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合同籠球マネージャー

さばりん

第11話 ストーカーな生徒会長

本田香凛ほんだかりんのバスケ部への入部が決まり、教室がひと段落して俺が提案を投げかけた。

「よし、じゃあこうしよう、キャプテンは今後練習を見ていく上で俺が指名する。たかがキャプテンされどキャプテンだ。今後の活動にも大きな存在になってくるのは間違いないからな…異論があるやつはいるか?」
「私は特に」
「私も」
「私も異論はないわ」

三人は俺の見解に賛成の意を示した。

そして、最後に本田のほうに体を向け、同じ質問を問い直す。

「本田はどうだ?異論はあるか?」

俺はやさしく、そして受け入れるように本田に答えを促した。
本田はしばし黙っていたが、俺の方へ顔を向けると少し照れくさそうに答えた。

「はい、それでいいです」
「よし、決まりだな」

俺はそういいつつ、両手をぐっと上に伸ばして伸びをする。

「じゃあ、この話は終わり!ってことでもうこんな時間!」

教室の時計を見ると夕方の4時を回っていた、地区センターの予約時間過ぎてんじゃん

「え?あぁぁ!練習時間過ぎちゃってる、みんな急ごう!」

三人は急いで地区センター向かうため学校から出る支度を始める。

「俺はたぶん追いつけないから先に向かって練習を進めててくれ」
「了解であります」

渡辺が元気よく答える。

「わかったわ、練習メニューはどうすればいいかしら」
「そうだなぁ…ちょっとまって、今紙に書くから!」

俺は自分のカバンからペンとルーブリーフを取りだして今日の練習メニューを書き出していく。
その姿を見ていた本田が俺の元へ近づいてくる。

「あの…大樹くん」
「ん??どうした本田??」

本田は先ほどの威勢ある姿ではなく少し恥じらいながら俺に話しかける。

「その…あなたのことが気になっていたのは本当のことだから…その…これからよろしくお願いします!」

本田は頭を下げて改めて挨拶をしてきた。
それを見て俺はさやしい笑みで答えた。

「こちらそこ、よろしく」

本田は頭を上げるとうれしそうに微笑んだ。と思いきやいつもの調子に戻ったのか含みのある笑みでこちらを見つめてきた。

「あと、大樹くん…その練習も手取り足取り教えてほしいんだけど…バスケ以外のことも手取り足取り教えてほしいな~♡」

本田は目をとろとろさせながらウインクして前かがみの体制で言ってきた。

「…はい??」

梨世がフリーズしている・・・そして俺の頭もフリーズした。何言ってんだこいつ??

「だってぇ、私はあなたに興味があるって言ったじゃない…それに私はいつもあなたのことを影から見ていたのよ。ほら、だって…下駄箱に色々と愛のメッセージを入れておいたじゃない!」
「えっ…」

俺の表情は凍り付き冷や汗をかいていた。そう、あれは俺がまだ選手として活躍していた時代、昇降口に向かい、靴箱の中を開けると毎日のように手紙が入っていたのだ。今でも思い出す、瀬戸謎のストーカー事件だ。
最初の頃は
『瀬戸くんいつも陰ながら応援してます♡』

みたいな感じの可愛らしいメッセージが書いてある宛先人不明の手紙だったのだが、俺もそういうラブレター的な経験がなかったので少々浮かれていた。しかし、それからというもの毎日下駄箱を開けると手紙が置いてあり。

『いつも陰から応援しています。』
『いつも陰からあなたを見ています』
『あなたをいつも見ているわ』
『あなたをいつも陰から見ているの気が付いてよ』
『ねぇ、いつも見てるんだけど』
『ねぇ、気付いてよ』

という感じでどんどんホラー的な手紙になっていき、挙句の果てには…

『これを食べたら私の元へ来てくれるわよね??ねぇ??』

と書かれた脅迫文と共に原形をとどめていない謎の黒い物体??みたいなものが入っており、俺は殺人予告だと勘違いし、一時期下駄箱を開けるのがトラウマになっていた時期があったのだ。

「おぉぉぉぉぉ、お前がストーカーの犯人だったのかぁぁあ!!!!」
「はぁ?!ストーカー何言ってんのよ、私はあなたのためにメッセージを毎晩毎晩愛を込めて」
「何が、愛を込めてだ!途中からあれはただの脅迫文にしか見えなかったっての!」
「きょうはっ…ひどい!こんなに私はあなたのこと興味を持って好きになっているのに!!」
「興味を持つって、そっちの意味だったの!?」
「そっちに決まってるでしょ!」
「じゃあ、あのさっきまでの生徒会長としての威勢はなんだったんだよ」
「あれはその…大樹くんに色々と教えてもらうための照れ隠しといいますか」
「あれが照れ隠しだったのかよ…」

全然照れ隠しじゃなかったけど!?むしろうざかったんですけど!!
すると倉田があきれたように大きなため息をついた。

「だから、香凛を誘いたくなかったのよ、全くもう」

倉田は半分あきらめかけた様子で俺の方を睨み付ける。だから怖いですって倉田さん。

「いいから練習メニュー早く書いて頂戴」
「お、おう…わかった・・・」

俺は言われたとおりに練習メニューをルーズリーフに書き、すぐさま倉田に手渡した。

「はぁ。私はもう知らないからあとは勝手にしなさい」

倉田は俺をさげすんだ目で見てから教室を去っていった。

「あははは…大樹くんドンマイ!それとガンバ!」

渡辺は苦笑しながらその場の空気を読むようにして去っていった。あの野郎逃げやがったな。
すると、フリーズしていた梨世がようやく動いた!

「大樹のバカぁぁぁぁぁ!!!!」

梨世は泣きながら教室を一目散に去っていった。

「おい、梨世待ってくれぇぇぇ!!!」
「大樹の浮気者!!!」
「なんでそうなるんだよ!!!」
「はぁはぁはぁ、さあ大樹私たちの愛のうたげをはじめようではないか」

本田は鼻息を荒く心がら徐々に俺の方へと近づいてきた。

「誰がそんなものするもんか!!!」

俺は一目散にその場から車椅子を漕いで立ち去る。

「あ、こら。待ちなさいよ!」

本田香凛…俺たちはとんでもないやつをバスケ部に巻き込んでしまったのではないか…そう思う一日なのであった。

この後俺は一時間ほど本田に追い回される羽目になった。車いすで…

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