なろう小説について近頃の私が思うこと

ナガハシ

なろう小説について近頃の私が思うこと

 昔に比べると、最近のなろうは随分とお上品になった気がします。
 昔はもっと露骨だったような……。


 ここで言う昔とは、大震災以前の話で「奴隷ハーレムな話」が累計トップに燦然と輝いていた頃のことです。
 異世界転生もの全盛期ですね。


 あの頃に比べると今は、かなりバリエーションが増えて「公爵令嬢の○○」のような、現役のキャリアウーマンさんでも問題なく楽しめそうなお話がゴロゴロしています。


 多様化が進んだというのでしょうか。
 従来の枠組み、いわゆる「テンプレ」を利用しつつも、そこからいかに抜け出すかという知的な試みが、数多く見受けられるようになったと思います。


 近頃ハマっている作品は、銀河連合になっちゃった日本の話とか、オーバーデスの孫なる者が話術で成り上がる話などなんですが、ぶっちゃけすごいですね。
 下手な市販の小説よりクオリティ高いですよ。
 あまりに凄すぎて、書く自信がゴリゴリ削られていく……(汗


 とにかく、安易なテンプレものを書いても見向きもされませんから、書き手は頑張って頭をひねらなければなりません。
 かといって、「転生チーレムものはいかん!」みたいな、安易なアンチ志向でもダメです。
 なかなか思いつかない発想。
 もしくは、何かしらの対象に向けた、強烈な情熱が必要なのでしょう。


 あと筆力……。


 最近、ガチャを題材にしたお話をよく見受けます。
 ローファンタジーのジャンルになりますが、単純にガチャを回してスキルを得るというのもありますが、ダンジョンなどで一発ツモ、たまたま有用なスキルを身につけるという話もあります。
 これは実質、ガチャを回しているようなものですね。


 ガチャ自体は別に良いのです。
 あれはあれで楽しいものですから。
 要は、どんだけガチャが好きかということが、ありあり伝わってくる話じゃなきゃイマイチ響かんということです。


 それこそ、100種類くらいあるガチャの中身を、全部考えて設定資料作ってしまうくらいの思い入れがなければならんようです。
 そこまでやれば、パッと読んでもわかるくらいのリアリティが出ますからね。
 本物のガチャで遊んでいるような気持ちになれるのです。


 筆者はそこまでガチャ好きじゃないので、たぶんガチャを題材にしたお話はかけません、残念。
 リセマラなんてしたくないよぉ……。


 では筆者は何が好きか。
 一日中そればっかり考えていられるほど大好きなことはなんなのかと考える。


 割りと、暇さえあれば経済のことを考えています。
 政治や国際情勢にも興味がある方です。
 なので、銀河連合な日本の話にハマったのでしょう。
 ちょっと難しいけど、とっても面白い話なので気になった方読んでみてください。


 あと歴史シュミレーションが好きだったりします。
 シヴィライゼーションみたいなゲームも好き。
 だからなのか、秀逸な内政ものを発見するとかなりテンション上がります。
 最近見つけたのだと「中央銀行」を題材にしたファンタジーですね。
 国家建て直しものがもっと流行ってくれないかなーと期待して止みません。


 あと、なんだかんだ言ってハーレムものも好きですね。
 ハーレムものの良いところは、たくさんヒロインがいるので、だいたい一人は本当に好みの女の子が見つかるところです。
 毀誉褒貶甚だしい「ハーレムもの」ですが、一人でもどツボな子がいればあっさり許せてしまうものですよ……。
 これも、作者がどれだけキャラを愛せるかが決め手ですかね。


 あと、主人公大事です。
 筆者もハーレムものを書いたことがあるのですが、出来るだけ主人公が自分にならないように気を付けて書きました。
 というか、絶対に自分にならないように女の子にしてしまいました。


 主人公に自己投影してしまうことほど、書いていて気持ち悪いことはありません。
 読んでいても然りです。
 主人公は作者ではありません。
 作者が大好きだと思える誰かです。
 少なくとも私はそう考えています。


 ハーレムもので最も重要なのは、「まずは主人公を好きになれるか」!
 読者からすれば、主人公もまたヒロインの一人に過ぎぬのだ……。


 あと、物語の主人公に求めるものがもう一つあります。
 それは、「自分がやりたいと思っていても出来ないことを代わりにやってくれる」ということです。
 これがないと、お話というのはなんだかスッキリしませんね。
 この○ばのカ○マさんなんかは、それをことごとくやってくれてます。
 パンツをスティールとか……露骨ですね!


 桃太郎の話が語り継がれるのは、みんな心のどこかで鬼退治をしたいと思っているからでしょう。
 宝を持ち帰ってくるあたりも重要です。
 一種の成功体験ですかね……鬼からしたらいい迷惑だけど。


 では結論。


 なろう小説にかぎらず、物語というのは、作者と読者の「好き!」と「やってみたい!」で成り立っている。
 それは、今も昔も変わらない。
 すなわち、現在なんらかの理由でヒットしている作品の中には、現代人のフラストレーションが反映されているとも言える。


 というのが、最近思ったことなのですが、みなさまにおかれましては、いかがお考えでしょうか?


 何を今更かもしれませんが、兎にも角にも、ご清聴ありがとうございました!







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