ガチ百合ハーレム戦記

ナガハシ

新王、宣言する

 公衆浴場を出たところで、リーンはカテリーナに攻め立てられていた。


「わかった、これやるから許してくれよっ」
「これがリーンのハーレムメンバーの証なのね。えっ? 9番?! この私を差し置いて、もう8人も配ってしまったの!?」
「いや、まあ、なんだ……早い者順だからさ、ははは」
「キーッ、悔しい! 私、あなたのおしめまで換えてあげたのに! この恩知らず! バカー!」


 カテリーナはポカポカとリーンの胸を拳で叩く。
 リーンは困った顔をして、それを受け止め続ける。


「湯冷めしないうちに、城に帰りたいんだけどなー……」
「何を言うの、リーン! 私今夜は満月亭さんにお部屋をとってるの。朝までみっちり付き合ってもらうんだからね?!」
「でも俺、国王だし……」
「国王だろうとなんだろうと、リーンはいつまでも私の大事なリーンなの!」


 そしてリーンは、帰路についた。


 道すがら、ヨアシュとランにカテリーナのことを紹介し、カテリーナには自分が満月亭にどれだけ世話になったかを話した。
 ヨアシュの髪の毛が短くなっている理由を知ると、それならば、自分よりも上の数字のバッチをもっていても仕方ないかと、カテリーナはしぶしぶながらも認めた。


「もしもーし」


 リーンはバッチの機能をつかって、エイダに連絡をいれる。


『はいなのでーす』
「やあエイダ、俺だ。ちょっとわけあって、今夜は帰れなくなった」
『大事な用なのですか?』
「うん、故郷の人が今こっちに来てるんだ」
『まあ、それは大事なことなのですっ。でも、明日の公務の時間までには戻ってきて欲しいのですー』
「ああ、必ず戻るぜ。じゃあな」


 リーンは通信を切った。


「いまのはもしかして……、あの雪原のエイダ様?」
「そうなんだぜ、リーナ」
「大陸一の魔術師様を、リーンは顎で使っているのね! すごいわ、いくらなんでも出世しすぎよ!」
「いやぁ……顎では使ってねーけどな。何も言わなくても猛烈な勢いで仕事してくれるんだ」
「ちなみにその方、何番なの?」
「5番だぜ」
「まあっ! 私てっきり、エイダ様が1番なのだ思ってた! それで、2番がメイリーさんという人で、3番と4番がヨアシュさんとランさんなのでしょ?」
「そうなのですっ」
「押し付けられたガル」


 するとカテリーナは、その綺麗なおでこに若干のシワをよせ、腕をくんで考え込んだ。


「6番から8番は?」
「6番はエルレンっていう医法師だ。俺の命を何度も救ってくれたからな。んでもって、7番がエルグァの女王のジュア。8番が魔界貴族の中で一番エロイ女の、ルーザって子だ」


 それを聞いてカテリーナは「はぅ……」とため息をついた。
 実にそうそうたるメンバーなのだった。


「もしかして……私がもっらた9番って、すごいのかしら?」
「おうよっ。一桁のバッチはもうないんだぜ!」
「そう……、そうなの……、それならまあ…………うふふふ」


 色々と話しているうちにカテリーナの機嫌が良くなってきた。
 リーンはひとまずホッと胸を撫で下ろした。


 
 * * *




 リーンは、カテリーナとともに満月亭の一室にいた。
 二人ともベッドに腰かけて、ピッタリとよりそっていた。
 部屋の中を照らすには、わずかなカンテラの灯りだけ。
 外はすっかり夜に変わって、天の円盤からは静かな月の光が放たれていた。


「私、アルメダ姫のお写真に向かって、毎日リーンに会いたいって言い続けてたんだから。なのにリーンは、いつまでたっても返事をよこさないものだから……。結局村のみんなでお金を出し合って、私が代表してリ会いに来たの」


