幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜

海月結城

エクレンとツバキ

 フォレスと別れたエクレンは、ツバキと一緒に師匠の元に戻った。
 二人の師匠は犬猿の仲で、昔からお互いがお互いに意識していてライバルとして切磋琢磨してきた。
 その二人が、エクレンとツバキの師匠である。

 二人は普段、同じ町に暮らしている。だが、二人の師匠となると西と東の街にそれぞれ移動して修行をしている。

「師匠! 戻ってきました!」

 師匠の家に顔を出すと、そこにはお昼からお酒を飲んで酔っ払っている師匠二人がそこには居た。

「ぇあ? あぁ、なんれぇいるぅだぁ?」
「ッヒック、うぁ~、ぅぁぃ~、おぁえりぃ~」

 呂律が回らないほどに酔っ払っている師匠の介抱をすることになった。

「ごめんね、ツバキ。水、持ってきてくれるかな?」
「……うん」

 ツバキは近くの井戸に水を取りに行き、エクレンは師匠たちを布団に運んだ。
 師匠たちは布団にまでお酒を持って行こうとしていたので、その手からお酒を無理やり取って、布団まで持って行った。

 翌日、ツバキと一緒に朝ごはんを作っていたエクレンは師匠たちを起こしに行った。
 起こしに行くと、べろべろに酔っていた所為で記憶を失っていた二人に物凄い驚かれた。

「え、え、エクレン!?!?! ど、どうしてここにいるんだ!?!?」
「つ、つ、ツバキ!?!?! ホームシックで帰って来たのか!?!?」

 お互いにお互いの師匠を殴った。
 そして、ことの経緯を話すと、師匠は二日酔いなど吹き飛んで、真剣な表情で何かを考え出した。
 師匠の二人が何かこそこそ話して、同時に頷いた。何かが決まったようだ。

「お前たち、話は理解した。一年の短い期間だが、お前たちには端折った部分と、最後の技の二つを教える。そして、お前たちには二人一緒に修行を行ってもらう」

 それには、エクレンとツバキは驚かされた。

「その、理由を聞いても良いですか?」
「お前たち、仲間なのに一緒に戦ったことないんだろ? 連携とかどうするんだ? そこら辺、考えなかったのか? 本当にそれで、神に勝てると思ってるのか? いや、お前たちにいう事じゃないのは、知っているが、そこがどうしても気にかかるんだよ」
「それは、まぁ、私も思いましたけど……」
「聞かなかったのか?」
「はい、すみません」

 エクレンのその反応に、師匠二人は頭を抱えた。

「まぁ、今言ってもしょうがない。連携を取る為にも、まずはお前たちが連携を取れるようにするんだ。そうしたら、お前たちを軸に連携を取って行けば、それなりに戦えるようになるだろう。それでも、神に勝てるかどうかは知らないがな」

 そして、二人の修行が始まった。

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