事務連絡が届いていた。

俺は

『ありがとうございます。よろしくお願いします。』

と返信を返した。

すると、再び通知のバイブレーションが響く。
今度も相沢さんからで、内容を確認すると、

『明日ちょっと大事な話があるから学校に来てくれないか?』

という内容だった。

おそらく練習試合のこととか色々な打ち合わせとかだろうな…と思いつつ俺は

『わかりました』

と一言だけの返信を送った。

『大事な話』という部分に少し引っかかる部分はあったが、まあ明日行けばわかるだろうと思い、特にそれ以上詮索はしなかった。

そんなことをしている間に、梨世たちが着替え終わったらしく、こちらへ向かってくる。

「お待たせ!」
「ごめんね。待った?」
「いや、平気平気」

そんな会話をしている中、一人俺の元へ走りながら突撃してくる奴が一名。

「大樹ー」
「どわっ」

俺は一瞬で視界が真っ暗になり、背中に腕が巻き付けられた。

「はぁー癒し」

静はこのひとときを待ちわびていたように、俺に抱き付いてきた。

「静!!」

梨世がまたぷんぷんと怒っている。
俺は頭を静の胸辺りに抱えられている。部活終わりの汗拭きシートのさわやかな匂いと、静の甘い香りが俺の脳を刺激してくる。
にしても、今の状況的に顔を胸に押し付けられているにも関わらず全く女の子にある膨らみを感じられないということは…ほんと、成長分が身長の方に全部いっちゃったんだな…

そんなことを考えている間に梨世が静を俺から引き剥がし。今度は梨世が俺の正面に立つ。黄色のTシャツにショートパンツといういかにも夏らしい格好をしていた。

「全く、静はほんとに節操ないんだから」
「はい、大樹~おいで~」

梨世が手を広げながら俺を迎え入れようとしてくる。俺はその梨世の母性のような優しい手に包まれていき・・・

「ってお前もこんなところで何しようとしてんの?あっぶねぇ…騙されるところだったぜ…」

いかんいかん、甘い誘惑に誘われて梨世にもバグされる…というか自分からバグされに行きそうになってまった。

「むー!」

梨世は顔をぷくりと膨らませて不満をあらわにする。なにそれちょっと可愛い。

「いいから、バグさせろ!!」

今度は強引に俺の頭を両手が掴んで、梨世の胸のあたりに押しつけられる。
そして、素早く背中に両手を回して俺をがしっと抱きしめる。

梨世の柑橘系の甘い香りと製缶スプレーの爽やかな匂い。そして、静にはない、控え目ながらも強調している可愛らしい膨らみのある柔らかい胸の感触。
っていうかなんかすごい直に感触が伝わってくるのは気のせいだよな…なんか嫌な予感がする…

「はぁぁぁ…」

そんな俺を全く気にする様子もなく、梨世は至福のひとときを味わうかのようにさらに俺をぎゅーっと抱き寄せている。
俺はさらに生々しくその柔らかい感触が当たり予感が確信へと変わる。間違いない!
その瞬間、俺は必死に離れようと顔を強引に動かす。

「あっ!ちょっと大樹・・擦れて・・・あっ♡  ダメ…ノーブラだから感じちゃう…」
「ぷはぁ!ってなんでノーブラなんだお前は!」

俺はようやく梨世から解放され、顔を真っ赤に赤らめながら叫ぶ。

「だってぇ、もう帰るだけだし、ブラ最近ちょっとサイズ合わなくなってきちゃったから」

梨世は少し火照った顔で胸を自分で触りながら確認している。やめて!そうやって下から手で持ち上げると、大きさがはっきりとわかっちゃうから!
俺が目のやり場に困っていると、端の方でカードゲームをしていた小学生たちと目があった。あ…ヤバイ。俺の第六感が言ってる。

「よしっ、そろそろ帰ろうか!」

全員にそう促すが、約二名空気を読まない奴らがいる。

「私にも胸があれば大樹に喜んでもらえるのかな…」

静も自分の胸を確信するようにシャツから覗き込んでいる。

「いいからお前ら行くぞ!!」

俺は二人を置いて松葉杖で部屋から退室する。

「え、ちょ」
「あぁ~」

二人は残念そうにしているが、他の人たちの目線に耐えられなかった。
あぁ、なんでこいつらはバスケ以外のことになるとこんなに残念なんだ…改めてそう感じる一日になったのであった。

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