イカれたやつらがやってきた!!
第6話ユウナ・テスカ
ユウナは、頑張るぞと意気込んでいたが、あの後は戦闘なく2階に続く魔法陣までたどり着いてしまった。
途中、チラホラと他のパーティに遭遇したのであらかた狩り尽くされてしまったのだろう。
魔法陣に乗ると青く光り、一瞬で移動が完了した。
不思議な感覚だった。
玉がこう〜ヒュンとする感じ。
ユウナ持ち込みの地図を片手に、少し開けた場所に向かうと丁度いい感じでダイアウルフが3匹でウロついている。
「よし、さっきと同じだ。俺が引きつけるから、よろしく」
「わかりました!」
足元にあった小石をダイアウルフの近くに投げて、注意を俺に仕向けた。
牙をむいて警戒心を最大にこちらの様子を伺っている。
こちらの戦力を確かめているのか、時折吠えて威嚇をこちらがそれにビビるか見てるようだ。
無造作に近づいていくる俺に対して逆に驚いたのか少し後退りするような形をとったが、その中の一匹が飛び出すとそれに続くように残りの二匹も飛び出す。
俺は横にずれ無防備の腹に蹴りを叩きこみユウナに合図を送る。
「今だ!」
今の一撃で動けないから、ユウナの戦力がどれほどのものかわからないが、まあ大事に至ることはないだろう。
「はい!ファイヤーボール!」
後ろでグシャという何かを潰した音がして聞こえた。
「ユウナ?」
振り返ると、視界に入ってきた情報が俺の思考を停止させた。
ダイアウルフに振りおろされている鈍器。
さっきの音はこれによるものだった。
超至近距離から放たれる魔法により肉片は炭化し焦げた臭いを辺り一面に放たれていた。
「ユウナ?」
「タイチさん!次、来ます!左は私が!」
ユウナは、実に鮮やかにさばいていた。
牙が届く前に下から叩き上げる、空中で回転を始めるダイアウルフの腹にファイヤーボールと叫び地面に叩きつけた。
地面が砕け、今だ燃え盛るダイアウルフに対し俺は涙が止まらなかった。
もう一匹は、ユウナの姿を見てとっくに逃げ出している。
「討伐成功です!」
と、天使のような笑顔で言ってくるユウナに対し俺はハハッと愛想笑いを返すことしかできなかった。
◇◇◇◇
「タイチさん、引きましたか?」
素材を回収している時に、ユウナが突然呟いた。
「さっきの・・・引きましたよね」
先程の戦闘のことを、言っているのだろう。
まあ、正直驚きはしたが別に気にしちゃいない。
俺の力に比べたら、可愛いものだ。
「まあ、驚きはしたけど。大丈夫だよ」
「そ、そうですか。私とパーティ組んでくれる人はみんなクエストが終わると組んでくれなくなるんですよね。魔法使いらしく、後方から魔法をうって支援したいのですが何故かうてなくて。仕方なく、今の方法を・・・」
まあ、普通ならビビッて逃げちまうかもな。
杖さばき上手すぎるし、地面がくだけるって力強すぎじゃないか?
この細い腕のどこにそんな力が・・・
「ユウナ、ちょっとビンタしてくれないか?」
「え!?急にどうしたんですか!?」
「ちょっと、確認したいことがあって。頼むよ」
「わ、わかりました。行きますよ?えいっ!」
パンと小さい音がした。
ああ、やっぱり女の子かと思っていたらユウナがやけに遠くに見える。
頭から、ツーっと何かが垂れてくるので手で触れてみると赤いものが付着していた。
「タイチさん、大丈夫ですか!?今、治しますね!ヒールぐらいなら私も出来るので!」
「待って!?ユウナ!」
ヒールも魔法でしょ!?
