イレギュラー・レゾナンス 〜原初の世界を再び救う為の共振〜
第1話 桜井真
「ほんとにいいの……?」
儚げで、どこか神秘的な要素を持つ少女が言う。
「……あぁ」
悲壮な顔をしながらも、この判断は変えないという強い決意がわかる顔をした男が返す。
「……分かった」
「すまない……ありがとう……」
その言葉を最後に、2人の姿はそこからなくなった。
―――――――――
「ふわ……」
黒髪黒目の、顔は上の中といった16歳で身長は180cmないくらいの男子、桜井真《さくらいしん》は登校中、眠そうにあくびをする。
原因は時間帯。俺は極度に朝が苦手だからだ。
「大丈夫? シン」
「あぁ……」
俺に話しかけたのは、幼馴染みの光崎零《こうさきれい》。
身長は158cm位で金色に近い髪のセミロング。
「そんなに眠そうに歩いてると危ないよ? ……あ! ほら! 前から人来てるって!」
「ん」
そう言われて右に避ける。目を閉じたまま。
眠いから目を擦っている最中だからだ。
「えいっ」
隣からふとそんな声が聞こえる。
どうしたんだろ?
と思った瞬間身体のバランスを失う。
その原因に気付いた時には、俺は既に転んでいた。
見ると、人なんてどこにも居ない。
ここ付近にいる歩行者はのは俺と零の2人だけだ。
恐らく俺が目を閉じている時を狙って言ったんだろう。嘘だとバレないために。
そして段差でバランスを崩したところ、零にトドメを刺された。
嵌められた……
いっつもそうだ、俺は小さい頃からこいつによくいたずらされる。
……分かってるよ。何回もやられてるのに回避できてない俺はばかだよ。
でもしょうがなくね?
前ね? 嘘だと思ってなんも行動しなかった時ヤのつく方々とトラブルになったんだよ?
だから何もしない訳にも行かないの。分かる?
だったら気を付けてればいい話だけど何故かすっぽり忘れちゃうんだよな。零には抜けてるって言われるけどそんなことは全くないと思ってる。
「あははは! ほんと真ってばかだよね!」
お腹を抱えて笑う零。こんにゃろ……
「……」
俺は零をジト目で見る。
眠いから喋る気にもなれん。
だが零はそんなこと全く気にしない。
「あ! おはよー真姫ちゃん!」
「おはよ……どしたの? 真」
今会話に加わってきたのは俺のもう一人の幼馴染み、花宮真姫《はなみやまき》。
黒髪黒目の長髪でいつも大体一つ結びにしている。
身長は160後半と、女子の中では高い方だ。
こいつは剣道の名門「花宮家」の子で剣道をやっている。全国でも優勝するほどの腕前だ。
普段は大人しいんだが剣のことに関すると情熱的というか、好戦的というか……
そうなったらもう一言しかない。
めちゃくちゃ怖い。
「……」
そんな真姫の質問に俺は無言で零を見る。
「あぁ、そういう事ね」
長年の付き合いだからか、すぐに察する。
こんな感じで俺のいつもの日常が始まる。
……
…………
………………
来ないな……
ラノベの主人公っぽくこんな感じでやってみたら異世界転生とか転移とかの予兆来ると思ったんだけどな。
そんな上手くいかないか……
「きゃあ!!!」
……と、そんなことを考えていると、悲鳴が聞こえた。
見れば、走行中のトラックの前に少女が飛び出てしまっている。
お、テンプレ来た。こんなことやってた甲斐があったよ!
よっしゃ待ってろ異世界!!
そう思いながら俺は足を踏み出した。
……が、トラックは普通に止まった……。
……
…………なんで止まっちゃうの?そこは俺が引かれて死んで異世界転生って流れだよね?
