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邪神の力の一部で不死になったんだが!?

Mikuzi

ギルドに報告しよう

 私たちが詰所を出ると、外ではヘンリさん達が私たちのことを待ってくれていました。


 「皆さん!・・すみません、お待たせして。」

 「ううん、そんなに待ってないよ。」

 「そうね、そんなに長いこと待っていないから気にしないでグレイシアちゃん。」


 皆さんはそれぞれそれほど待っていないと言って、私たちを迎え入れてくれました。


 「これからどうするんですか?」

 「そうだね、グレイシアさん達は冒険者登録するつもりなんだようね?」

 「はい、そのつもりです。」

 「なら一緒に行こうか。俺たちも、ギルドに報告しないといけないし、わざわざここで別れていくこともないから。それに、グレイシアさんのマジックポーチに今回の討伐対象が収納されているからね。」


 ヘンリさんはそう言って私たちと一緒に冒険者ギルドに案内してくれるそうです。

 正直に言ってヘンリさん達の案内にとてもありがたいです。初めての街でどこに何があるのか、全くわからない状態で下手に動いて迷子になってしまったらとても面倒なことになっていたでしょうからね。

 街の作りはやはり中世ヨーロッパの街並みに少し近代技術が混同した感じの街並みです。所々に中世では見られないような作りの建造物があり、少し驚いたものもあります。

 この世界に生まれて初めての街の印象は、とても活気があって、この街に住む住人の生き生きとした雰囲気がありありと伝わってきます。

 今も私たちが歩いているメイン通りには、露店や店舗などが立ち並び・・・


 「安いよ〜安いよ〜新鮮な野菜を使ったスープだよ〜」

 「美味い串焼き〜誰か買わないか〜」


 至る所で客寄せの声が響き、他にも住人同士で談笑したり、私たちと同じような旅人が露店で何かを買ったり、さらには商人の人たちが情報交換したりしています。

 どうやらこの道ではスープや串焼きなど食べるものが中心に売られているようです。

 そのまましばらく露店などを物珍しいげに見ながら、ヘンリさん達の後をついていくと、この街の中心部と思われるとても広い広場に着きました。


 「ここは中央広場。ここは街の東西南北それぞれのメイン通りに繋がっていて、街の主な施設はここに集まっているんだ。」


 ヘンリさんの言う通りここには主要な施設が集中しているからか、人がたくさんいるようです。広場の面積は前世で言う東京ドーム一個分とまではいかないけれど、それなりの広さはあると思われす。

 人はもちろんのこと、馬車が数台でもすれ違うことができるぐらい広いです。見た限りこの広場は正八角形の形をしているようです。四方にはそれぞれメインストリートがあり、その間にそれぞれ大きな建物が並んでいます。


 「冒険者ギルドはここを右に曲がってすぐにある建物だよ。ほら、コレッ!」


 レオナさんが指さした方には大きな三階建ての建物があり、建物の左右を挟む形で一階低い建物が繋がっているように見えます。右側には3メートルくらいの大きな扉がつけられており、逆に反対側には扉はなく、馬車が停められているのが見えます。

 皆さんはそのまま中央の扉から中へ入っていくので、私たちも続いて入って行きます。

 ギルドに入って最初に目に付いたのは、正面に設置されたカウンターでした。カウンターには3人の女性が立っていて、皆さんすごく綺麗な美人美少女です。彼女達は所謂ギルドの花と呼ばれる受付嬢でしょう。

 そのカウンターの右側の壁には大きな掲示板が設置されていて、そこでは男性が一人掲示板に貼られた紙を吟味しています。

 ギルドの中はロビーの一階と二階が吹き抜けになっており、左側に二階へ続く階段があり、二階にはテーブルとイス並べられ、そこに何組みかの冒険者の方が真剣に話し合っているようです。

 一階の左側、ちょうど階段の下となるところには小さな酒場になっているのか、これまた何組かの冒険者が食事をしながら盛り上がっています。どうやら昼間からお酒を飲んでいるようで、顔が赤い人が何人か見えます。