 リーンは、国王を倒した翌日には、故郷のグリムリールにむけて手紙を送っていた。
 アルメダの写真で告知したこともあって、カテリーナを始めとするグリムリールの人々は、かなり早い段階でリーンが生きていたことを知っていた。
 だが、官僚の首を切ったり、蜂起した勢力を鎮圧したり、ゴーンを尋問したりと忙しかったリーンは、すっかり故郷の人々のことをほったらかしにしていたのである。


「すまなかったぜリーナ。せめて転移陣をタダで使えるようにしとけばよかったな」
「それはそれで問題があるわよリーン。あんな便利なものをいきなりタダにしたら、きっと大変なことになる」


 あまりにも高額な転移陣の利用料を今後どうするかは、今の所、答えの出ていない問題だった。


「それはそうだな……。どうしたらいいんだろうな。俺はそういうことには頭が回らないんだ」


 リーンがそういうと、カテリーナは頬に指をあてて考え始めた。


「そうねえ。やっぱり市場の仕組みを使うのが良いんじゃないかしら? 今はお城の人が独断で料金を決めているのでしょう?」


 アルデシア各地に設けられている転移陣は、魔力が集まりやすい場所に作られている。
 だがそれでも、あまり頻繁に使うと、魔力の貯蔵量が減ってしまって使えなくなるので、あえて高額な料金が設定されているのだ。


「そうなんだ。その料金の決め方もけっこう適当だったみたいでさ。しかも何割かは役人達の懐に消えてたんだ」
「やっぱりね。城の人にばかりやらせていると、そういう薄汚いことが起きるのよ。ものの値段の決め方というのは、基本、市場の仕組みに委ねるべきなのよ」
「どうやってやるんだ?」
「転移陣を使う時の魔力は、距離と人数で決まるでしょ? だから、消費する魔力量を一定の単位に区切って販売するのよ。売りに出せる魔力量は限られているから、需要が高い時は値上がりするし、逆に低いときは値下がりするわ。そうやって、上手く市場の仕組みにのせるのよ」
「……ほへー」


 リーンは、カテリーナの言っていることの半分くらいしか理解できなかったが、いかにも商人の娘らしい発想だと感心した。


「なあ、カテリーナ。よかったら城にきて働かないか?」
「え? ほんと?! いいわよ、私やるわよ!」
「よし。じゃあ、明日エイダに話しておくぜっ」
「リーンの役に立てるなら、私なんだってするわっ」


 と、まさに二つ返事でカテリーナは城に登用されてしまった。
 後に彼女は、「民営化の鬼」と呼ばれるようになる。


「じゃあ、さっそく頼みごとなんだが……」


 リーンはそう言って、そっとカテリーナの腰に手を回す。


「ああんっ、リーンったら、わかってるわよっ」


 するとカテリーナは、まるでそうされることがわかっていたように、嬉しそうに腰をくねらせた。


「国王様は、さっそく私に夜伽をお命じになるのね……!」
「ふへへ、そういうこった。というわけで……おりゃあああ!」
「あ~~れ~~!」


 リーンは、あっという間にカテリーナのドレスをひん剥くと、ベットの中に引きずり込んだ。


 
 * * *


 
「スヤスヤ……」
「ふう……」


 事後である。


 遠路はるばるやってきた幼馴染の肌には、故郷の匂いが染み付いていた。
 リーンは、カテリーナの柔肌をかき抱きながら、遠い故郷のことを思っていた。


 今にして思えば、リーンは王様になるためにエヴァーハルにやってきたわけではなかった。
 さっさと魔王を倒して、王女様を嫁にもらえればそれでよかったのだ。
 しかし気づけば、魔王のことなどどうでも良くなっていて、それよりも国王のおっちゃんを何とかしなければと考えるようになっていた。
 そして、いつのまにか王様になっていた。


