後悔して転生できたから、好きに生きよう的物語

月田優魔

新しい友達

オレと玲花は学校に向かって歩き出した。
妹の中学はオレの高校の登校する道の途中にあるので、途中までは一緒に歩く。


「玲花は誰かと付き合ったりしないのか?」


朝食を食べた時の会話を思い出してそんなことを聞いてみた。


「私は家事が忙しいから付き合ったりしません」


玲花はキッパリと断った。
親は、父親が小さな会社の社長をしていて、母親は父の仕事を手伝っている。そのため、家の家事は全て玲花がしているのだ。


「でも好きなヤツぐらいいないのか」


「・・・心に決めた人は居ます」


「へぇ、どんなヤツなんだ?」


「・・・朴念仁ぼくねんじんの兄さまには絶対秘密です」


「ひゅ〜、朝からアツアツだねお2人さん」


会話をしていると、そんな声が割り込んできた。


「よせって、オレたちは兄妹だぞ、しょう


「ワリィ、あまりにお似合いだと思ったからさ」


「おはようございます翔さん」


「おはよう玲花ちゃん、今日も可愛いねー」


このチャラそうな男は安田翔やすだしょう。オレの友達だ。茶髪にもっさりした髪型で、いかにもチャラそうだが、根はいいヤツだ。翔とは小学生からの付き合いになる。


「今日から俺たちも高校生だな優真」


そんな当たり前のことを言う翔。


「そうだな。真面目にやらないと留年するぞ」


ちょっと脅しをかけてやると、


「分かってるって、高校からは真面目にやるさ」


「翔さんなら大丈夫ですよ」


玲花も翔を応援する声をかける。
それから雑談をしながら3人で歩き出した。


----そう、こんな日々だ。こんな当たり前の日々を送りたかったんだ。


オレは、心が充実しているのを感じていた。
後悔と虚しさで過ごしたあの時とは違う。
そう、オレは生まれ変わったんだ。


オレは、新しい人生の1歩目をふみ出せた気がした。











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