カオルの邂逅旅記

しろたんたんめん

スタバの桜

カオルは、中学生だった頃を思い出していた。中学一年生の、二学期辺りのことだ。

 一学期が過ぎ、夏休みがあけて肌寒くなってきた頃だった。教室の中は少しませた女子達の集団、個性的な集団達、運動大好きで小学6年生のノリをそのままひきずっている男子・・・。当たり前ではあるけれど、色々なタイプの生徒達が集まっていた。

 カオルは窓際の後ろの席に座っており、窓の外の景色を見つめている。

 カオルはクラスでは目立つ振る舞いはしないタイプだが、友達はそれなりに作っていた。

 「カオルー、寒くねぇのかよー。」カオルに対して面白そうにちゃちゃを入れている奴がいる。右後ろに座っている友達だが カオルはそれに対しては一切反応せず無視していた。
 
 カオルはいつも、正式に夏服から冬服に切り替わるタイミングのギリギリまで、いつも一番下のブラウスだけを着て過ごしていた。

 カオルにはできる限りブレーザーで過ごす期間を短くしたかったためである。これは何もファッションに対する拘りが強いというわけではない。この時のカオルにとってはである。

 どちらかというとカオルも、皆と同じように普通の制服を着ていたかったのだ。カオルの学校の制服は黒い色のスタンダードな、ブレーザータイプの制服で、特に制服のデザインがださかったとかそういうわけでもない。 ただ、カオルにとってはどうしてもこの黒い制服を着るということが苦手だった。
 
それと もう一つ、少しだけ変わっているとすれば、髪の毛を伸ばしているところだった。

 これも、髪型に対して異常なこだわりがあるというわけではなかった。

 なんといえばいいのだろうか……。息苦しかったのだ。

 同じような格好をするということに対してである。

ただ、この点に関しては、 カオルは線も細く、顔立ちも中性的なので、壊滅的に似合っていなかったし、クラスの女子から話題になりやすかったけども、こちらの方を見て女子達がひそひそ話をしていることはあったけど、悪口みたいな嫌な感じのするものではなかったので、カオルはほっとした。

 最初から、そんな人と違った格好をしなければいいのだが、この息苦しさというのが結構カオルのなかで一大事だった。

 でなければ、 中学生のこの多感な時期に理由もなくわざわざこんな格好をする訳がない。

そして、問題の土橋くんについてだが、土橋くんは、夏休み明けの二学期に転校生として、このクラスに入ってきた生徒だった。

 第一印象は、明るくて日焼けがよくついてるなというイメージだった。

 土橋くんはすごく田舎から転校してきたらしい。周りは田んぼだらけで、遊ぶとしたら川遊びだとか虫とりとかを毎日していたという。

 そんなエピソードを面白おかしく話してみせて、彼は一瞬でクラスに打ち解けることができた。

 また、土橋くんはものすごく運動神経がよかった。足も早くて、球技もトップクラスで上手だった。クラスメイトから一目おかれる要素を持っていたタイプの子だった。

 カオル自身は、そんな土橋くんに対して特に何の感慨も受けなかった。あぁ、なんか元気一杯の人気者が増えたなぁ、といったぐらいの意見しかなかた。

 そんな目まぐるしく活動するクラスメイトと同じ教室にいて、勿論何度か話をすることはあったけど、二人きりで話をすることはなかった。
 
 初めて二人きりで話をしたのは、学校ではなく塾に通う前のスタバだった。たまたま土橋くんと鉢合わせたのだった。

 カオルは塾に通っていて授業が始まるまでの数十分間は、よく塾の向かいのスタバで時間を潰していた。

 入って左側の一番奥の席が特等席だった。いつもの席でいつものようにスタバラテを飲んでいると、机の上にはじめてみるQRコードがあった。

「……?」

 カオルは不思議に思って、手に取ってみた。大体こういうQRコードって、何か説明書きがされていて、どんなサイトに繋がるのか、どのタイミングで使うのか色々書いてあるのが普通だった。