「村のみんな、俺が帰ったら何て言うかな……」


 自分が王様になったということを、本当に信じてくれるだろうか?
 もしかしたら、全然信じてもらえなくて、また昔みたいに、引っぱたかれたり、ひん剥かれたりするのかもしれない。
 だが、どちらかといえば、その方がありがたいかもしれない。
 王様扱いはされるのは、正直言って好きではないのだ。
 昔にもどって、子供の頃みたいに、また村のみんなと遊べたら。
 つい、そんなことを考えてしまう。


「へへ、俺らしくもねえぜ」


 だがリーンは、すぐに首を振ってその考えを振り払った。


――行けるとこまで行ってやる。


 そして、グリムリールを発った時の決意を、あらためて思い起す。
 果たして自分はどこまで行けるのか。
 国王の座にまで昇りつめた今、さらにこの先どこへ行けばよいのか。
 眠るカテリーナのおでこを撫でながら、リーンはそんなことを考えるのだった。


「天界……か」


 窓の外から差し込んでくる月明かり。
 その光の元である天の円盤。
 そこは天界の住民が住まう場所とされている。


 そしてリーンには、ずっと見えているのだ。
 天界へと続く、光の塔が。


 初めてエヴァー湖を見た、その日から。


「よっと……」


 リーンは枕元に置いてある袋から、一枚のバッチを取り出した。
 バッチには『1』の番号が振られていた。
 そのバッチはまさに、自分がもっとも恋焦がれた相手にあげたいと願っていたものだった。


「アルメダ……」


 その者の名を口ずさんで、リーンは窓の向こうを見上げる。
 天の円盤の姿は、部屋の窓からは良く見えなかった。


 
 * * *


 
 翌朝。
 リーンはカテリーナを起さないようにして、そっと満月亭を後にした。


 城へと戻り、かろうじて崩壊を免れた医法師本部へと向かう。
 本城の主塔が医法師本部の方角に倒れたため、建物のすぐ側には、一直線の空き地が出来てしまっている。
 あと少しで本部に直撃するところだったのだ。


 リーンは本部の玄関をくぐり、二階へと上がるための階段を目指す。
 その途中、緑色のローブを着た少年とすれ違った。


「よう、エルレン」
「おはようございます、国王さま!」


 エルレンは、猫耳のようなとんがりがついたフードを脱ぐと、リーンにむかって深々とお辞儀をしてきた。


「リーンで良いって言ってるのに……」
「さ、流石にちょっと、もう……勘弁してくださいですっ」


 と言って、ひたいに汗を浮かべるエルレン。
 上下関係に厳しい医法師の世界で育ってきた少年に、仮にも大陸の覇者であるリーンのことを、名前で呼び捨てになど出来るはずもなかった。


「仕方ねえなぁ。早いとこ、俺とタメ口聞けるくらい偉くなってくれよなっ」
「はいっ、頑張ります!」


 リーンは少年の全身をくまなく観察する。
 少年は緑色のローブを着ていて、全身から放たれる風格が、少しばかり大人びていた。
 うなじの細さや、少女のような顔立ちは相変わらずだが、精神的な面では確実に大人への成長を始めているのだ。
 少年は今、ギリアムの提案で元居た医法院を離れ、医法師本部に勤めながら医法術の修行をしているところだ。


「ここには慣れたか?」
「はいっ。みなさんとても良くしてくれますっ。医法術の本も一杯あって、設備も充実してて、とっても勉強になります」
「うんむ、そりゃ良かった」


 これほどの才覚がある少年を、大陸中でもっとも充実した設備のある施設で育てたら、一体どうなるのか。
 リーンは早くも、エルレンの将来が楽しみで仕方なかった。


「バッチもちゃんとつけてるな」
「えっ? あ、はいっ。もちろんです!」


 エルレンの胸に光るのは、ハーレムの一員の証である、赤百合のバッチだった。
 番号は「6」番だ。


「でも、本当に僕なんかがもらってよかったのでしょうか……」


 と言って、少年は頬を赤らめた。
 ハーレムの一員ということはつまり、国王の一声で、その身の全てを捧げなればならないということだ。
 そのことは、少年にも良くわかっていた。


