異世界転生した悪役魔女のリセットライフ
第八章 友達
「君達の担任を勤めるレオルド・アーサーだ。三年間、宜しく」
爽やかな先生だな。
ちらっと後ろに顔を向けるとベルが笑顔で手を振ってくる。
ベルとは席が離れてしまったけど、その代わり...
私は教科書に隠れながら私の隣に座る人物を見る。
まさか、間近で見れる日が来るだなんて思わなかったな。
今の状況が嬉しすぎて自然と口許が緩んでしまった。
私の隣に座る彼女は『メルリ・オーズレッド』
彼女は私...“ミッシェル”と同じウィッチだ。
でも、ミッシェルと違うとこがある。
それは、ミッシェルが完全な魔女に対してメルリちゃんは“ハーフウィッチ”だと言うこと。
つまりは人間とウィッチの血を受け継いでるの。
ルイズとはまた違った不思議な雰囲気の持ち主だな。
ゲームではあまり関わりがなかったサブキャラみたいな存在だったけど、こんな良いキャラがサブで終わるだなんて勿体無い!
仲良くなりたいな...。
*****************************
そう思って声を掛けようとしても、HRが終わった途端どこかに行っちゃうし!
庭に置いてある椅子に座りながら意気消沈しているとひとつの影が私のすぐ側で止まった。
誰だろう。
顔をあげてそこに居る人を確認すると私はほぼ無意識にその名を叫んでいた。
「ルイズ!?」
あの日以来、全くと言っていいほど話していないルイズがそこには居た。
まさか、本人から来るだなんて。
「シッ、五月蝿い」
ルイズは人指し指を私の口許に当てた。
「ルイズ、どうして...」
「ミッシェルと話したくなった...じゃダメ?」
うっ!...そんな子犬の様な目で見つめないでよ。
ルイズは私の横に座った。少し長い椅子に座ってるのにルイズと私の距離は手を少し伸ばせば触れあいそうなくらい近かった。
「ねぇ、ルイズ?」
「なに?」
「入学試験の時、なんで初めて会ったフリをしたの?」
そう尋ねたら、ルイズが息を呑むのが分かった。
戸惑った様に瞳を揺らしてるのも。
でも、気になるから。
私は、ルイズの事を知ってる様で何も知らない。
だから、この世界でルイズの事を少しでも知りたいの。
「あのね、ボク...」
「人見知りなんだ」
「.....はい?」
「だから、人見知り。」
「え、それだけ?」
私がもう一度聞き返すとルイズは小さく頷いた。
「だから、君が知らない女性を連れているから吃驚して咄嗟に知らないフリをしてしまったんだ。」
―ごめんね?―
申し訳なく謝るルイズに私は首をただ振ることしか出来なかった。
理由は分かったけどだったら尚更...
「ベルね、少し変わってるけどすっごくいい子なんだよ?すぐにルイズも仲良くなれると思うの。すっごく優しいし笑顔がお日様の様に明るいんだ。」
「きみは、本当に変わった表現をするね。」
「え、そう?」
「君が一緒に居てくれるなら頑張ってみようかな。」
嬉しかった。それは私の待ち望んでいた言葉だったから。
「ルイズがあの時みたいに歌ったら自然と皆寄ってくると思うんだけど。」
「それは無理。」
そんな即答しなくても。
「どうしても?」
「うん、諦めて。」
やっぱダメか〜。
ルイズは最初の頃もそうだけど、そうやって人の前で歌うのを嫌う。
本人は呪いの歌って言ってるけど私にはそうは思えない。
だって、ルイズの歌は凄く温かくて優しいんだもの。
それを早く本人も気付けば良いのに。
「なに、にやにやしてんの?」
え、私笑ってた!?そんなつもりなかったのに!!
ルイズに慌てて謝ったけど機嫌悪くさせちゃったみたい。
ルイズ、私から顔を背けて目も合わせてくれないし、きっと怒ってるんだ。
顔が少し紅くなってるのはなんでか分かんないけど。
「ところでさ、君こんなとこで何してたの?」
少し機嫌が直ったのか、話し掛けてくれる様になったルイズにほっとするのと同時に本来の目的を思い出した。
「ルイズ、ここに帽子を被った女の子来なかった?」
「帽子?...ミッシェル?」
「それはそうなんだけど、違う!私以外で!」
「ミッシェル以外で帽子を被った変な人なんて知らないよ。」
「そっか…」
ん?今、変と言った?
これは、魔女には欠かせないモノなんだけどな。
知らない内に悪役魔女に喧嘩売ってるの分かってる?
「ミッシェルは、その人と友達になりたいの?」
「うん、なりたい。...私も人見知りだしなれるかどうか分かんないけど。」
「出来るよ。」
ルイズがいきなり立ち上がって私の前に来た。それに驚いているとルイズの手が私の頬を撫でた。
「ミッシェルはお節介で変わり者だけど、そんなミッシェルだからこそ、その子とすぐに分かり合えると思う。」
なんか、褒められてる気がしないんだけど。
一応、元気付けてくれてるんだよね。
なら、ルイズに応えないと!
「ありがと、ルイズ。私、もう少し此処ら辺を捜してみるね」
「…なら、一旦さよならだね。」
「ルイズ、さようならは寂しいから普通に行ってらっしゃいって見送ってよ。」
「...行ってらっしゃい、ミッシェル」
「うん、行ってきます!!」
ルイズは戸惑いを見せながらも私の言った通りにしてくれた。
それに笑顔で返すと直ぐにメルリちゃんを捜しに行った。
メルリちゃんとはあまり関わりがなかったけど、メルリちゃんの好きな場所なら知っている。
                図書室────!!
