小説 中年おっさんの俺の下に、魔法少女達がやって来て、同棲して色々騒動があったりしつつ、世界を救う話

がおー

2.僕は青い光の塊から、逃げる。

閃光は公園の木に直撃し、木はすっぱり切断された。

あれに当たったら、当然、僕は真っ二つになって、死んでしまうだろう。

閃光は連射され、逃げる僕達の周りに着弾し、辺りを切り裂いている。そんな中を僕と少女は駆けている。

青い光の塊は、足は遅い様で、僕らは住宅地を駆けに駆け、道を曲がりに曲がり、その内、あの異形から距離が取れて振り切った。

「「ぜえぜえぜえぜえ・・・・」」

僕ら二人は、住宅地の壁にもたれて、平静さを失った呼吸を暫く整える。本気で走った事なんて、学生を卒業して以来無い。ただただ、呼吸が苦しく、呼吸を整える事に集中した。

そして、暫くして、ようやく、少女と話せる程度に普段の呼吸を取り戻す、

「・・・・・・はあ・・・はあ・・・・・・・・・・なあ、君。あれは何だい?そして、君は誰だい?」

「・・・・・・ふう・・・ふう・・・・・・・・・・だから、言っているですよっ。あの私達を追いかけて来た奴は、魔物っ!そして、私は女神っ」

「・・・ふざけないで欲しいんだけど?」

「ふざけて無いですよっ?」

ふざけた事を抜かしている少女に、腹が立ったが、ふざけたものに追いかけられているのが今だ。常識的な説明を求めるのは無駄だろうと思った。

「じゃあ、女神さんって良いかな?女神さん?」

「はい、救世主様!」

女神さんはにこにこ元気良く微笑みながら返事をした。

「なあ、女神さん、あの、魔物って奴、何なん?何で僕、光線を撃たれてるの?、あんなのに当たったら、僕、死ぬよね?」

「あれは、世界の憎悪の塊。どこかの誰かの、こんな世界が存在しなければ良いのにという感情と願いの集合体ですよ。世界の核たる、救世主様を殺す為に存在しているんですっ。まさしく、この世の悪で、私は魔物と読んでいるんですよっ。」

「ほうほう、よくわからん。とりあえず、人に襲い掛かる、バケモノって事で良いな、で、何で僕に襲い掛かる?。世界の核って何だ?」

「この世の、全世界、全宇宙が存在し得る為の動力源ですっ!。救世主様の存在に在して放出している存在エネルギーによって、この世の全ての存在が存在し得るに足る存在エネルギーを得て、存在する事が出来ているのですっ!」

「存在エネルギー・・・?僕が・・・?いや、僕は、そんな大層のもの出してないと思うけど」

「それは、人類の誰も発見も観測も出来てないものなんですよっ!だから、救世主様は何とも感じてないし、誰も救世主様の凄さを分からない訳なんですっ!」

女神さんは知識をひけらかす様に、気持ち良さそうに僕に説明した。

「うーん・・・そっかあ、わかんないけど、そっかあ・・・」

超常現象的な内容の説明に納得もいかなかったが、理解している振りをする。超常現象的な事が起きているのは確かなのだから。

「・・・さて、これからどうするか・・・?警察に通報すべきか?」

僕が女神さんに聞くと、女神さんはふるふると顔を横に振り

「やめた方が良いですよっ。頭おかしい人と思われますっ。ふつーの人間には、魔物は見えませんし、魔物が起こしている事象や事故もこの現実世界には全然関係ないですっ。あの魔物が起こした事象事故は、全部魔物のフィールドの事で起きた事なので・・・っ」

「・・・そうなのか・・・、じゃあ、このまま帰って良いのかい?」

「えっ~・・・と・・・そのまま帰るのは良いんですけど・・・きっと・・・」

「きっと・・・?」

僕が、女神さんが言い淀んだ言葉に聞き返そうとすると、突然、目の前の家が、音を立てて爆発四散した。

瓦礫の山から、先ほどの魔物が現れ、眼光の様な光をこちらに向けている。

「・・・救世主様を魔物は常に狙っているので、危ないですよ・・・って、説明がいらなくなりましたねっ」

魔物が突然現れたというのに、女神さんは、慌てもせず、やれやれと困った仕草をしながら、僕に答えた。

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