「俺の方こそ良かったのか? 無理に押し付ける気はなかったんだけど」
「いえいえ、リーン国王が良いのなら、僕は全然かまわないのです。国王は女の人で、僕は男すから、その……医学的な問題はまったくありませんっ。お世継ぎのことを考えれば、男の側室も当然必要なわけで……、それに加えていただけるのは、大変名誉なことで……」


 言いながらどんどん赤くなっていく少年を、リーンは意地悪な笑みを浮かべながら眺めていた。


――相変わらず可愛いなぁ。


 改めてリーンはそう思う。


「ただ、僕はまだ子供で、まだその……きちんとお勤めを果たせないと思うので……その、もう少しお待ちいただければと……」


 と言って、胸の前で指をつんつんし始めた少年。
 この仕草を始めると、そろそろ少年は限界なのだ。
 リーンは少年の肩にそっと手を置く。


「ああ、わかってるぜエルレン」


 そして満面の笑顔とともに言った。


「そのうちなっ」
「え? あっ、はい!」


 リーンの言う“そのうち”が、いつのうちなのか。
 それは、言っている本人にもわからなかった。


 もし、自分が誰かの子を身ごもるとしたら、今はこの少年以外には考えられない。
 だが、医法師として立派に成長して欲しい気持ちもまた、強いのだった。




 * * *


 
 リーンは精一杯の自制心でもって、少年を物陰に連れ込みたい気持ちを抑え、医法師本部の二階へと上がった。
 この施設も、あちこちで改装作業が行われている。
 建物の増築も始まっていて、ゆくゆくは難病患者の治療や、その治療方法の研究をする場として使われる予定だ。


 二階に上がると、リーンは治療室として改装された一室へと入っていった。
 そこでは今、宮廷魔術師のゲンリが療養している。


「おいっす!」
「ああっ、これは国王さまっ」


 ベッドに寝ていたゲンリが、あわてて身体を起してきた。


「無理すんな、寝てろっ」
「いえいえ、リーン国王。もうずっと寝てばかりで、申し訳なのです。あと少しで仕事に復帰できますので……あっ」
「いいから寝てろって」


 リーンはゲンリの肩をつかむと、そのままベッドに押し戻した。
 しぶしぶながら横になるゲンリ。
 その顔をは、以前よりもさらに痩せこけていた。


「ちゃんと食ってるか?」
「食べてますとも。でもちょっと、贅沢すぎませんか? 私の食事」


 ベット脇の机には、食べ残した朝食がおかれていた。
 なんと朝から分厚いステーキが出されたらしく、脂身の部分がいくらか残っている。


「残してるじゃないか。良い肉使ってるんだぜ?」
「これでも頑張って食べたのですよっ。以前の三倍は食べております……うぷっ」
「その割りには太らねーなー」
「体質なんですよー。食事は十分すぎるほど頂いておりますので、ご心配なく」
「おうっ。ちゃんと食って寝て、元気になれよっ」


 ゴーンの電撃拷問魔法を受け続けたゲンリの体は、つま先から頭のてっぺんまで、くまなくボロボロになっていた。
 血肉は焦げ、神経は焼き切れ、医法師団の本部にある治療室に担ぎ込まれてから一週間以上も、ゲンリは意識を失ったままだった。
 目覚めてからもしばらくは動けず、言葉を発するのもやっとだったゲンリだが、根気よく治療とリハビリを続けて、今ではなんとか普通に話せるようになった。
 彼は見た目によらず、丈夫な人間なのだった。


