幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜

海月結城

3人の無双〜フォレス〜

 フォレスは2人と別れて少し経った後、スキルを発動した。

「初めてのスキル。上手くいくかな? 『絶塞ぜっさい

 絶塞は名前の通り何も通さない。魔力も魔物も何も通さないのだ。ただ、魔力の消費はものすごい。

「ふぅ。次行くか」

 が、魔力量がびっくりするくらい多いフォレスには少し減っただけだった。その後も『絶塞』を使って魔物の量を調整した。リュクスとカリーナにはあまり力を使って欲しくないので少なめにし、その分、僕には大量の魔物が襲い掛かって来ている。

「そろそろ、力を使いこなしたいんでね。悪いけど実験体になって貰うよ」

 ここ数日間。薬草を採取して魔法の練習をする生活を送っていたのだが、そこで僕はとある魔法を練習していた。力加減を間違えたら魔力が底をついて気絶してしまう魔法。《重力魔法》だ。

「魔力は10/1。全身じゃなくて、二足歩行の魔物の腰から下を2回に分けて押し潰す」

 そうする事で1回目に発動した重力魔法で腰から下にいる四足歩行の魔物を潰し、2回目で脚がなくなり倒れた二足歩行の魔物のを潰せるのだ。最低限の魔力で行えるのでこれからも使い続けそうだ。
 そんな魔法を自分の前方1000mの距離まで発動し魔物を押し潰した。

「10/2の魔力がいきなり減るのはちょっときついな。もっと魔力増やさないといけないな。でも、これで少しは減ったな。よし、次の実験だ」

 僕は全身を魔力の鎧を着た。そして、リュクスが言っていたやつを実行する。着ている魔力の鎧に命令式を与え、火や水の鎧に変えるのだ。そして、今回選んだ鎧は風の鎧だ。
 この風の鎧には風を吹かせるともう一つ命令式を与えている。風を一枚の紙の薄さにする。と言う命令式を与えている。そうする事で相手の体を引き裂く事が出来るようなる。そして、魔力を多く使う事で風が強くなる。

「そんで、これか……エグいな」

 僕の周りには襲い掛かってきた魔物が身体の皮膚を引き裂かられて大量出血、幾つにも斬られて死。そんな死体が山ほど作られている。
 そして、そのまま歩いていく事でどんどん魔物が死んでいく。ちょっと快感になりつつある。

「ちょっと、落ち着かないと……」

 深呼吸をして一旦落ち着く。そんな事をやっている最中にも魔物は近づいて来る。

「ってか、魔物でも恐怖心とかで逃げていくと思うんだけど……なんでだ? 操られたりとか……は流石に無いか」

 そして、次の実験に入る、僕にしか出来ない。地球から転生した僕だから出来る魔法。

「それじゃ、あれでも真似てみるか」

 僕は魔力の鎧を解き、自分を中心に円形にした。ボールの中に自分がいるイメージだ。魔物はその魔力に当たり僕に近づく事も出来なくなっている。

「よしよし。これで第一段階は終了だ。次は第二段階、もとい最終段階だ」

 さらに、魔力を送り込む。それは更に強固になり大きくなっている。そして、自分で動かす。

「ん? こんなに大量の魔力を動かすのは難しいな。でも、これは応用だからな。動かす魔力が多くなっただけだ」

 数刻後。

「お、おぉ!? こ、こうか? で、できた!!」

 少し時間は掛かったが理想通りの動きが出来た。僕が作ったそれから幾つもの手が出て来て魔物を物理的に押し潰した。

「けど、出せるのは5つが限界か〜」

 確かにこの技は強い。けれど、自分で動かせる手はそれだけだった。もうちょっと行ける気はするけどどうやっても上手くいかない。

「さてさて、これに名前でも付けるか。そうだな〜?」

 魔力障壁、障壁手、触手壁、なんか違うんだよなぁ。

「そうだ。『五つの城壁フェンフボルグ』なんてどうかな。……うん。良いかもな」

 そして、『五つの城壁』を使い魔物を駆逐してい行った。

「やっと終わった!!! めっちゃ魔力使った!!! 疲れたー」

 バタッと背中から倒れ空を見上げ目を閉じた。その瞬間。遠くから大きな爆発音が響いた。
 急いで体を起き上がらせ、その方向を見ると『絶塞』の中での出来事の様で少し安心したがその方向にリュクスとカリーナがいる事を思い出した。

「あの2人は〜〜〜〜!!」

 そして、2人が戦っているところに入って止め。正座させて叱った。

「「ごめんなさい」」
「はぁ、2人が消化不良なのは分かった。今度誰も知らない様な場所見つけたら思いっきり遊ぼうね」
「「うん!!」」

 そして、倒した魔物を全てリュクスのスキルで消してもらい『絶壁』を解除した。
 街に戻ると冒険者達に抱きしめられて色々大変だった。
 5日後には住民達も帰って来て僕たちは領主様にお呼ばれした。

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