私立超都会学園 合戦部

ハイイロチョッキリ

2-1 『食堂戦争』

私立超都会学園は学食がある。

フレンチ、イタリアン、和食に中華、創作料理、パキスタン料理、モンゴル料理、ベトナム料理、ジビエなど

学食では一流シェフの洗練された様々料理を食べることが可能だ。

しかし、舌の肥えたお坊ちゃん、お嬢さんはそんなものには見向きもしない。

目指すは一点、

購買部あるのみ。

購買部には何の変哲もないパンが並べられている。

ベーカリーの焼き立てのパンではない。

どこにでもあるコンビニに売られているようなパンだ。

しかし、購買部にこのパンが導入されて以来、なぜか生徒達の間で爆発的な人気を誇っている。

理由は諸説あるが、

一説によると

受験でうっかり紛れ込んでしまった一般家庭の生徒が毎日の高い学食に頭を悩ませ、

お財布を痛めないために購買部でパンを買い、美味そうに頬張ったからだとかそうでないとか。

とにかく理由はどうでもいい。

パンだ。

購買部のパンである。

このパンを買うために生徒達は毎日昼食休憩のベルとともに全力疾走するわけである。

この現象を超学では「食堂戦争」と呼ぶ。

この話はこの「食堂戦争」に一石を投じた少年、少女の物語である。




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