合同籠球マネージャー
第8話 報告
コーチ就任から一週間ほどが経過した。今日は終業式、生徒たちは今日から長い夏休みに入る。
俺と梨世(りよ)は無事に再試験を乗り越え、普通の生徒たちと同じ夏休みを過ごすことが決定した。いやぁ、本当に大変だった…
コーチ就任が決定した直後、練習を終えた俺と梨世は倉田に連れられて地区センターのコミュニティールームでみっちりと勉強させられた。倉田が作ってきたオリジナルテストを解かされたが、俺は見事に合格。
しかし、梨世はというと合格点の半分にも満たなかったので、そこから倉田が梨世の家に泊まり込みでの勉強合宿を行った・・・倉田テスト合格してよかった。
そして、再試験当日。俺と梨世は無事に全科目の試験を受け、晴れて合格点を突破して補習免除となったわけだ。
梨世は何科目かぎりぎりの点数の科目があったけども…まあ、倉田が付きっきりで勉強に付き合ってくれた成果が出たのかもな。もう少し、普段から勉強を頑張ってほしいと俺は梨世に思いつつ終業式の校長先生の挨拶を聞いていた。
運動部に入ってる奴らは部活動に励み、文化部のやつらは活動するものだけが学校に登校し活動に励み、それ以外の生徒は自宅や外でゲームしたり遊んだりバイトしたり。有意義な夏休みを過ごすのであろう。
俺はホームルームを終えると、相沢さんの元へ話をしに体育館へ足を運んでいた。
「そうか、女子バスケ部のコーチか…」
「はい、相沢さんみたいになれるかはわかりませんが。女子バスケ部を公式戦で戦えるようなチームにしてやりたいんです。」
俺は車いすに座りながら頭を下げた。
相沢さんは黙っていたが、ほっと一息吐くと優しく語りかけた。
「いいんじゃないか?梨世ちゃんたちもそれがいいって言っているなら」
「本当ですか?!」
「あぁ、もちろん。大樹君にバスケ部にどんな形であれ残ってもらえるなら、僕はそれだけでとてもうれしいと思ってるよ」
「ありがとうございます!!」
俺は再び感謝の意を込めて相沢さんに頭を下げる。
「そんなにかしこまらなくていいよ。実は…僕もどうしたら、君がまたバスケットに向き合っていけるかって考えていたところだったからね」
「相沢さん…」
俺は相沢さんを尊敬の眼差しで見つめる、この人は本当に俺のことを気遣ってくれる優しい人なんだなと改めて実感させられた。
「じゃあ、その退部届はなしってことでいいね」
「え?でも、もう選手ではないので部員では」
「バスケ部として何かに少しでも関わっていれば、部員と変わらないさ。だから、君もバスケ部にコーチとして携わるなら、川見高校バスケットボール部の正式な部員さ」
「相沢さん…」
俺は本当にこの人には頭が上がらないなと思った。その意味も込めて再度俺は頭を下げる。
「これからコーチとしてですが、よろしくお願いします。」
「はいはい、よろしくね。大樹君。書類関連のことはこっちで何とかしておくとして・・・」
相沢さんはぶつぶつと独り言を言い終わり、キリっとした表情で真っ直ぐ俺を見る。
「じゃ、今後は女子バスケットボール部の練習に関しては君に一任するよ。もし、男子と同じ練習がしたいときは構わずに言ってくれ」
「はい、わかりました」
「それと、大樹コーチ。さっそくなんだがコーチとして大事な話があるんだがいいかね??」
「大事な話ですか?」
「そうだ、今後の女子バスケットボール部の未来を左右する話だ」
「はい…」
俺はごくりと生唾を飲みこんで相沢さんの話を聞き入る体制に入った。
俺と梨世(りよ)は無事に再試験を乗り越え、普通の生徒たちと同じ夏休みを過ごすことが決定した。いやぁ、本当に大変だった…
コーチ就任が決定した直後、練習を終えた俺と梨世は倉田に連れられて地区センターのコミュニティールームでみっちりと勉強させられた。倉田が作ってきたオリジナルテストを解かされたが、俺は見事に合格。
しかし、梨世はというと合格点の半分にも満たなかったので、そこから倉田が梨世の家に泊まり込みでの勉強合宿を行った・・・倉田テスト合格してよかった。
そして、再試験当日。俺と梨世は無事に全科目の試験を受け、晴れて合格点を突破して補習免除となったわけだ。
梨世は何科目かぎりぎりの点数の科目があったけども…まあ、倉田が付きっきりで勉強に付き合ってくれた成果が出たのかもな。もう少し、普段から勉強を頑張ってほしいと俺は梨世に思いつつ終業式の校長先生の挨拶を聞いていた。
運動部に入ってる奴らは部活動に励み、文化部のやつらは活動するものだけが学校に登校し活動に励み、それ以外の生徒は自宅や外でゲームしたり遊んだりバイトしたり。有意義な夏休みを過ごすのであろう。
俺はホームルームを終えると、相沢さんの元へ話をしに体育館へ足を運んでいた。
「そうか、女子バスケ部のコーチか…」
「はい、相沢さんみたいになれるかはわかりませんが。女子バスケ部を公式戦で戦えるようなチームにしてやりたいんです。」
俺は車いすに座りながら頭を下げた。
相沢さんは黙っていたが、ほっと一息吐くと優しく語りかけた。
「いいんじゃないか?梨世ちゃんたちもそれがいいって言っているなら」
「本当ですか?!」
「あぁ、もちろん。大樹君にバスケ部にどんな形であれ残ってもらえるなら、僕はそれだけでとてもうれしいと思ってるよ」
「ありがとうございます!!」
俺は再び感謝の意を込めて相沢さんに頭を下げる。
「そんなにかしこまらなくていいよ。実は…僕もどうしたら、君がまたバスケットに向き合っていけるかって考えていたところだったからね」
「相沢さん…」
俺は相沢さんを尊敬の眼差しで見つめる、この人は本当に俺のことを気遣ってくれる優しい人なんだなと改めて実感させられた。
「じゃあ、その退部届はなしってことでいいね」
「え?でも、もう選手ではないので部員では」
「バスケ部として何かに少しでも関わっていれば、部員と変わらないさ。だから、君もバスケ部にコーチとして携わるなら、川見高校バスケットボール部の正式な部員さ」
「相沢さん…」
俺は本当にこの人には頭が上がらないなと思った。その意味も込めて再度俺は頭を下げる。
「これからコーチとしてですが、よろしくお願いします。」
「はいはい、よろしくね。大樹君。書類関連のことはこっちで何とかしておくとして・・・」
相沢さんはぶつぶつと独り言を言い終わり、キリっとした表情で真っ直ぐ俺を見る。
「じゃ、今後は女子バスケットボール部の練習に関しては君に一任するよ。もし、男子と同じ練習がしたいときは構わずに言ってくれ」
「はい、わかりました」
「それと、大樹コーチ。さっそくなんだがコーチとして大事な話があるんだがいいかね??」
「大事な話ですか?」
「そうだ、今後の女子バスケットボール部の未来を左右する話だ」
「はい…」
俺はごくりと生唾を飲みこんで相沢さんの話を聞き入る体制に入った。
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