5000兆円と金髪ロリサンタで令和日本をぶっ壊す 〜魔法のがま口財布は最強チートアイテムだった!〜

ナガハシ

サラーシ

「よっこらせ……」


 がま口から引きずり出したのは、やたらとごついノートパソコンだ。
 10kgくらいある。
 ケーブルを差し込み、電源を入れると、数秒で起動した。
 『クロース』という、聞いたこともないOSだった。


「データ集計完了なのじゃ」


 ロリサンタとこのPCは量子暗号接続されているという。
 このシステムの現在価値が如何ほどなのかはわからないが、少なくとも5000兆円よりは少ないのだろう。


 集計ソフトを起動させると、色々と検索項目が出てきた。


「まずは、暴力行為を働いた奴をピックアップしよう」
「そうじゃな」


 恐喝行為で100万円を略奪した人物が568人ほどピックアップされる。


「このデータに証拠をつけて、警察に送ってやろう」
「任せるのじゃ」


 あれはけっこう重い罪なんだ。
 高校の時に、カツアゲやって留置所に入れられた奴がいる。
 存分に囚人気分を味わうが良い。


 次に、横領をした奴のリストを作る。
 1万1345人――役所の職員から警官まで、膨大な数だ。
 これを一度に晒したら、国家運営に支障がでてしまいそうだな。


「特に悪質なのを選んで、メディアに送ってやろう」
「見せしめにするのじゃな」


 こっちがちゃんと把握しているってことを、知ってもらえればいい。
 そして、震えて眠れ。


 あとは、軽微なものだが……。
 レジへの割り込み、店員や職員に対する暴言……。
 あと、警察に届け出ろって言っておいて、自分ではこっそり懐にいれている政治家。


 これも、悪質なものをピックアップしてメディアに送ろう。


「良いことに使った人のリストも作りたいのう」
「そうだな」


 嫌なニュースばかりだと気が滅入るもんな。


 寄付に使った人を検索すると、今日だけで5873人もいた。
 これは……メディアに投げるより。


「直接、感謝の手紙を送ろうか」
「いいのう!」


 そして、俺とロリサンタは、感謝状の文面を考えた。


「よし、こんなもんか」


『良いことに使ってくれてありがとう! でもあのお金は、日ごろ頑張ってくれているみんなへのプレゼントなので、自分のためにも使ってあげてね!』


 そして、全額寄付するという凄いことをした15人には、その感謝もこめて200万円を追加送付した。


「そういえば、警察と役所に持ち込まれた額はどんなもんだ?」


 ちょちょいと調べてみる。
 その総額、現時点で10兆5430億円。
 1割近くが返納されてしまっている。


「これはシュレッダー行きなのかな?」
「そうじゃな、既にかなりの札束が切り刻まれているのう」


 せっかく配ったのにもったいない。


「お金を返しちゃった人には、もう一度配り直そう。手紙も添えて」
「ふむ、いたちごっこにならんかの?」
「それでも返すって言うんなら仕方ないな。今後はもう送らないって書いておこう」
「うむ、そうじゃな」


『100万円を返した律儀なあなた、素晴らしい! 感動したのでさらに200万円プレゼントします。それでも要らないというのなら構いません。もう今後一切、お金は送らないことにします』


 これで少しでも、世の中まともになってくれたらよいのだが……。







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