 リーンは、ベット脇に椅子を寄せて腰をおろした。


「ふう……」


 そして、疲れたように息を吐く。


「流石のリーンもお疲れのようですね」
「まあな。毎日毎日、やることいっぱいあって大変なんだぜ。やっと昨日、満月亭に顔を出せたよ」
「そうですか。みなさんお元気で?」
「ああ、問題なくやってたぜ。オヤジさんも戻ってきてたしな」
「それは何よりです。ヨアシュが誘拐されかけたりして、一時はどうなることかと思いましたが、上手くいってよかったですよ、本当に……」


 と言って魔術師は、その痩せこけた顔をそっと綻ばせた。


「人の被害も、あまり出なくて良かったです」
「建物は滅茶苦茶になっちまったけどな」
「ええ。まさか国王達が、あんな仕掛けを城の地下に作っていたとは……。国王の魔力が全快したときは、正直もうダメだと思いました」
「俺もだぜ」


 アルメダが実はホムンクルスで、城の地下にはそのアルメダを制御するための祭壇があって、大陸中に配られてた写真から、人々の魔力をこっそり集め続けていた。
 祭壇からの魔力をうけた国王は消費していた魔力を全回復させ、その膨大な魔力をもってリーン達を葬り去ろうとしてきたのだ。


 だが、リーンは勝った。
 その身の内に隠されていた力と、アルメダ姫の覚悟によって。


「全部、アルメダのおかげなんだぜ」
「リーンも、あの国王と互角に渡り合ったというではないですか」
「いいや……実際かなり負けてたんだぜ。俺が勝てたのは本当に…………奇跡なんだ」


 と言ってリーンは、窓の外に目をやった。
 広い城内の敷地と、それを取り囲む巨大な外城の壁。
 その向こうに、長い針をつき立てたようにそびえる光の塔。
 リーンは無意識のうちにため息をついていた。


「……失ったものは大きいぜ」
「リーン……」


 金の棺の中で眠ったまま、ゆっくりと朽ちていくアルメダの体。
 医法師長ギリアムによれば、魂と肉体を繋ぐための“気”の流れが、すべて失われてしまっているのだと言う。
 アルメダの身体を維持・修復するための装置でもある、祭壇と金の棺。
 その機能によって、かろうじて姿形は保たれているが、アルメダの体そのものに生き続ける力がない以上、あとは朽ちてゆくのを待つしかないのだ。


――なんとかできないのか。


 あの戦いから一月あまり。
 リーンはずっとそのことを考え続けてきた。


「なあゲンリ」
「はい、リーン」


 そしてリーンは、決意の眼差しを魔術師に向けた。


「試してみたいことがあるんだ」


 その口調は、どこまでも真剣だった。
 リーンの本気を察したゲンリは、その表情を引き締めた。


「笑わずに聞いてくれるか、ゲンリ。俺はこれから、とってもおかしなことを言うかもしれねえんだけど」
「はい、聞かせて頂きますとも」
「それはきっと、俺以外の人間にはさっぱりちんぷんかんぷんで、頭がおかしくなっちまったって思われても仕方ねえことなんだけど、それでも聞いてくれるか?」
「はい、リーン。あなたの話がちんぷんかんぷんじゃなかったことなんて、いままで無かったですし」
「へへっ、言ってくれるじゃないか」
「ふふふっ。お忘れですか? 私はこの手で、あなた様を取り出したのですよ?」
「あのクソ親父の“はらわた”の中からな。そういうやそうだったぜ」
「リーンは生まれた時からちんぷんかんぷんでした。だから、今さらリーンが何を言おうとも、私はけして驚きませんよ」
「そうか……」


 リーンはそこで一息おいた。
 改めて窓の向こうを見て、その先にそびえる光の筋を睨む。
 そしてゲンリの目を見据えて、毅然とした口調で告げた。


「ゲンリ。俺は、そらに昇ろうと思うんだ」


 その声は、どこか随分と高い場所から聞こえてくるようだった。


「そうですか、なるほど」


 だが、魔術師の真面目なその表情は、微塵たりとも揺らぐことはなかった。 















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