幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜
ダンジョン攻略~3~
ランドフィッシュを倒し終えて、終わりに向かって歩いていると荒野に霧が現れた。
その霧の中を歩いていると、ふらふらと歩いている人影が見えた。
僕たちは少しの警戒をして、その人影に向かった。
近づくにつれ、その人影の輪郭がきちんと見えるようになった。
「……けて……くれ……」
そして、その人影がきちんと見えた。ボロボロの服を着た小さな少年だった。
少年だと認識した瞬間、その少年は地面に倒れてしまった。
「!? 少年!! 大丈夫か!?」
「ノルメ、聖女の力用意して!!」
「分かった、カリーナ」
「俺は、周りを見てるよ」
少年を近くの木の陰に移動させて聖女の魔力を使った。
「容体は?」
「……衰弱してるだけです。何か、食べ物と飲み物、後は睡眠を与えれば容体は回復すると思います」
その少年は少しだけ意識を保っていたので、水を少しずつ飲ませ、食べ物も小分けにして口の中に放り込んだ。水と食べ物は『収納』の中に入っていたので助かった。
それから、少年の容体が回復するまで見守りながら周りの探索をした。
この周りには乾いた川、木々が枯れた森、草木の生えない荒野に分かれていた。
探索から帰ってくると、少し顔色の良くなった少年が、背伸びをしてノルメと身長で勝負していた。
「起きたのは良いけど、何してるの君たち」
「助けてあげたのに生意気言うから……」
「? 何言ったんだ?」
「……チビッて」
「は!? 俺はチビじゃねぇ!」
そうは言っているが、どう見てもノルメよりも小さい。
ただ、これを言っていいものか、迷う。
けれど、そんなこと考えない奴が一人いる。
「お前のほうがチビだろ。どう見ても」
「は?」
そんなこと言う奴なんて、ここには一人しかいない。
もちろん、リュクスだ。
「ちょっと、リュクス!」
「なに?」
「何言ってるの!?」
「事実を述べているだけだが、何か悪かったか?」
こいつ、絶対に分かって言ってる。
「貴方、ノルメさんの何なんですか!?」
「あ? なんでもねぇよ、ただ一緒にいるだけだ」
「そうですか……それで、隣に立ってるあなたは誰ですか?」
リュクスから標的はこっちに変わった。
衰弱してたのを助けたのにずっとピリピリしている、この子は一体何なんだろう?
「もしかして、お前が俺たちの村をやったのか!? 黒髪の短髪、柔らかめの顔立ち、あの人の言っていた見た目そっくりじゃないか!!」
そう言って、僕のことを指さしてその子は震えていた。
「あんた、お兄ちゃんに何か用?」
「そうよ、フォレスに何か?」
こっちに詰め寄ろうとしていたその子と僕の間に、ノルメとカリーナが参上した。
そして、こっちに近づいていたこいつは、まさか邪魔されると思っていなかったのか、目をぱちくりさせて固まった。やっとの思いで口を開いて出た言葉が、え? の一言だった。
「な、なんで邪魔するの!? それにお兄ちゃんって……な、なんで抱き付いてるんだ!?」
「そう言うあんたこそ、誰よ。助けてもらったからって何つけあがってるのよ」
「……な、なんだよ!! そんな目で俺を見るんじゃねぇ!!!」
そう言って、少年は走って行ってしまった。
「おい、今走って行ったけど、って、どうした?」
あの子の言っていたのは、どういうことなんだろうか……あの人とは?
まずは、あの子を探さないと先に進みそうにないか。
「追いかけよう」
あの子が走って行った方向に僕たちも走り出した。
追いかけ途中であの子の名前を知ら居ないことに気が付いた。
「あの子は、『エレキレイ』って名乗ってましたよ」
すごい電気電気してる名前だな。この世界に電気なんて無いのに。
それから少し経って、誰かが魔物と戦っている戦闘音が聞こえた。
エレキレイのことも気になるので、カリーナとリュクスにエレキレイの探索をお願いして、僕とノルメで戦闘音のする方向に行くことにした。
戦闘音の近くに到着した。
そこでは、大剣を振り回して巨大な猪の魔物と戦っている女性が居た。
岩陰からその戦闘を観察していると、女性と目が合った。女性の眼からは殺気が溢れていて、僕の脳は危険信号を大量に鳴らしてきた。
僕は、ノルメの襟元を掴んで3個後ろにある岩に飛び退いた。
その行動に驚いたノルメは、こっちを向いて首を傾げてきた。
が、ノルメはその次に起こった現象で納得した。
さっきまで僕たちが居た場所に岩の針山が突如として地面から現れた。
もし、あの女性の殺気で飛び退いていなかったら僕たちはあのまま串刺しになっていただろう。
女性の方も、こっちに一瞬気を取られた猪の魔物の隙をついて一刀両断して戦いを終わらせた。
その女性は、返り血を浴びたままこっちに歩いてきた。
(この人は、敵か味方か……どっちだ?)