 建物の大きさにしては人が居なく、閑散としているようで、思っていたほど騒がしくはありませんでした。

 ヘンリさんはそのままカウンターで書類整理をしている受付嬢に近づいて行きます。


 「ミーナさん、こんにちは。」

 「あっ、ヘンリさん、他の皆さんもっ。皆さんご無事でお戻りになられたんですね。よかったです。」


 ミーナさんと呼ばれた受付嬢の女性はギルドの制服をしっかりと着こなした、しっかり者のお姉さんという印象です。


 「はい、少し痛手はもらいましたけど、皆んな無事です。」

 「痛手なんて物じゃありませんよ。ヘンリさんもカイさんも、しっかり大怪我とまでは行かないまでも、それなりに重体でしたよ。」


 ヘンリさんの返しに、パーティーの回復役を担当するイリーナさんが大変であったと文句を言います。

 ヘンリさんはすまないと言ってイリーナさんを宥め、カイさんは下手な口笛を吹いてそっぽを向いています。


 「あははは・・・それは大変でしたね。それでは皆さん、依頼は達成したと言うことでよろしいですか?」


 彼らのやり取りに苦笑いを浮かべていたミーナさんは、次の瞬間には受付嬢として真剣な雰囲気で仕事を再開し始めました。


 「今回、誓いの剣の皆さんとソロの冒険者のラティナさんが受けたご依頼は最近異変の報告があったサルトレアの森の調査及び森で発見されたゴブリンの上位種の討伐です。調査に関しては後ほど報告書を提出していただきます。討伐に関しては討伐証を提示してください。」


 ミーナさんが仕事モードに入るとヘンリさん達が受けた依頼内容の確認と依頼達成の証拠の提示を求められました。


 「そのことなんですけどミーナさん、実はかなり重大な報告があるので、報告についてはギルドマスターに直接報告したいんですが。」


 ヘンリさんが依頼報告に関して、ギルドの上司に直接報告したいとミーナさんにお願いすると、ミーナさんは驚き小声で会話し始めました。


 「・・・ギルドマスターに直接ですか?それほど重大な報告なのですか?」

 「はい、それと討伐証についてですが、後ろにいるこの二人も関係があるんで一緒に参加、いいですか?」


 ヘンリさんがそう説明すると、ミーナさんは後ろで控えていた私とロシエルを怪訝な表情で観察し始めました。


 「そちらのお二人は?・・・何処かのご令嬢ですか?」


 ミーナさんはヘンリさん達と同じく、私達が貴族に連なる人物だと勘違いしているようでした。

 ヘンリさんばかりに説明してもらうのも申し訳ないので、ここからは自分から名乗り挙げます。


 「はじめましてミーナさん。私はグレイシアと言います。こっちはロシエルです。私たちは国を旅する旅人で、つい先日までサルトレアの森の中を彷徨っていたところ、皆さんの討伐目標であるゴブリンと、それを追いかけるラティナさんに偶然出会い、成り行きで協力して討伐したんです。」


 私はミーナさんに掻い摘んでことの成り行きを説明しました。

 ミーナさんは一瞬驚いたような顔をしたあと何やら察したような顔になり、「・・なるほど、分かりました。では、そのようにしておきましょう。」とさらに誤解してしまったようですが、何を言っても誤解されそうなので諦めます。


 「・・・グレイシアさんロシエルさん、ギルドを代表して感謝の礼を申し上げます。ご協力、誠にありがとうございました。」


 勘違いしてしまったことはさておき、ミーナさんは私の少ない情報で大方の事情を把握したのか、私たちに向かって頭を下げてお礼を言ってきました。


 「頭を上げてください。私たちも森で道に迷い彷徨っていたところをここまで連れてきていただきましたから、お互い様ですよ。」


 私がそう言うと、ミーナさんは顔を上げ申し訳なさそうにしながら、笑顔受けべました。


 「・・分かりました、詳しいことはこの後ほどギルドマスターと共に聞かせていただきます。その後に改めてお礼をさせてください。ギルドから少額ですが協力金を出させていただきます。」


 ここで断ると面倒なことになりそうなので、路銀もないことになっているので、ありがたく受け取ることを伝えます。


 「では、2階の会議室で報告を聞きますので私の後についてきてください。ーーレナっ!しばらく受付をお願いできるっ!」


 私たちを直接会議室と呼ばれる部屋へ案内するため、ミーナさんは自分の代わりの職員をカウンターの奥から呼び寄せ、交代しました。

 私たちは「ついてきて下さい。」と言うミーナさんの後に続いてカウンター脇の通路に入って行きました。


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