5000兆円と金髪ロリサンタで令和日本をぶっ壊す 〜魔法のがま口財布は最強チートアイテムだった!〜

ナガハシ

世界に羽ばたく

 海外に作った口座から金を出し、日本国債を組み込んだ金融商品をじわじわと買い集めていった。
 日銀が国債を売り出しても、国内外の証券会社がそれを吸収していくので、長期金利は低いままだ。
 これでは景気は冷えない。


 量的緩和を終了する際に損失が出ることがわかってる日銀は、予め積立貯金をしている。
 しかし思ったほど金利が上がらない(つまり、国債の価値が下がらない)ので、予想したほどには損失が出なかった。


 日銀の利益は国庫に還付される。
 この調子でいけば、2兆円くらい一般会計に付け加えられるだろう。
 景気の良くなる材料ばかりだぜ。
 ざまぁ!


「国内に関してはこんなもんかな」
「お、いよいよ世界に目を向けるのじゃな」


 そう、俺の願い事は世界平和だった。
 これを実現しなければ、金髪ロリサンタを嫁にすることは出来ない。


「この間、テレビで見たんだけど。北欧に凄い環境活動家がいるらしい」
「グレタというおなごのことじゃな? 割りとご近所さんなのじゃ」


 どっちも北欧だもんな。


「やっぱり、環境問題には早めに手を打っておく必要があると思ってな。そこから取り掛かろうと思う」
「ふむふむ、何をするつもりじゃ?」
「再生エネルギーをプレゼントしよう」
「風力とか太陽光とか地熱とかじゃな」


 そうだな、あと日本みたいな島国なら潮力発電もありだと思う。
 やりすぎると月が落っこちてくるかもしれんが。


「2000兆円分くらい作って配ろう」
「電力会社が倒産しそうじゃ」
「まあ……悪いが、地球の未来のためだ」
「うむ、致し方あるまい」


 そうだな。


「んじゃ、いっちょ景気良く」
「配ってしまいうぞい!」


 そうして俺らは、世界中のご家庭に自家発電システムを配ったのだった。
 日本、アメリカ、中国、インド――。
 チベットの山奥から、北極圏の国々まで。


 1kwあたりの設置費用が20万円だったので、2000兆円で100億kw分にもなった。
 これは、人類最強の発電所である山峡ダム500機分、柏崎刈羽原発1200機分に相当する。
 年間発電量はおよそ10兆kwh。
 そして、全世界の年間発電量はざっくり見積もって30兆kwhだ。


 結果として人類の化石燃料消費量は、3分の2に減ることとなった。


 しかし……。


「石油の値段が……」
「大変なことになっとる……」


 そううまく行かないのが世の常なのだった。







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