宇宙人に転生した私、万能パワーで無敵に宇宙を大冒険!

ゆにこーん / UnicornNovel

77話 二人の元へ!

「エルリン、この先は?」

「そのまま上へ、一直線ですわ!」

 長い長い、とにかく長い階段。
 この長い階段の先に、チコタンとミィシャンは待ってるはず。
 急いで助けに行かなくちゃ!

「侵入者だ! 捕えろ!!」

「包囲して一斉射撃だ!」

「敵だ! ここは私が──」

「いいや! ここはワシに任せてもらおう、お嬢ちゃんは下がっておれ!」

 うん? おじいちゃん?
 ずっと閉じ込められてたんだから、無理はしない方がいいよ?

「ゆくぞダークマター! 破ぁ!!」

「「ぐああぁっ!?」」

 おぉっ、あっさり敵を吹き飛ばしていく!
 爆弾みたいにダークマターを爆発させてるんだ!!

「衰えておりませんわね、流石はおじい様ですわ!」

「ほっほっほっ、まあのう」

 ホントに凄いよ、ただのエロジジイじゃなかったんだね。

「さあ、もう少しですわよ!」

「見て、明るくなってる!」

 ようやく階段の終わりだ。
 この先は広い吹き抜けになってるみたい。
 そして──。

「あれは……!」

 タピオカだ。
 おじいちゃんを閉じ込めていた、黒い球体にそっくり。
 だけどダークマターの圧力は、けた違いに強い!

「本部の中央指令室ですわ、スプリィムはあそこにいます」

「あの指令室、ダークマターで出来てるよね。とんでもない強さなんだけど……」

 どうしよう、全力を出せば壊せないこともないと思う。
 けどそれをやると、私の体力はもたないかも……。
 いや、今はそんなこと言ってる場合じゃない、チコタンとミィシャンを助けなくちゃ!

「よし、私のダークマターで──」

「待ちなさい、ここもワシに任せてもらおうか」

 えぇ? おじいちゃん、ここも一人でやるつもりなの?
 流石にあれは厳しいと思うけど……。

「心配しなさるな、まあ見ておれ。さて……ダークマターよ……」

「えっ……何これ?」

 黒くて丸い……ダークマターのカプセルだ。
 私達三人を、ダークマターのカプセルが包んでいく。

「ではゆくぞ……」

 おぉ? 浮きあがってる。
 なるほど、このカプセルに入ったまま、指令室に突入するんだね。
 でも相手のダークマターの方が強そうだよ、これだと弾かれちゃうんじゃ──。

「えっ? 弾かれない!?」

 どうなってるの?
 なんの抵抗もなく、ズブズブっと吸い込まれていく。

「おじい様のダークマターで、スプリィムのダークマターを中和しているのですわ」

「中和? そんなことも出来るんだね」

「高度な技術ですわ、流石おじい様です!」

「ほっほっほっ。ではお邪魔するぞ、スプリィムよ」

 おじいちゃん凄い! これでエロくなければ……。
 とにかく凄いよ、流石は元ユニオンマスターだね!

 よし、いける! 

 このまま突入だ!!


 ──。


 夜空のような真っ暗の壁。
 星みたいなネオンの光。
 そして無重力の空間。

 まるで宇宙空間だ。
 そして──。

「あらぁ、お客さんかしら?」

 こいつがスプリィム……それから……。

 ……それから……。

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