宇宙人に転生した私、万能パワーで無敵に宇宙を大冒険!

ゆにこーん / UnicornNovel

97話 繋がる星と星

 スプリィムとの、そして私の体との戦いから今日で二週間くらい。
 フローンの町もヴェーゼ本部も、すっかり落ちつきを見せている。

 十年以上も時間の止まっていた星だからね、最初はバタバタして凄く大変だったみたい。
 だけど、エルリンのおじいちゃんがユニオンマスターに復帰して、星全体をうまくまとめてるんだって。
 エロジジイなんだけど、やっぱり凄い人だなって思うよ。

 で、私はというと……町に出るのは恥ずかしいから、本部でじっとしてる……。
 でも前みたいに“いじいじ”はしてないよ、なぜなら凄く嬉しいことがあったからね。

 私にも婚約者が出来たの! それも両親公認の!
 超うちゅカワイイ私の婚約者!!

「ね! エルリン!!」

「えっ……突然なんですの?」

「ううん、なんでもないよ!」

 フフフッ、私の婚約者はカワイイなぁ……。
 性格もいいし、顔も可愛いし、スタイルもいいし、黄色い天使ちゃんだよ。
 たまにビンタされるけど……とにかく最高の婚約者だ。

「ソーラ……ニヤニヤと笑って不気味ですよ……」

「よだれも出てるナ……きっとまた変なことを考えてるナ……」

 おっと危ない、幸せのあまりボーっとしちゃってた。
 えっと……今はチコタン、ミィシャン、エルリンと一緒に、本部の中を……。
 ……あれ? 何をしてるんだったかな……。

「ねえエルリン、私達はどこに向かってるんだろう?」

「どこって……先ほど説明しましたわよ? 話を聞いていませんでしたの?」

「え……そうだったかな……?」

「また妙なことを妄想してて、話を聞いていなかったのでしょうね……」

「絶対そうだニャ……ソーラだからニャ……」

 くっ……チコタンもミィシャンも酷いよ。
 でも何一つ間違っていない、悔しい!

「おじい様に呼ばれて、中央指令室に向かっているのですわ。というか、もう到着しましたわ」

 なるほど、今日はおじいちゃんに呼ばれてるんだね。
 呼ばれたことは全然覚えてないけど……。

「さあ、中央指令室に入りましょう」

「そうだね、お邪魔しまーす!」

 扉を開くとそこは……うーん……地味……。
 スプリィムのいた指令室は暗いネオンの部屋だったけど、ここはただ機械でいっぱいの部屋だね。
 謎の装置にケーブルとモニター、銀色の機械で部屋中びっしりだ。

「お嬢ちゃん達、待っておったぞ」

「久しぶりだねおじいちゃん、元気そうでよかった!」

「お嬢ちゃんも元気そうじゃな!」

 おじいちゃん、二週間前まではひょろひょろのご老人って感じだったけど、今はなんだか“おじさま”って感じになってるよ。
 エネルギッシュなのはいいことだけど、これは流石に若返りすぎじゃない?
 これもダークマターの影響? それともユニオンマスターに復帰したから?

「ちょうどいい時に来たのう、もう少しで接続は完了するはずじゃ」

 うん? 接続?
 なんのことを言ってるんだろう。

《──ザザッ──ザザッ──ん──ソー──えちゃん──》

 何この声? どこかと通信してるの?
 なんだか聞き覚えのある声だけど。

《──ザザッ──ソーラ──えちゃん! ──ソーラお姉ちゃん!》

 えっ、この声!
 まさか!

《ソーラお姉ちゃん! チコお姉ちゃん! ミィお姉ちゃん! 久しぶり!!》

「「「プヤプヤちゃん!!」」」

《こらプヤプヤ! 急に大声で話しかけてはいけませんよ!!》

「マヤマヤも!」

 間違いない、今の声はマヤマヤとプヤプヤちゃんだ。
 よく見たら、モニターに二人の映像も映ってる。

「おじいちゃん! もしかして接続って──」

「うむっ、惑星ラハルとの接続、完了じゃな!」

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