後悔して転生できたから、好きに生きよう的物語

月田優魔

新しいお出かけ

学校を終えて家に帰ってきた。
入学式を受けるだけだったので学校は昼まで。
玲花も同じだったようで、帰りの時間をあわせて迎えに行くことができた。
家で2人で昼食を食べていると、


「兄さま、新しい学校はどうでしたか?」


そんなことを妹は聞いてきた。


「いい感じだよ、新しい友達もできたしな」


「ふふ、それは良かったです。女性ですか?」


疑念の眼差しを向けてくる。
優しそうな表情なのに、目が全然笑っていなかった。


「いや、男だよ。立花湊っていってな、気さくそうでいいヤツそうなんだ。」


「そうでしたか、変な勘ぐりをしてしまってすいません」


「いや、別にいいけどさ・・・あっ」


オレはくつ箱で起きた出来事を思い出す。


「そ、そういえば女子にも声をかけられたな」


玲花の顔が一瞬で真顔になる。


「山岸カレンってヤツでアイドルをやってるらしいんだけど、そいつに声をかけられてな、虜にしてやる宣言をされたよ」


そう言うと、オレの方をじーっと見てきた。


「はぁ、なにをどうすればそんなことになるんですか?」


その顔はなんだか呆れられているようにも見えた。
オレは今朝学校であったことを順番に説明していった。




「っというわけで、なんかサインを断ったらすごいムキになってきて・・・。


「事情はわかりました。山岸カレンさんといえば、若いのに気が強いアイドルとして有名ですからね。兄さまが気に入らなかったんでしょう」


玲花は冷静に分析していた。


「それで、これからどうなると思う?」


「どうなるって、それは・・・」


少し言うのためらった後、不機嫌そうに言ってきた。


「兄さまに言い寄ってくるんじゃないですか。虜っていうぐらいですから」


「だよなぁ…」


口では嫌そうに言いながらも、内心は少しワクワクしていた。
面白そうになってきた。





「ん?なんか言ったか?」


自分の、面白そう、という気持ちが溢れているせいで、玲花の言葉を聞き逃してしまった。


「何でもありませんっ!」


強い口調でそう言うと、昼食の続きを食べ始めた。


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昼食を食べた後は、オレは部屋でゴロゴロしていた。
ご飯を食べると人は寝たくなるものなのだ。
ベットに寝転がり、昼寝でもしようとしていると、


「兄さま、開けますよ」


妹の玲花が部屋に入ってきた。


「兄さまにお願いがあるんですけど」


部屋に入ってくるなり、いきなりそう口にする。 


「これから私と一緒にデ…じゃない、おでかけしませんか?」


「ずいぶんと急な話だな。どうしたんだいきなり?」


そう聞くと、もじもじしながら話を続けた。


「いえ、あのぅ…と、友達と行く約束をしてたんですけど、急用でこれなくなって…それで兄さまと…ダメですか?」


心配そうな顔でオレを見つめてくる玲花。
そんな顔をされて断れるはずもなく…


「いいよ、一緒にでかけようか」


そう返事をすると、さっきの表情から一変、笑顔になった。


「ありがとうございますっ!それでは準備してきますね!」


スキップでもしそうなテンションで部屋を出ていく。
まぁ、やることもないし、たまには妹と2人で出かけるのも悪くないか。
玲花の出ていくときの後ろ姿を見てそう思ったオレは
出かける準備を始めた。















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