幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜
エピローグ
その後、僕たちは扉を出た。すると、三つあった扉が全て消えてしまった。
扉を出た先には、涙で顔が汚れている勇者の一行が待っていた。
「フォレス、ごめん。カリーナを守れなかった」
エクレンは、そう言って僕の服を掴んで泣きながら謝ってきた。
僕はそれに、笑って答えた。
「大丈夫、大丈夫だから、泣かないで。誰だって、いつか死ぬんだ。それが、カリーナにとって今だったってだけ。だから、エクレンたちは何も悪くないよ。……それじゃ、僕と約束して。次、エクレンの大切な人が危なくなったら助けるって、ね?」
「……は、はい!」
それでも、泣くエクレンにノルメたちもつられて、泣き始めてしまった。
レイさんまで泣くのだがら、宥めるのが大変だった。
「それじゃ、リュクス、後の事は任せていいかな?」
「おう、任せておけ」
すすり泣くノルメたちを連れて、僕たちは外に出た。
外では、魔王軍とエルフ軍が戦いつかれたのが、地面に座って休んでいるのが見えた。
後から聞いた話だが、僕たちが神を三人倒した瞬間、天使たちが突然消えたらしい。
それで、僕たちが神に勝ったと確信したようだ。
「お前たち、お疲れ様。異界から来た神は倒した!! 俺たちの勝利だ!!!!!」
リュクスによる、宣言で魔王軍もエルフ軍も大きな声で喜んでいた。
「元神、来い」
「あぁ」
「フォレス、数日掛かる。先に帰ってていいぞ」
「分かった。それじゃ、お願い」
そして、リゼさんに事の顛末を伝えた。
「分かった。では、お疲れ様」
「リゼさん、ありがとうございました!! このお礼は後日、必ず!!」
「期待しているぞ。エルフの民たちよ・・・」
そして、リゼさんはエルフ軍に一声かけて、旧エルフの森を立ち去った。
それと同じことを魔王軍のシュルイにも伝えた。
「分かりました。では、失礼します」
「うん、それじゃ、またね」
二つの軍が居なくなったことにより、静かになった森の中、残された僕たちは椅子に出来そうな倒れた木を見つけ、そこに座っていた。
「みんなは、これから、どうするの?」
僕の問いに最初に答えたのは、エクレンとツバキだった。
「私たちは、二人で師匠の下に戻ります。神も魔王も消える今、何と戦ったらいいのか、分かりませんが、魔物という脅威にさらされている人はこの世界に大勢います。僕たちの目の見える範囲の中で助けれる人のことを助けたいんです」
「ツバキたちが戦いに勝ったらそうしようって話してた」
エクレンとツバキはお互いに見つめ合っていた。
次に口を開いたのは、レイさんだった。
「私は、どうしましょう。今まで、ずっと森の中にいてつまらなかったし、フォーティス大陸は見て回った時は、凄く楽しかったので、この大陸の食の旅にでも行きましょうかね。そうすれば、カリーナちゃんが見て回ったものを私も見れるかもしれないですしね」
最後は、ノルメだ。
だが、ノルメは口を閉ざしたまま開こうとしない。
「……私は、カリーナと一緒に居たかった。……カリーナと一緒に旅をしたかった。……でも、もう、カリーナは居ない。私には、もう、何もない……」
ノルメはカリーナの親友だ。その親友が亡くなったんだ。僕と同じぐらい悲しいのは当然のことだ。
「じゃあさ、ノルメ。僕たちと一緒に行かない?」
「? 行くって、何処に?」
「カリーナが育った場所。孤児院。そこで、僕たちと一緒に暮らそうよ。院長もいるし、リュクスもいる。それに、カリーナのものだって色々あるよ」
そう提案すると、ノルメは曇っていた顔を明るくして、笑顔で頷いてくれた。
その笑顔を僕た一生忘れないだろう。あの、悲しそうな満面の笑みを……僕は……。
その後、僕たちは解散した。それぞれの進むべき道を開拓するために……。
孤児院に戻った僕たちは院長に会った。
院長は、四人の子供の世話に忙しそうにしていた。
「おお! 来たか!! ちょっと、すまん、話を聞いてやりたいんだが、ちょっと手伝ってくれないか!?」
その後、四人の子供たちを寝かしつけ、院長と事の経緯を話した。
「そうか、カリーナが……」
院長はその話を悲しそうな顔で聞いていた。