 カオルはよくスタバに通っているので、他にもそういうタイプのQRコードをよく見ていたからだ。

しかし、このQRコードはバーコード部分の周りにピンク色の桜の花びらが少し印刷されてあるだけだった。何の説明書きもされていない……。

 カオルは他の席を見渡してみるが、このQRコードはこの席にしかなかった。

 「……。」

カオルは何とはなしに、QRコードを自分のスマフォで読み取ってみた。今考えると普通にやっちゃいけないことなんだけど……。

 コードを読みとって、サイトに移行した。桜の花びらがたくさん散っており、こう書いてあった。

『季節外れの桜の花が見れます。』

 そうかいてあり、その下にボタンがあった。カオルはそのボタンを押してみた。するとスマフォの機能がカメラになった。
 
カオルは不思議に思い、カメラを通して周囲を見渡してみた。

「……うわぁ……。」

カメラ越しの店内が、桜の花びらでいっぱいに散っている画像になった。

「……すごい……。」

 しばらく、カオルは我を忘れて見とれていた。

 窓の外には葉のついていない木が何本が立っていたので、どうなるだろうかとカオルはそちらの方を見た。その瞬間カメラを覗き込んだまま、カオルはびっくりして少し飛び上がった。

 土橋くんがいた。

 しかも、木の下でカオルの方を見て自信満々に笑っている。
 
 カオルは土橋くんがいたこと、こちらを向いて笑っていることにもびっくりしたが、それ以上に画面の中の映像に衝撃をうけていた。

 何て綺麗なんだろう……。

 健康的に日焼けした体、太陽の光に反射して時折金色になびく茶色の髪、その上に美しく舞う桜の花びら、後ろには青く透き通るように広がる空色……。

 画面の中の主人公はとても自信満々な目でこちらを見つめている。

 カオルは画面に広がる美しい色合いの数々に、しばらくただただ呆然と見つめ続けた。

 土橋くんはしばらく自信満々にこちらを見ていた後、店先をまわって店内に入ってきた。カオルは目を見開いたまま、その様子を見守り続けた。土橋くんはカオルの前に立つと、その瞬間いかにも嬉しそうに言った。

「やっぱり、カオルってこういうの好きだろうなと思って」

カオルは驚きを隠せないままいった。

「え、……これ…土橋くんが置いたの?」

「そう。兄貴がこういうの扱ってる会社にいるんだ。」

初耳だった。土橋くんにお兄さんがいたのか。

「どう?きれいだった?」

「え?あ、まぁ……、……でも、なんで僕なんかに……?」

「前から思ってたんだよ。カオルとどうやったら仲良くなれるのかなって。」

カオルに対して、土橋くんははっきりとそう言った。

「それよりさ、塾の宿題、教えてくんない?」

 そういって、土橋くんはカオルの隣に躊躇うことなく座った。





 
 


 

 

 

 

 テロップ風

2学期中盤 10月ごろ 肌寒くなっているとき、カオルはギリギリフレーザーをきずに過ごしていた。セーターも着なかった。

 土橋くん 2学期に田舎から引っ越ししてきた転校生。かなり田舎から。

人気者、明るくて話が上手。運動神経抜群。精神的に子供っぽかった。
秘密基地を都会の空き地でつくった。
若干暮らすで秘密基地がはやた。女子とかも楽しそうにしていた。
土橋くんとのカオルの出会いは、塾でクラスが一瞬一緒だった。親が勉強をしっかりしてほしいと土橋くんは入ったがすぐ最初の数回だけ参加してあとは一緒にならなくなった。
秘密基地は一瞬だけはやった。クラスで幅をきかせていた、ちょっと不良ちっくな生徒のグループがあった。土橋くんの秘密基地をバカにしていた。
土橋くんはだんだんはぶになってきた。
文化祭の種目決めでくじ引きをはぶにされたり、机の中に松ぼっくりなどの着物を入れられたりした。クラスで冷やかしをうけたりした。

ある休み時間でクラスで言い合いになった。土橋くんの秘密基地がボロボロに壊されていた。土橋くんが起こっていた。それにたいして、グループが生徒全員を見回して、こいつの見方はいるのかどうか、確認。
そのときに土橋くんとカオルが目があったが、カオルは一瞬迷いはしたものの、すぐにめをそらいsた。
土橋くんはためらずカオルにちかづいていって、いった。おまえすごいっていってくれたよな。
カオルはさめた発言をみんなの前でした。

すると土橋くんが教室をでていった。カオルがそれをおいかける。まって、廊下で土橋くんが待つ。それをカオルが塞き止める。あやまろうとしたとき、土橋くんが純粋に傷ついているのかと思った。だけど、土橋くんが、すこしかわったことを率先してやっているがわ。ういていてもスタンスを曲げない自分がすごい、カオルのことをしたに見ている風なことをいっているのをみて、土橋くんのエネルギーがとたんに色合いがあせて、みえた。憧れる気持ちが一瞬で消えたという記憶。
そこからカオルは制服をすぐにきえ、髪の毛を回りと同じように短くした。

 そこから、カオルはいる電車にもどる。そこから、小さいカオルは電車をおりる

大人のカオルは自分の昔の目の障害について語り出す。

 

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