小説 中年おっさんの俺の下に、魔法少女達がやって来て、同棲して色々騒動があったりしつつ、世界を救う話

がおー

22.「それじゃあ、魔物倒して小銭稼ぎに行きましょうか」

食事が住んだ後、菜野葉ちゃんが僕の手を
引いて、家のドアを開いた。
「あ、ああ、ちょっと待って、待ってくれ」
あんまり勢い良く引っ張られたので、靴を履く隙を取る事が精一杯だった。
「ほらほらっ行くっス!行くっス!」
「わ、私達が、救世主様をお守りしますので・・・安心して下さい・・・」
ミクちゃんと梓ちゃんにも引っ張られる。
「仕方ないですっ、私もついて行きますよっ!」
女神ちゃんもついてくるのだった。


「と、言っても、どこに行くんだ?」
僕らは住宅地をてくてく歩いている。
「その辺歩いていたらエンカウントするわよ、ほらっ」
道路の真ん中に、暗い人影のシルエットらしきものが居たのだった。
「あれも魔物か」
「そう、魔物よ」
菜野葉ちゃんに確認を取ってると、向こうもこちらに気付いた様だ。
『死死死死死死・・・』
暗い人影が何やらぶつぶつ言いながらこちらに走って来た。
どうやら、僕に向かって走って来ている。
「梓っ!救世主様を守ってて!」
「う、うんっ!」
梓ちゃんが僕の前に立ちはだかり、菜野葉ちゃんとミクちゃんが二人がかりで魔物に対抗する。 
「燃えなさいっ!」「痺れるっス
!」
二人のステッキからそれぞれ、炎と電撃がほとばしり、人影に当たった。
『!!!!!!』
言葉にならない断末魔を上げて人影か雲散霧消した。
「相変わらず凄い魔法使うんだなあ」
二人を誉めてやった。
「えっへへ、そう?」「それほどでもないっスよ・・・でへへ・・・」
二人は照れた様だった。
視線を下に移せば、梓ちゃんが頬を膨らませて不満げに僕を見ている。
人影が消え去った地面を見れば、小銭が幾らか落ちていた。
菜野葉ちゃんは、てててと駆け寄り、小銭を拾って僕に差し出した。
「はいっ、救世主様」
にっこり微笑む菜野葉ちゃん。
「あ、有難う」
僕はお礼を言った。
504円である。
本当に魔物を倒して、金が得られてしまった。
「おい、良いのか、女神ちゃん。こんなんでお金を得れて・・・。というか、大丈夫か?このお金。偽造とかじゃないよな」
僕の問いに女神ちゃんはやれやれと息を吐き、
「魔物を倒したら、お金を得られる。世界の常識ですよっ。知らなかったですかっ!」
呆れる様に女神ちゃんは言った。
その常識に僕は呆れそうになるんだが。
「これで、救世主様はお金の心配なんて、全然しなくて良いんだよ!私達がいっぱい魔物を倒して、救世主様を助けてあげるんだからっ!」
僕の胸にぐりぐり頭をつき出して菜野葉ちゃんは言う。
それはまるで、頭を撫でろと言わんばかりのジェスチャーだった。
「はいはい、有難う有難う」
僕は菜野葉ちゃんの頭を撫でてやると、菜野葉ちゃんはえへえへ微笑んだが、
祖を見たミクちゃんと梓ちゃんに、自分も頭を撫でろと要求されてしまった。

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