「けれど、よく、神を倒してくれた。それは、本当にありがとう。今日から、ゆっくりして行くといい」
それから、数日。僕たちは悲しむ時間もないまま忙しく孤児院で暮らしてた。
四人の子供たちがそれはそれはやんちゃな子で、目を離すと直ぐに何処かに行ってしまうのだ。休もうにも休めない。
そんな日を過ごす中、リュクスが帰って来た。
瞳に浮かんでいた魔王の紋章は、綺麗に無くなっていた。
それが意味すること、それは、神がちゃんと神の位に付き、魔王と勇者のシステムを消したことを意味する。
「お帰り、リュクス」
「只今、フォレス、ノルメ、院長。それと、みんなにお土産を持ってきたよ」
『? お土産?』
リュクスが僕たちにお土産など、そんな事が本当にあるのだろうか。そんなことを、三人で考えていると、リュクスの後ろから一人の女の子が出て来た。
「や、やぁ、フォレス、みんな……ただいま」
リュクスの後ろから出て来たのは、なんと、カリーナだった。
それには、僕たち全員が驚き声も出なかった。
「カリーナが死んだ場所は神が存在する場所だ。そして、人が死んだらどこに行く? 神の前だろう。そう、カリーナが死んだ時、カリーナはその場に留まり続け、それに気が付いた今の神がカリーナを復活させてくれたんだよ」
僕とノルメは、リュクスの説明が頭に入らず、そこにカリーナが居る事実に只々喜んで、カリーナを抱きしめた。
『カリーナ!! お帰り!!!!!』
「……うん、ただいま」
その後、リュクス、カリーナを加えて九人という大人数で食卓を囲んだ。
翌日、リュクスは魔族領に戻るといって。魔族領に帰ってしまった。
「あそこには、俺の愛する人が居る。それに、俺が居ないと、魔族たちが何するか分からないからな」
「リュクス、結婚式には呼んでくれよ」
「当たり前だ。それに、お前も人のこと言えないからな」
「え?」
後ろを振り向くと、そこにはリンゴのように顔を赤く染めたカリーナが立っていた。
「それじゃ、またな」
リュクスはそう言って魔族領に帰ってしまった。
「そ、それじゃ、カリーナ。僕たちも行こうか……」
「……う、うん」
その後、僕たちは正式にお付き合いをして結婚式も挙げ、二人の子供も授かった。
リュクスたちも結婚式を挙げ。一人の子供を授かった。
三人は幼馴染となり、毎年仲良さそうに遊んでいる。
扉を出た先には、涙で顔が汚れている勇者の一行が待っていた。
「フォレス、ごめん。カリーナを守れなかった」
エクレンは、そう言って僕の服を掴んで泣きながら謝ってきた。
僕はそれに、笑って答えた。
「大丈夫、大丈夫だから、泣かないで。誰だって、いつか死ぬんだ。それが、カリーナにとって今だったってだけ。だから、エクレンたちは何も悪くないよ。……それじゃ、僕と約束して。次、エクレンの大切な人が危なくなったら助けるって、ね?」
「……は、はい!」
それでも、泣くエクレンにノルメたちもつられて、泣き始めてしまった。
レイさんまで泣くのだがら、宥めるのが大変だった。
「それじゃ、リュクス、後の事は任せていいかな?」
「おう、任せておけ」
すすり泣くノルメたちを連れて、僕たちは外に出た。
外では、魔王軍とエルフ軍が戦いつかれたのが、地面に座って休んでいるのが見えた。
後から聞いた話だが、僕たちが神を三人倒した瞬間、天使たちが突然消えたらしい。
それで、僕たちが神に勝ったと確信したようだ。
「お前たち、お疲れ様。異界から来た神は倒した!! 俺たちの勝利だ!!!!!」
リュクスによる、宣言で魔王軍もエルフ軍も大きな声で喜んでいた。
「元神、来い」
「あぁ」
「フォレス、数日掛かる。先に帰ってていいぞ」
「分かった。それじゃ、お願い」
そして、リゼさんに事の顛末を伝えた。
「分かった。では、お疲れ様」
「リゼさん、ありがとうございました!! このお礼は後日、必ず!!」
「期待しているぞ。エルフの民たちよ・・・」
そして、リゼさんはエルフ軍に一声かけて、旧エルフの森を立ち去った。
それと同じことを魔王軍のシュルイにも伝えた。
「分かりました。では、失礼します」
「うん、それじゃ、またね」
二つの軍が居なくなったことにより、静かになった森の中、残された僕たちは椅子に出来そうな倒れた木を見つけ、そこに座っていた。
「みんなは、これから、どうするの?」
