幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜
最終決戦・フォレス~後編~
勇者を殺したと、高らかに宣言した神の高笑いがその空間に木霊した。
それを聞いて、直ぐの僕は理解が出来なかった。
「……え? 勇者を殺した? え、勇者ってカリーナ、だよね? で、カリーナが勇者……?」
いや、理解しようとしなかった。
「……じゃあ、あいつが殺したのってカリーナ?」
その事実が僕からだをゆっくりと流れ始め、そして、全身にその情報が行き付いた時、僕の中でプツンッと何かが切れる音が聞こえた。
その瞬間、あいつの高笑いが止んだ。
「……ない、お前だけは絶対に許さない!!!!!」
僕の怒りと憎悪を乗せた全身全霊の魔力がその空間を支配した。
「ったく、お前が来なかったら、今頃終わってたのに……邪魔するなよ」
「別に良いじゃないですか? こうやって、楽しい状況になってるんですから」
神たちは、その魔力を受けながら談笑していた。
その姿に、更に怒りが込み上げてきた。
怒りで我を忘れそうになった時、リュクスが扉から現れた。
「クソ、遅かったか」
「……ごめん、リュクス……逃げて」
「……フォレス」
そして、僕の魔力が大きな音を立てながら僕の周りに収束した。その音の所為で、リュクスに向けた最後の言葉が届かなかった。
「僕は、絶対に……!! お前を許さない!!!! いま、ここで、お前の人生に終止符を打ってやる!!!!!!!」
「その怒り、存分に私にぶつけてみなさい!!! イレギュラー!!!」
僕の真っ白だった『五つの城壁』は、憎悪により真っ黒に染まっていた。
そして、五つある魔力の腕を一斉に神に向かって放った。
放たれた腕は神に当たる前に『静止』を使って止められた。
「フォレスでも、ダメなのか……」
その光景を見ていたリュクスは諦めの気持ちが強くなっていた。
けれど、次の瞬間、自分が諦めていたことを後悔した。
空中で止まっていた魔力の腕が神に向かって動き出したのだ。それも、空中で止められる時よりも速い速度で動き出したのだ。
それの動きに神は驚き、避けることが出来ても魔力の腕が地面に当たった時に出来た衝撃波で腕一本ぐらいには損傷が出た。
「おい!! なんで、力を解いてるんですか!! ちゃんと、仕事しないさい!!!」
「解くわけないだろ!!! 何で動いたのか、俺にだって分からないんだよ!!」
「はぁ!? ふざけないで!! あれの所為で、私の腕が一本持って行かれたんですよ!! 神の攻撃じゃないのに、回復も出来なし、一体どうなってるんですか!?」
そして、神たちは喧嘩を始めてしまったが、そんなもの、待ってあげる義理もない。
今度は止められることのないように、ベクトルを更に強化して腕を放った。
それに気が付いた神も『静止』をしようとするが、腕の動きがほんの少し遅くなるだけで止まることは無かった。
「使えない奴め!!!!」
止めることを前提に動いていた神たちは、窮地に立たされていた。
神の一人が気でも狂ったのか、避けられないと理解した時、知性的な神が筋肉質な神の腕を掴み、自分に向かってくる魔力の腕に向かって投げつけたのだ。
投げつけられた神は、その腕に向かって『静止』を何度も使うが、腕はもう遅くならない。
『静止』はベクトルを一度止める作用があるが、ベクトルに掛かる力は重ね掛けしても変わらない。
『静止』するベクトルよりも強いベクトルで動かしている腕は、その分差し引かれるとしても止まることも遅くなることもない。
そして、魔力に当たった筋肉質の神は、強力な威力を持った腕によって灰すら残さず死んでしまった。
そのお陰で助かった知性的な神は、安堵の表情を浮かべていた。
「おい、お前、そいつ仲間だったんじゃねぇのか?」
「あぁ、仲間だったさ。さっきまではな……。神の力をまともに使えない奴が仲間なはずないだろう?」
「お前は、何処まで言ってもクズなんだな」
「!? ……お前……いや~、懐かしいな。リュクス!! どうだ、幼馴染同士、久しぶりに一緒に酒でも飲まないか!!??」
さっきまで、僕たちを殺す気満々だったそいつが、リュクスを見た途端打って変わって、旧友に会った仲の良かった友達を演じ始めた。
「……俺と、お前が幼馴染? 冗談きついぜ。俺の幼馴染はフォレスとカリーナの二人だけだ。残念だったな。お前はもう、終わりだ」
そう言いながら、リュクスは僕の見た事のない技でそいつの着ていた服を『消滅』させた。
それを見た神の顔が青ざめて、涙と鼻水、体の穴という穴から水分を出し始めた。
「お、おい、頼む……もう、もうやめてくれ……いやだ、いやだ!! 死にたくない!!! 死にたくなんだ!!!!!」
神は、自分の能力では二人に勝てないことを理解し、醜く懇願してきた。
だが、カリーナを殺したという事実は変わらない。
「お前は、ここで死ね。次の生があるのなら悔い改めて、まっとうに生きることだな」
そして、その神を五つの腕で消し去った。
