異世界に来た少年はAGIを極めるそうです
Part.2 過去と現在
「やあ、こんにちは」
  目を覚ますと目の前には少年が椅子に座っていた。
「え…と、あなたはどちら様ですか?」
  話しかけてきた男は背丈は僕と同じ位だが童顔のせいか幾分か年下にみえる。
「ああ、僕?神様だよ」
「神様ですか……一体僕になんかに用ですか?」
「薄々勘づいていると思うけど、異世界転移について話すよ」
  神様によると霧谷高校は毎年異世界に1クラスだけ転移させるらしい。
  ちなみに親の了承は得ているらしい。
「そうですか」
「あれ?君はあまり悲しまないね。今までここに来た人は全員泣き叫んでいたけど」
  神様の言う通り、僕は実際悲しんではいない。
「はい、僕は孤児院で育って、もうそこは燃えてなくなってから」
  
「なるほどね……知らないとは言え無神経な事を言ってしまったね。」
「いえ、過ぎたことは気にしないのが僕のモットーですから」
「そう?なら君にはちょっとした加護を与えたい、いいかな?」
  加護とは神が認めた人間に自らの力の一部を与えることだ。
「あの……なんで僕なんかに加護をくださるのですか?」
「君が気に入ったからだよ」
「そ、そうですか…」
  神様から貰った加護の内容は『必要経験値千分の一』。
「最後にこれは君のクラス全員にしてるんだけど君にはまだしてなかったね」
「これだけしてもらって他に何かしてくれるのですか?」
「無スキルで異世界に放り出すのは殺すようなものだからね。まず好きなスキルを与えるように上から言われてるんだ」
「なるほど、神様にも上下関係はあるのですね……しかし僕はもう既に加護を貰っているので大丈夫だと思うのですが」
「本当に大丈夫なの?僕の加護は戦闘系じゃないけど」
「すみません、やっぱり貰えませんか?」
「あはは!手のひら返すの早いねっ!いいよ、スキルあげる。何が欲しい?」
「なら………」
「よし!これでスキルを渡し終わったよ」
「ありがとうございます。なんとお礼を言えば良いか……」
「いいよ!そんなの。もし本当にお礼をしたいのなら生き続けてね。君は僕のお気に入りだから」
「はい!僕自身も死にたくありませんので」
「そうかい、君のもう一つのスキルも戦闘系じゃないからおまけに僕から武器をあげるよ。大切に使ってね」
  神様から貰った武器は刀でいかにもなんでも切れますオーラを発していた。
「何から何までありがとうございます!」
「気にしないでよ。まあでもまた僕に会いたかったら教会でお祈りしてね」
「絶対します!」
「もうそろそろ向こうに行く時間だね……多分そこに君のクラス全員いるはずだから、落ち着いて話を聞いてね」
「はい!……神様行ってきます!」
「行ってらしゃーい!」
                                     To  be  continued…
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