ということは、やり方は一緒なんじゃーー
ユウナはヒールを唱えると、杖を振りかぶり俺の頬を直撃した。
本能的に死を感じたのだろう、迫りくる杖がスローモーションで見えた。
回復してもらうのに余計な傷を増やしていたが、彼女の魔法は、直撃した後にかかるため回復魔法の意味はとりあえずあった。
「タイチさん!治りましたよ!ーータイチさぁ〜ん!」
俺は、薄れゆく意識の中でユウナの尋常ならざる力を身に感じて思った。
彼女は、近接格闘型魔法使いだと。
途中、チラホラと他のパーティに遭遇したのであらかた狩り尽くされてしまったのだろう。
魔法陣に乗ると青く光り、一瞬で移動が完了した。
不思議な感覚だった。
玉がこう〜ヒュンとする感じ。
ユウナ持ち込みの地図を片手に、少し開けた場所に向かうと丁度いい感じでダイアウルフが3匹でウロついている。
「よし、さっきと同じだ。俺が引きつけるから、よろしく」
「わかりました!」
足元にあった小石をダイアウルフの近くに投げて、注意を俺に仕向けた。
牙をむいて警戒心を最大にこちらの様子を伺っている。
こちらの戦力を確かめているのか、時折吠えて威嚇をこちらがそれにビビるか見てるようだ。
無造作に近づいていくる俺に対して逆に驚いたのか少し後退りするような形をとったが、その中の一匹が飛び出すとそれに続くように残りの二匹も飛び出す。
俺は横にずれ無防備の腹に蹴りを叩きこみユウナに合図を送る。
「今だ!」
今の一撃で動けないから、ユウナの戦力がどれほどのものかわからないが、まあ大事に至ることはないだろう。
「はい!ファイヤーボール!」
後ろでグシャという何かを潰した音がして聞こえた。
「ユウナ?」
振り返ると、視界に入ってきた情報が俺の思考を停止させた。
ダイアウルフに振りおろされている鈍器。
さっきの音はこれによるものだった。
超至近距離から放たれる魔法により肉片は炭化し焦げた臭いを辺り一面に放たれていた。
「ユウナ?」
「タイチさん!次、来ます!左は私が!」
ユウナは、実に鮮やかにさばいていた。
牙が届く前に下から叩き上げる、空中で回転を始めるダイアウルフの腹にファイヤーボールと叫び地面に叩きつけた。
地面が砕け、今だ燃え盛るダイアウルフに対し俺は涙が止まらなかった。
もう一匹は、ユウナの姿を見てとっくに逃げ出している。
「討伐成功です!」
と、天使のような笑顔で言ってくるユウナに対し俺はハハッと愛想笑いを返すことしかできなかった。
◇◇◇◇
「タイチさん、引きましたか?」
素材を回収している時に、ユウナが突然呟いた。
「さっきの・・・引きましたよね」
先程の戦闘のことを、言っているのだろう。
まあ、正直驚きはしたが別に気にしちゃいない。
俺の力に比べたら、可愛いものだ。
「まあ、驚きはしたけど。大丈夫だよ」
「そ、そうですか。私とパーティ組んでくれる人はみんなクエストが終わると組んでくれなくなるんですよね。魔法使いらしく、後方から魔法をうって支援したいのですが何故かうてなくて。仕方なく、今の方法を・・・」
まあ、普通ならビビッて逃げちまうかもな。
杖さばき上手すぎるし、地面がくだけるって力強すぎじゃないか?
この細い腕のどこにそんな力が・・・
「ユウナ、ちょっとビンタしてくれないか?」
「え!?急にどうしたんですか!?」
「ちょっと、確認したいことがあって。頼むよ」
「わ、わかりました。行きますよ?えいっ!」
パンと小さい音がした。
ああ、やっぱり女の子かと思っていたらユウナがやけに遠くに見える。
頭から、ツーっと何かが垂れてくるので手で触れてみると赤いものが付着していた。
「タイチさん、大丈夫ですか!?今、治しますね!ヒールぐらいなら私も出来るので!」
「待って!?ユウナ!」
ヒールも魔法でしょ!?
ということは、やり方は一緒なんじゃーー
ユウナはヒールを唱えると、杖を振りかぶり俺の頬を直撃した。
本能的に死を感じたのだろう、迫りくる杖がスローモーションで見えた。
回復してもらうのに余計な傷を増やしていたが、彼女の魔法は、直撃した後にかかるため回復魔法の意味はとりあえずあった。
「タイチさん!治りましたよ!ーータイチさぁ〜ん!」
俺は、薄れゆく意識の中でユウナの尋常ならざる力を身に感じて思った。
彼女は、近接格闘型魔法使いだと。
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