お前らの目は節穴か。
ナルシスト×爽やか
「ザラメちゃん!今日、黒神先輩と白戸先輩一緒に登校してきたの?」
朝からのゴタゴタでどっと疲れて、ため息を吐きながら席についた瞬間に、朱里ちゃんが焦った表情で私の元へ走ってきた。
「なんで知ってるの?」
と聞いてみたものの、あれだけ悪目立ちしていれば噂にもなるだろう。
イケメン二人と陰キャの申し子のような女が3人で登校してきたのである。
私の人生のページにはそのような瞬間は刻まれる予定はなかった。
なぜに、こうなった。
「学校中で噂になってるよ!黒神先輩だけじゃなく、白戸先輩とも知り合いだったなんて。ザラメちゃん、なんで体育の時教えてくれなかったの!」
興奮しても可愛いよ、朱里ちゃん。
そんな現実逃避をしてみる。
「白戸先輩は朝知り合った。あの体育の時はまだ面識なかったもん。」
「そうなの?朝からイケメン2人連れて歩くのはどんな気分?」
朱里ちゃんの興味津々の笑顔に私は足で椅子を引いた。
そりゃね、最悪ですよ。
こんな目立ち方したくないですよ。
もう、関わらないでほしいです。
別世界へ帰りたまえ〜。っていう気持ちです。
「ザラメちゃん、また変顔して!」
今回は確かに変顔したが、いつもは変顔じゃないからね?と言いたい。
「この前、黒神先輩と出かけた話全然話してくれないんだもん。今日は、一緒に登校したって聞いてびっくりしたよ!そんなに仲良くなったんだ。」
「なってないよ。たまたま、朝会っただけだよ。それに‥」
「それに?」
そう。一緒に出かけて分かったのは黒神先輩はなかなか性格がアレがアレでアレな人だった。
つまり、何が言いたいかというと、最悪だということだ。
今思い出しても腹立たしい。
きっと、チヤホヤされて育ってきたのだろう。
あの思考は逆に性格が歪みまくってるとも言える。
「あんまり、あの人と関わりたくない。」
「ひょっとして‥黒神先輩に何か言われた?」
なんと返事をしようか悩んで、言葉が口から出ずにいると、それが答えだと思ったのか
朱里ちゃんの顔が険しくなっていく。
「もし、ザラメちゃんを傷つけるようなこといったなら私は許さない。」
「だ、大丈夫だよ!学年違うし、そんなに会うことないだろうし。」
「何かされたら言うんだよ?私が代わりにぶん殴りにいくからね!」
可愛い朱里ちゃんの口からぶん殴るという単語が出てきて、そのギャップに驚く。
普段言わないことを言ってくれた友達の言葉に、胸が熱くなった。
「ありがとう‥。」
私は嬉しくて、照れ隠しで俯くと
「もう!こんな時くらい変顔やめようよ!」と朱里ちゃんの抗議が聞こえてきた。
いや、私‥変顔してないんですけど。
バレンタインに色めきだっている2月。
私には無縁のイベントのようにも思えるが、街中にチョコが溢れるのはいいことである。
私の勝負はバレンタインが終わった後に、バーゲンに出されるチョコ達。
沢山の割引札が貼られ、役割を終えたチョコ達が買ってくれ‥と言わんばかりにこちらを見てくる。
いやん、キュンとしちゃう。
「あれ、ザラメちゃん?」
声が聞こえてきた方を振り向くとそこには白戸先輩がいた。
爽やかスマイルが眩しすぎる。
そして、白戸先輩に隠れるように、黒神先輩がこちらを見つめている。
あれ、なんだか顔が赤いような‥。
「ザラメちゃんも購買行くところ?」
「はい。今日はパンの気分で。白戸先輩達もですか?」
「そうだよ。ほら、遊至、なにしてんの?」
そう言われると、白戸先輩の影から姿を現した黒神先輩は口を押さえながら私のことをチラ見してくる。
「な、なんですか?」
こ、怖いんだが。
「ザラメちゃんがすごい可愛い顔してたからって、なんだよ、そのウブ感。」
か、可愛い顔?!
「あ、あの、なんの話でしょう?」
「何か、いいことでもあった?凄く幸せそうな顔してたから。」
そういうとまた、白戸先輩の電撃スマイルが炸裂する。
二人に会う前に何考えてたっけ‥?
あ‥い、言えない!
バーゲンチョコを想像して、にやついてたなんて恥ずかしくて言えない。
「ちょ、ちょっとチョコレートについて‥」
「チョコレート?ば、バレンタインとか?」
食いついてきたのは、黒神先輩。
え、何故?