僕の問いに最初に答えたのは、エクレンとツバキだった。
「私たちは、二人で師匠の下に戻ります。神も魔王も消える今、何と戦ったらいいのか、分かりませんが、魔物という脅威にさらされている人はこの世界に大勢います。僕たちの目の見える範囲の中で助けれる人のことを助けたいんです」
「ツバキたちが戦いに勝ったらそうしようって話してた」
エクレンとツバキはお互いに見つめ合っていた。
次に口を開いたのは、レイさんだった。
「私は、どうしましょう。今まで、ずっと森の中にいてつまらなかったし、フォーティス大陸は見て回った時は、凄く楽しかったので、この大陸の食の旅にでも行きましょうかね。そうすれば、カリーナちゃんが見て回ったものを私も見れるかもしれないですしね」
最後は、ノルメだ。
だが、ノルメは口を閉ざしたまま開こうとしない。
「……私は、カリーナと一緒に居たかった。……カリーナと一緒に旅をしたかった。……でも、もう、カリーナは居ない。私には、もう、何もない……」
ノルメはカリーナの親友だ。その親友が亡くなったんだ。僕と同じぐらい悲しいのは当然のことだ。
「じゃあさ、ノルメ。僕たちと一緒に行かない?」
「? 行くって、何処に?」
「カリーナが育った場所。孤児院。そこで、僕たちと一緒に暮らそうよ。院長もいるし、リュクスもいる。それに、カリーナのものだって色々あるよ」
そう提案すると、ノルメは曇っていた顔を明るくして、笑顔で頷いてくれた。
その笑顔を僕た一生忘れないだろう。あの、悲しそうな満面の笑みを……僕は……。
その後、僕たちは解散した。それぞれの進むべき道を開拓するために……。
孤児院に戻った僕たちは院長に会った。
院長は、四人の子供の世話に忙しそうにしていた。
「おお! 来たか!! ちょっと、すまん、話を聞いてやりたいんだが、ちょっと手伝ってくれないか!?」
その後、四人の子供たちを寝かしつけ、院長と事の経緯を話した。
「そうか、カリーナが……」
院長はその話を悲しそうな顔で聞いていた。
「けれど、よく、神を倒してくれた。それは、本当にありがとう。今日から、ゆっくりして行くといい」
それから、数日。僕たちは悲しむ時間もないまま忙しく孤児院で暮らしてた。
四人の子供たちがそれはそれはやんちゃな子で、目を離すと直ぐに何処かに行ってしまうのだ。休もうにも休めない。
そんな日を過ごす中、リュクスが帰って来た。
瞳に浮かんでいた魔王の紋章は、綺麗に無くなっていた。
それが意味すること、それは、神がちゃんと神の位に付き、魔王と勇者のシステムを消したことを意味する。
「お帰り、リュクス」
「只今、フォレス、ノルメ、院長。それと、みんなにお土産を持ってきたよ」
『? お土産?』
リュクスが僕たちにお土産など、そんな事が本当にあるのだろうか。そんなことを、三人で考えていると、リュクスの後ろから一人の女の子が出て来た。
「や、やぁ、フォレス、みんな……ただいま」
リュクスの後ろから出て来たのは、なんと、カリーナだった。
それには、僕たち全員が驚き声も出なかった。
「カリーナが死んだ場所は神が存在する場所だ。そして、人が死んだらどこに行く? 神の前だろう。そう、カリーナが死んだ時、カリーナはその場に留まり続け、それに気が付いた今の神がカリーナを復活させてくれたんだよ」
僕とノルメは、リュクスの説明が頭に入らず、そこにカリーナが居る事実に只々喜んで、カリーナを抱きしめた。
『カリーナ!! お帰り!!!!!』
「……うん、ただいま」
その後、リュクス、カリーナを加えて九人という大人数で食卓を囲んだ。
翌日、リュクスは魔族領に戻るといって。魔族領に帰ってしまった。
「あそこには、俺の愛する人が居る。それに、俺が居ないと、魔族たちが何するか分からないからな」
「リュクス、結婚式には呼んでくれよ」
「当たり前だ。それに、お前も人のこと言えないからな」
「え?」
後ろを振り向くと、そこにはリンゴのように顔を赤く染めたカリーナが立っていた。
「それじゃ、またな」
リュクスはそう言って魔族領に帰ってしまった。
「そ、それじゃ、カリーナ。僕たちも行こうか……」
「……う、うん」
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