いやまぁ、この世界のみんなと別れるのは悲しいけども。
「真《しん》、今何しようとしたの?」
「……」
「真《しん》?」
「……」
「……よし、早く学校行こ!」
「え、真……?」
俺は恥ずかしさのあまり逃げようとした。
その瞬間、俺と零の姿はこの世界から消えた。
儚げで、どこか神秘的な要素を持つ少女が言う。
「……あぁ」
悲壮な顔をしながらも、この判断は変えないという強い決意がわかる顔をした男が返す。
「……分かった」
「すまない……ありがとう……」
その言葉を最後に、2人の姿はそこからなくなった。
―――――――――
「ふわ……」
黒髪黒目の、顔は上の中といった16歳で身長は180cmないくらいの男子、桜井真《さくらいしん》は登校中、眠そうにあくびをする。
原因は時間帯。俺は極度に朝が苦手だからだ。
「大丈夫? シン」
「あぁ……」
俺に話しかけたのは、幼馴染みの光崎零《こうさきれい》。
身長は158cm位で金色に近い髪のセミロング。
「そんなに眠そうに歩いてると危ないよ? ……あ! ほら! 前から人来てるって!」
「ん」
そう言われて右に避ける。目を閉じたまま。
眠いから目を擦っている最中だからだ。
「えいっ」
隣からふとそんな声が聞こえる。
どうしたんだろ?
と思った瞬間身体のバランスを失う。
その原因に気付いた時には、俺は既に転んでいた。
見ると、人なんてどこにも居ない。
ここ付近にいる歩行者はのは俺と零の2人だけだ。
恐らく俺が目を閉じている時を狙って言ったんだろう。嘘だとバレないために。
そして段差でバランスを崩したところ、零にトドメを刺された。
嵌められた……
いっつもそうだ、俺は小さい頃からこいつによくいたずらされる。
……分かってるよ。何回もやられてるのに回避できてない俺はばかだよ。
でもしょうがなくね?
前ね? 嘘だと思ってなんも行動しなかった時ヤのつく方々とトラブルになったんだよ?
だから何もしない訳にも行かないの。分かる?
だったら気を付けてればいい話だけど何故かすっぽり忘れちゃうんだよな。零には抜けてるって言われるけどそんなことは全くないと思ってる。
「あははは! ほんと真ってばかだよね!」
お腹を抱えて笑う零。こんにゃろ……
「……」
俺は零をジト目で見る。
眠いから喋る気にもなれん。
だが零はそんなこと全く気にしない。
「あ! おはよー真姫ちゃん!」
「おはよ……どしたの? 真」
今会話に加わってきたのは俺のもう一人の幼馴染み、花宮真姫《はなみやまき》。
黒髪黒目の長髪でいつも大体一つ結びにしている。
身長は160後半と、女子の中では高い方だ。
こいつは剣道の名門「花宮家」の子で剣道をやっている。全国でも優勝するほどの腕前だ。
普段は大人しいんだが剣のことに関すると情熱的というか、好戦的というか……
そうなったらもう一言しかない。
めちゃくちゃ怖い。
「……」
そんな真姫の質問に俺は無言で零を見る。
「あぁ、そういう事ね」
長年の付き合いだからか、すぐに察する。
こんな感じで俺のいつもの日常が始まる。
……
…………
………………
来ないな……
ラノベの主人公っぽくこんな感じでやってみたら異世界転生とか転移とかの予兆来ると思ったんだけどな。
そんな上手くいかないか……
「きゃあ!!!」
……と、そんなことを考えていると、悲鳴が聞こえた。
見れば、走行中のトラックの前に少女が飛び出てしまっている。
お、テンプレ来た。こんなことやってた甲斐があったよ!
よっしゃ待ってろ異世界!!
そう思いながら俺は足を踏み出した。
……が、トラックは普通に止まった……。
……
…………なんで止まっちゃうの?そこは俺が引かれて死んで異世界転生って流れだよね?
いやまぁ、この世界のみんなと別れるのは悲しいけども。
「真《しん》、今何しようとしたの?」
「……」
「真《しん》?」
「……」
「……よし、早く学校行こ!」
「え、真……?」
俺は恥ずかしさのあまり逃げようとした。
その瞬間、俺と零の姿はこの世界から消えた。
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