「これで、終わったんだな」
「あぁ、これで……」
それを聞いて、直ぐの僕は理解が出来なかった。
「……え? 勇者を殺した? え、勇者ってカリーナ、だよね? で、カリーナが勇者……?」
いや、理解しようとしなかった。
「……じゃあ、あいつが殺したのってカリーナ?」
その事実が僕からだをゆっくりと流れ始め、そして、全身にその情報が行き付いた時、僕の中でプツンッと何かが切れる音が聞こえた。
その瞬間、あいつの高笑いが止んだ。
「……ない、お前だけは絶対に許さない!!!!!」
僕の怒りと憎悪を乗せた全身全霊の魔力がその空間を支配した。
「ったく、お前が来なかったら、今頃終わってたのに……邪魔するなよ」
「別に良いじゃないですか? こうやって、楽しい状況になってるんですから」
神たちは、その魔力を受けながら談笑していた。
その姿に、更に怒りが込み上げてきた。
怒りで我を忘れそうになった時、リュクスが扉から現れた。
「クソ、遅かったか」
「……ごめん、リュクス……逃げて」
「……フォレス」
そして、僕の魔力が大きな音を立てながら僕の周りに収束した。その音の所為で、リュクスに向けた最後の言葉が届かなかった。
「僕は、絶対に……!! お前を許さない!!!! いま、ここで、お前の人生に終止符を打ってやる!!!!!!!」
「その怒り、存分に私にぶつけてみなさい!!! イレギュラー!!!」
僕の真っ白だった『五つの城壁』は、憎悪により真っ黒に染まっていた。
そして、五つある魔力の腕を一斉に神に向かって放った。
放たれた腕は神に当たる前に『静止』を使って止められた。
「フォレスでも、ダメなのか……」
その光景を見ていたリュクスは諦めの気持ちが強くなっていた。
けれど、次の瞬間、自分が諦めていたことを後悔した。
空中で止まっていた魔力の腕が神に向かって動き出したのだ。それも、空中で止められる時よりも速い速度で動き出したのだ。
それの動きに神は驚き、避けることが出来ても魔力の腕が地面に当たった時に出来た衝撃波で腕一本ぐらいには損傷が出た。
「おい!! なんで、力を解いてるんですか!! ちゃんと、仕事しないさい!!!」
「解くわけないだろ!!! 何で動いたのか、俺にだって分からないんだよ!!」
「はぁ!? ふざけないで!! あれの所為で、私の腕が一本持って行かれたんですよ!! 神の攻撃じゃないのに、回復も出来なし、一体どうなってるんですか!?」
そして、神たちは喧嘩を始めてしまったが、そんなもの、待ってあげる義理もない。
今度は止められることのないように、ベクトルを更に強化して腕を放った。
それに気が付いた神も『静止』をしようとするが、腕の動きがほんの少し遅くなるだけで止まることは無かった。
「使えない奴め!!!!」
止めることを前提に動いていた神たちは、窮地に立たされていた。
神の一人が気でも狂ったのか、避けられないと理解した時、知性的な神が筋肉質な神の腕を掴み、自分に向かってくる魔力の腕に向かって投げつけたのだ。
投げつけられた神は、その腕に向かって『静止』を何度も使うが、腕はもう遅くならない。
『静止』はベクトルを一度止める作用があるが、ベクトルに掛かる力は重ね掛けしても変わらない。
『静止』するベクトルよりも強いベクトルで動かしている腕は、その分差し引かれるとしても止まることも遅くなることもない。
そして、魔力に当たった筋肉質の神は、強力な威力を持った腕によって灰すら残さず死んでしまった。
そのお陰で助かった知性的な神は、安堵の表情を浮かべていた。
「おい、お前、そいつ仲間だったんじゃねぇのか?」
「あぁ、仲間だったさ。さっきまではな……。神の力をまともに使えない奴が仲間なはずないだろう?」
「お前は、何処まで言ってもクズなんだな」
「!? ……お前……いや~、懐かしいな。リュクス!! どうだ、幼馴染同士、久しぶりに一緒に酒でも飲まないか!!??」
さっきまで、僕たちを殺す気満々だったそいつが、リュクスを見た途端打って変わって、旧友に会った仲の良かった友達を演じ始めた。
「……俺と、お前が幼馴染? 冗談きついぜ。俺の幼馴染はフォレスとカリーナの二人だけだ。残念だったな。お前はもう、終わりだ」
そう言いながら、リュクスは僕の見た事のない技でそいつの着ていた服を『消滅』させた。
それを見た神の顔が青ざめて、涙と鼻水、体の穴という穴から水分を出し始めた。
「お、おい、頼む……もう、もうやめてくれ……いやだ、いやだ!! 死にたくない!!! 死にたくなんだ!!!!!」
神は、自分の能力では二人に勝てないことを理解し、醜く懇願してきた。
だが、カリーナを殺したという事実は変わらない。
「お前は、ここで死ね。次の生があるのなら悔い改めて、まっとうに生きることだな」
そして、その神を五つの腕で消し去った。
「これで、終わったんだな」
「あぁ、これで……」
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