そして、女性はニコッと笑って大剣を地面に突き刺した。
その霧の中を歩いていると、ふらふらと歩いている人影が見えた。
僕たちは少しの警戒をして、その人影に向かった。
近づくにつれ、その人影の輪郭がきちんと見えるようになった。
「……けて……くれ……」
そして、その人影がきちんと見えた。ボロボロの服を着た小さな少年だった。
少年だと認識した瞬間、その少年は地面に倒れてしまった。
「!? 少年!! 大丈夫か!?」
「ノルメ、聖女の力用意して!!」
「分かった、カリーナ」
「俺は、周りを見てるよ」
少年を近くの木の陰に移動させて聖女の魔力を使った。
「容体は?」
「……衰弱してるだけです。何か、食べ物と飲み物、後は睡眠を与えれば容体は回復すると思います」
その少年は少しだけ意識を保っていたので、水を少しずつ飲ませ、食べ物も小分けにして口の中に放り込んだ。水と食べ物は『収納』の中に入っていたので助かった。
それから、少年の容体が回復するまで見守りながら周りの探索をした。
この周りには乾いた川、木々が枯れた森、草木の生えない荒野に分かれていた。
探索から帰ってくると、少し顔色の良くなった少年が、背伸びをしてノルメと身長で勝負していた。
「起きたのは良いけど、何してるの君たち」
「助けてあげたのに生意気言うから……」
「? 何言ったんだ?」
「……チビッて」
「は!? 俺はチビじゃねぇ!」
そうは言っているが、どう見てもノルメよりも小さい。
ただ、これを言っていいものか、迷う。
けれど、そんなこと考えない奴が一人いる。
「お前のほうがチビだろ。どう見ても」
「は?」
そんなこと言う奴なんて、ここには一人しかいない。
もちろん、リュクスだ。
「ちょっと、リュクス!」
「なに?」
「何言ってるの!?」
「事実を述べているだけだが、何か悪かったか?」
こいつ、絶対に分かって言ってる。
「貴方、ノルメさんの何なんですか!?」
「あ? なんでもねぇよ、ただ一緒にいるだけだ」
「そうですか……それで、隣に立ってるあなたは誰ですか?」
リュクスから標的はこっちに変わった。
衰弱してたのを助けたのにずっとピリピリしている、この子は一体何なんだろう?
「もしかして、お前が俺たちの村をやったのか!? 黒髪の短髪、柔らかめの顔立ち、あの人の言っていた見た目そっくりじゃないか!!」
そう言って、僕のことを指さしてその子は震えていた。
「あんた、お兄ちゃんに何か用?」
「そうよ、フォレスに何か?」
こっちに詰め寄ろうとしていたその子と僕の間に、ノルメとカリーナが参上した。
そして、こっちに近づいていたこいつは、まさか邪魔されると思っていなかったのか、目をぱちくりさせて固まった。やっとの思いで口を開いて出た言葉が、え? の一言だった。
「な、なんで邪魔するの!? それにお兄ちゃんって……な、なんで抱き付いてるんだ!?」
「そう言うあんたこそ、誰よ。助けてもらったからって何つけあがってるのよ」
「……な、なんだよ!! そんな目で俺を見るんじゃねぇ!!!」
そう言って、少年は走って行ってしまった。
「おい、今走って行ったけど、って、どうした?」
あの子の言っていたのは、どういうことなんだろうか……あの人とは?
まずは、あの子を探さないと先に進みそうにないか。
「追いかけよう」
あの子が走って行った方向に僕たちも走り出した。
追いかけ途中であの子の名前を知ら居ないことに気が付いた。
「あの子は、『エレキレイ』って名乗ってましたよ」
すごい電気電気してる名前だな。この世界に電気なんて無いのに。
それから少し経って、誰かが魔物と戦っている戦闘音が聞こえた。
エレキレイのことも気になるので、カリーナとリュクスにエレキレイの探索をお願いして、僕とノルメで戦闘音のする方向に行くことにした。
戦闘音の近くに到着した。
そこでは、大剣を振り回して巨大な猪の魔物と戦っている女性が居た。
岩陰からその戦闘を観察していると、女性と目が合った。女性の眼からは殺気が溢れていて、僕の脳は危険信号を大量に鳴らしてきた。
僕は、ノルメの襟元を掴んで3個後ろにある岩に飛び退いた。
その行動に驚いたノルメは、こっちを向いて首を傾げてきた。
が、ノルメはその次に起こった現象で納得した。
さっきまで僕たちが居た場所に岩の針山が突如として地面から現れた。
もし、あの女性の殺気で飛び退いていなかったら僕たちはあのまま串刺しになっていただろう。
女性の方も、こっちに一瞬気を取られた猪の魔物の隙をついて一刀両断して戦いを終わらせた。
その女性は、返り血を浴びたままこっちに歩いてきた。
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そして、女性はニコッと笑って大剣を地面に突き刺した。
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