72話　新兵器！

　こちらはソーラ分身体。
　現在、チコタンとミィシャンを捜索中！
　なんだけど……。

「そっちに逃げたぞ、追い詰めろ！」

「一斉射撃で仕留めるぞ！」

　敵だらけで、なかなか先に進めない。
　さっきから雨のようにビームを撃たれてて、バリアーを張るだけで精いっぱいだ。
　うーん……どうしよう……。

「そこまでだニャ！」

「私達が相手です！」

　この声は……まさか！

「チコタン！　ミィシャン！」

　よかった、二人とも無事だったんだね！
　でも今は危ない、ビームに気をつけて!!

「チコタン！　防御は任せたニャ！」

「はい！」

　うん？　チコタンが防御？

「いきますよ、“チコチコガード”！　展開!!」

　おぉ！　チコタンの右手からバリアーが出てる！
　よく見たら、腕時計みたいなものを巻いてるね。あれでバリアーを張ってるのかな？
　かなり強力なバリアーだ、敵のビームを全部弾いてる！
　ところで、凄く気になる名前だね……チコチコガードって……。

「防御は任せてください！　ミィシャン、攻撃をお願いします!!」

「了解ニャ！　“ミィビット”！　発進ニャ!!」

　今度は何？
　ミィシャンの背負ってるリュックから、何か沢山飛び出してきて……。
　あれは！　プチUFOだ!!

　マジーメの使ってたプチUFOそっくりだね、猫耳つきで凄くカワイイ！
　ところでミィビットって……また気になる名前だよ……。

「ねえ、チコチコガードとミィビットって何？」

「ニハハッ！　どっちもボクの新兵器だミャ！　ミィビット、突撃ニャ～」

　突撃!?
　おぉ……ホントに突撃していくよ……。
　ビームを出したりはしないんだね……って。

「ええぇっ、凄い威力だよ!?」

　ただ突撃してるだけで、次々と敵を吹き飛ばしてる。
　ビームよりも全然強力だよ。

「マジーメのドローンビットを参考にして、ボクなりにアレンジしてみたのニャ」

「流石ですね、ミィシャン！」

　凄い！　あっという間に敵を全滅だ!!
　新兵器の威力、恐るべし……。

「二人とも助かったよ、私は本体じゃないから力不足で……」

「うナ？　分身ソーラかニャ？」

「そうだよ、分身して二人を探してたの、二人とも無事でよかった」

「ミィシャンの新兵器のおかげです！」

　いつの間にか新兵器を作ってたんだね。
　ソーラ様キャノンといい、ミィシャンはホントに色々と作れるね。

「ところで、名前をつけたのはミィシャンかな？　その名前は……恥ずかしくないの？」

「少し恥ずかしいです……でも……」

「ニハハッ！　ソーラ様号よりはマシだミャ」

「なっ!?」

　ちょっと、それってどういう意味なの!?
　ソーラ様号の方がマシでしょ……いや、マシじゃないか。
　でもそういう問題じゃないでしょ！

「冗談だから、怒らないでミャ」

「むうぅ……」

　納得いかないけど、今は怒ってる場合じゃない。
　二人とは合流出来たから、あとは本体と……ん？

「ソーラ、どうかしましたか？　まだ怒っているのですか？」

「そうじゃなくて、向こう側に何かあるみたい」

「向こう側？　通路の先かナ？」

　強い気配を感じる。
　通路の先に何か見える、あれは……。