「まぁ、そんな感じです。」
「もしかして、誰かにあげるとか‥?」
まぁ、自分にプレゼントという意味では‥
「そんな感じです‥。」
嘘はついてないがなんとなく、歯切れが悪くなる。
そんな言葉に黒神先輩はたいそう驚いてる様子だった。
え、なんで?
「ニシローランドゴリラのくせに‥。」
「黒神先輩、悪口を聞こえるか聞こえないかくらいのボリュームで言わないでもらえますか?ガチ感増すので。ガチ感が。」
白戸先輩が黒神先輩をみてため息をついた。
成り行きで3人で購買に向かうと、
購買ではお昼ご飯争奪戦が繰り広げられていた。
戦場の中を潜り抜けると、
バレンタイン期間限定のたっぷりチョコホイップパイサンドが光輝いている。
でも、遠い。遠すぎて届かない。
最後の一個‥手を思い切り伸ばすと
誰かがパンを取ろうとするのが見えた。
あ、ダメだ‥。
すると、その手より先にスッと、横から手が伸びてチョコホイップパイサンドは攫われて行った。
なんと、パン争奪戦恐るべし‥。
しょうがないので、私はツナサンドとクリームパンを買うとトボトボと購買から離脱した。
食べたかった。チョコホイップパイサンド‥。
「ザラメちゃん。」
小走りで追いかけて来たのは黒神先輩。
「パン交換しようよ。」
急な提案に驚く私。
藪から棒に急になんだ。
ほら、と差し出されたのは
「チョコホイップパイサンド‥。」
「これ、食べたかったんだろ?」
「本当に交換してくれるの?」
「あぁ。」
黒神様‥!!
いつもイケメンを振り撒いてるナルシストだが、今日はいつにも増して神々しい。
「黒神先輩‥ありがとう!」
嬉しくて、満面の笑みで黒神先輩にお礼を言った。
「お、お前‥。きゅ、急に、そういうの。」
「え?なんか、黒神先輩の顔赤くないですか?大丈夫です?熱でもあるんじゃ‥。」
そういうと、焦ったような顔をすると
「ね、熱なんかねぇーよ!」
と言って小走りでいなくなった。
なんだったんだ‥。
それに、チョコホイップパイサンドはもらったけど、交換してない。
パン三つになっちゃった。
朝からのゴタゴタでどっと疲れて、ため息を吐きながら席についた瞬間に、朱里ちゃんが焦った表情で私の元へ走ってきた。
「なんで知ってるの?」
と聞いてみたものの、あれだけ悪目立ちしていれば噂にもなるだろう。
イケメン二人と陰キャの申し子のような女が3人で登校してきたのである。
私の人生のページにはそのような瞬間は刻まれる予定はなかった。
なぜに、こうなった。
「学校中で噂になってるよ!黒神先輩だけじゃなく、白戸先輩とも知り合いだったなんて。ザラメちゃん、なんで体育の時教えてくれなかったの!」
興奮しても可愛いよ、朱里ちゃん。
そんな現実逃避をしてみる。
「白戸先輩は朝知り合った。あの体育の時はまだ面識なかったもん。」
「そうなの?朝からイケメン2人連れて歩くのはどんな気分?」
朱里ちゃんの興味津々の笑顔に私は足で椅子を引いた。
そりゃね、最悪ですよ。
こんな目立ち方したくないですよ。
もう、関わらないでほしいです。
別世界へ帰りたまえ〜。っていう気持ちです。
「ザラメちゃん、また変顔して!」
今回は確かに変顔したが、いつもは変顔じゃないからね?と言いたい。
「この前、黒神先輩と出かけた話全然話してくれないんだもん。今日は、一緒に登校したって聞いてびっくりしたよ!そんなに仲良くなったんだ。」
「なってないよ。たまたま、朝会っただけだよ。それに‥」
「それに?」
そう。一緒に出かけて分かったのは黒神先輩はなかなか性格がアレがアレでアレな人だった。
つまり、何が言いたいかというと、最悪だということだ。
今思い出しても腹立たしい。
きっと、チヤホヤされて育ってきたのだろう。
あの思考は逆に性格が歪みまくってるとも言える。
「あんまり、あの人と関わりたくない。」
「ひょっとして‥黒神先輩に何か言われた?」
なんと返事をしようか悩んで、言葉が口から出ずにいると、それが答えだと思ったのか
朱里ちゃんの顔が険しくなっていく。
「もし、ザラメちゃんを傷つけるようなこといったなら私は許さない。」
「だ、大丈夫だよ!学年違うし、そんなに会うことないだろうし。」