爽やかな先生だな。
ちらっと後ろに顔を向けるとベルが笑顔で手を振ってくる。
ベルとは席が離れてしまったけど、その代わり...
私は教科書に隠れながら私の隣に座る人物を見る。
まさか、間近で見れる日が来るだなんて思わなかったな。
今の状況が嬉しすぎて自然と口許が緩んでしまった。
私の隣に座る彼女は『メルリ・オーズレッド』
彼女は私...“ミッシェル”と同じウィッチだ。
でも、ミッシェルと違うとこがある。
それは、ミッシェルが完全な魔女に対してメルリちゃんは“ハーフウィッチ”だと言うこと。
つまりは人間とウィッチの血を受け継いでるの。
ルイズとはまた違った不思議な雰囲気の持ち主だな。
ゲームではあまり関わりがなかったサブキャラみたいな存在だったけど、こんな良いキャラがサブで終わるだなんて勿体無い!
仲良くなりたいな...。
*****************************
そう思って声を掛けようとしても、HRが終わった途端どこかに行っちゃうし!
庭に置いてある椅子に座りながら意気消沈しているとひとつの影が私のすぐ側で止まった。
誰だろう。
顔をあげてそこに居る人を確認すると私はほぼ無意識にその名を叫んでいた。
「ルイズ!?」
あの日以来、全くと言っていいほど話していないルイズがそこには居た。
まさか、本人から来るだなんて。
「シッ、五月蝿い」
ルイズは人指し指を私の口許に当てた。
「ルイズ、どうして...」
「ミッシェルと話したくなった...じゃダメ?」
うっ!...そんな子犬の様な目で見つめないでよ。
ルイズは私の横に座った。少し長い椅子に座ってるのにルイズと私の距離は手を少し伸ばせば触れあいそうなくらい近かった。
「ねぇ、ルイズ?」
「なに?」
「入学試験の時、なんで初めて会ったフリをしたの?」
そう尋ねたら、ルイズが息を呑むのが分かった。
戸惑った様に瞳を揺らしてるのも。
でも、気になるから。
私は、ルイズの事を知ってる様で何も知らない。
だから、この世界でルイズの事を少しでも知りたいの。
「あのね、ボク...」
「人見知りなんだ」
「.....はい?」
「だから、人見知り。」
「え、それだけ?」
私がもう一度聞き返すとルイズは小さく頷いた。
「だから、君が知らない女性を連れているから吃驚して咄嗟に知らないフリをしてしまったんだ。」
―ごめんね?―
申し訳なく謝るルイズに私は首をただ振ることしか出来なかった。
理由は分かったけどだったら尚更...
「ベルね、少し変わってるけどすっごくいい子なんだよ?すぐにルイズも仲良くなれると思うの。すっごく優しいし笑顔がお日様の様に明るいんだ。」
「きみは、本当に変わった表現をするね。」
「え、そう?」
「君が一緒に居てくれるなら頑張ってみようかな。」
嬉しかった。それは私の待ち望んでいた言葉だったから。
「ルイズがあの時みたいに歌ったら自然と皆寄ってくると思うんだけど。」
「それは無理。」
そんな即答しなくても。
「どうしても?」
「うん、諦めて。」
やっぱダメか〜。
ルイズは最初の頃もそうだけど、そうやって人の前で歌うのを嫌う。
本人は呪いの歌って言ってるけど私にはそうは思えない。
だって、ルイズの歌は凄く温かくて優しいんだもの。
それを早く本人も気付けば良いのに。
「なに、にやにやしてんの?」
え、私笑ってた!?そんなつもりなかったのに!!
ルイズに慌てて謝ったけど機嫌悪くさせちゃったみたい。
ルイズ、私から顔を背けて目も合わせてくれないし、きっと怒ってるんだ。
顔が少し紅くなってるのはなんでか分かんないけど。
「ところでさ、君こんなとこで何してたの?」
少し機嫌が直ったのか、話し掛けてくれる様になったルイズにほっとするのと同時に本来の目的を思い出した。
「ルイズ、ここに帽子を被った女の子来なかった?」
「帽子?...ミッシェル?」
「それはそうなんだけど、違う!私以外で!」
「ミッシェル以外で帽子を被った変な人なんて知らないよ。」
「そっか…」
ん?今、変と言った?
これは、魔女には欠かせないモノなんだけどな。
知らない内に悪役魔女に喧嘩売ってるの分かってる?
「ミッシェルは、その人と友達になりたいの?」
「うん、なりたい。...私も人見知りだしなれるかどうか分かんないけど。」
「出来るよ。」
ルイズがいきなり立ち上がって私の前に来た。それに驚いているとルイズの手が私の頬を撫でた。
「ミッシェルはお節介で変わり者だけど、そんなミッシェルだからこそ、その子とすぐに分かり合えると思う。」
なんか、褒められてる気がしないんだけど。
一応、元気付けてくれてるんだよね。
なら、ルイズに応えないと!
「ありがと、ルイズ。私、もう少し此処ら辺を捜してみるね」
「…なら、一旦さよならだね。」
「ルイズ、さようならは寂しいから普通に行ってらっしゃいって見送ってよ。」
「...行ってらっしゃい、ミッシェル」
「うん、行ってきます!!」
ルイズは戸惑いを見せながらも私の言った通りにしてくれた。
それに笑顔で返すと直ぐにメルリちゃんを捜しに行った。
メルリちゃんとはあまり関わりがなかったけど、メルリちゃんの好きな場所なら知っている。
                図書室────!!
「恋愛」の人気作品
書籍化作品
-
-
2813
-
-
140
-
-
440
-
-
11128
-
-
314
-
-
0
-
-
4503
-
-
147
-
-
549
コメント