「何かされたら言うんだよ?私が代わりにぶん殴りにいくからね!」
可愛い朱里ちゃんの口からぶん殴るという単語が出てきて、そのギャップに驚く。
普段言わないことを言ってくれた友達の言葉に、胸が熱くなった。
「ありがとう‥。」
私は嬉しくて、照れ隠しで俯くと
「もう!こんな時くらい変顔やめようよ!」と朱里ちゃんの抗議が聞こえてきた。
いや、私‥変顔してないんですけど。
バレンタインに色めきだっている2月。
私には無縁のイベントのようにも思えるが、街中にチョコが溢れるのはいいことである。
私の勝負はバレンタインが終わった後に、バーゲンに出されるチョコ達。
沢山の割引札が貼られ、役割を終えたチョコ達が買ってくれ‥と言わんばかりにこちらを見てくる。
いやん、キュンとしちゃう。
「あれ、ザラメちゃん?」
声が聞こえてきた方を振り向くとそこには白戸先輩がいた。
爽やかスマイルが眩しすぎる。
そして、白戸先輩に隠れるように、黒神先輩がこちらを見つめている。
あれ、なんだか顔が赤いような‥。
「ザラメちゃんも購買行くところ?」
「はい。今日はパンの気分で。白戸先輩達もですか?」
「そうだよ。ほら、遊至、なにしてんの?」
そう言われると、白戸先輩の影から姿を現した黒神先輩は口を押さえながら私のことをチラ見してくる。
「な、なんですか?」
こ、怖いんだが。
「ザラメちゃんがすごい可愛い顔してたからって、なんだよ、そのウブ感。」
か、可愛い顔?!
「あ、あの、なんの話でしょう?」
「何か、いいことでもあった?凄く幸せそうな顔してたから。」
そういうとまた、白戸先輩の電撃スマイルが炸裂する。
二人に会う前に何考えてたっけ‥?
あ‥い、言えない!
バーゲンチョコを想像して、にやついてたなんて恥ずかしくて言えない。
「ちょ、ちょっとチョコレートについて‥」
「チョコレート?ば、バレンタインとか?」
食いついてきたのは、黒神先輩。
え、何故?
「まぁ、そんな感じです。」
「もしかして、誰かにあげるとか‥?」
まぁ、自分にプレゼントという意味では‥
「そんな感じです‥。」
嘘はついてないがなんとなく、歯切れが悪くなる。
そんな言葉に黒神先輩はたいそう驚いてる様子だった。
え、なんで?
「ニシローランドゴリラのくせに‥。」
「黒神先輩、悪口を聞こえるか聞こえないかくらいのボリュームで言わないでもらえますか?ガチ感増すので。ガチ感が。」
白戸先輩が黒神先輩をみてため息をついた。
成り行きで3人で購買に向かうと、
購買ではお昼ご飯争奪戦が繰り広げられていた。
戦場の中を潜り抜けると、
バレンタイン期間限定のたっぷりチョコホイップパイサンドが光輝いている。
でも、遠い。遠すぎて届かない。
最後の一個‥手を思い切り伸ばすと
誰かがパンを取ろうとするのが見えた。
あ、ダメだ‥。
すると、その手より先にスッと、横から手が伸びてチョコホイップパイサンドは攫われて行った。
なんと、パン争奪戦恐るべし‥。
しょうがないので、私はツナサンドとクリームパンを買うとトボトボと購買から離脱した。
食べたかった。チョコホイップパイサンド‥。
「ザラメちゃん。」
小走りで追いかけて来たのは黒神先輩。
「パン交換しようよ。」
急な提案に驚く私。
藪から棒に急になんだ。
ほら、と差し出されたのは
「チョコホイップパイサンド‥。」
「これ、食べたかったんだろ?」
「本当に交換してくれるの?」
「あぁ。」
黒神様‥!!
いつもイケメンを振り撒いてるナルシストだが、今日はいつにも増して神々しい。
「黒神先輩‥ありがとう!」
嬉しくて、満面の笑みで黒神先輩にお礼を言った。
「お、お前‥。きゅ、急に、そういうの。」
「え?なんか、黒神先輩の顔赤くないですか?大丈夫です?熱でもあるんじゃ‥。」
そういうと、焦ったような顔をすると
「ね、熱なんかねぇーよ!」
と言って小走りでいなくなった。
なんだったんだ‥。
それに、チョコホイップパイサンドはもらったけど、交換してない。
パン三つになっちゃった。
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