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邪神の力の一部で不死になったんだが!?

Mikuzi

夕食を食べよう・歴史を知ろう


 一ヶ月も待たせてしまって、すみません。12〜1月はバタバタと忙しく、遅くなってしまいました。出来るだけ早く投稿していこうと思いますので、何卒ご容赦を・・・。

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 「取り敢えず、大分日が傾いて来たし、今日はここで一夜を過ごそうか。幸い近くに川が流れているからね。」


 ヘンリさんが今夜野宿する場所を決め、皆んなに野営の準備を指示しはじめました。

 皆さんはそれぞれ夕食の準備と、焚き火に使用する木の枝などを集めの二組に分かれて行動し始めました。

 誓いの剣の皆さんは、慣れた様子で黙々と準備を進めます。

 ラティナさんは、ラティナさんで荷物の中から自分の分の食料を取り出しています。

 この世界の野営では、基本的には硬いパンと干し肉といういかにもファンタジー世界の冒険者の食事です。


 「取り敢えず、私たちも見ていないで食事の準備をしましょうか、ロシエル。」

 「はい。」


 私は外套の中で腰に手を回し、そこにあるマジックポーチを開きました。

 私のマジックポーチの中には、ここ数ヶ月で備蓄していた食料が約一ヶ月分ほど入っています。

 普通であれば、マジックポーチの中に入れていれば、日が経ち日持ちが悪いものから腐っていってしまいますが、そこは女神様が贈ってくれたプレゼントですから、時間停止の効果がついています。

 これで中のものはいくら時間が経っても、腐ったり、時間劣化で脆く成ったりしません。

 先ず最初にテーブルを取り出します。

 これは先の一ヶ月間の間に、暇を持て余した際に木から作っておいたテーブルです。

 脚はしっかりとした造りなので、川岸でもしっかりと安定して立っています。

 次に取り出したのは、木でできたアタッシュケースの様な形の箱です。この箱の中には調理に必要な包丁を始め、各種料理器具が入っています。

 この箱もこの一ヶ月間の間に作ったものです。実は女神様から頂いた時には、この料理器具たちがそのままの状態で収納されており、取り出す際に少し危ないなと思って作りました。

 これらの作ったものは、魔法や錬金術を利用して作りました。これらの他にも食器や単に収納箱だったり、いろいろ暇を見つけては作っていたので、お陰で〈木工〉のスキルを獲得しました。

 その後も、私が次々と夕食の準備を進めている間、ラティナさんや誓いの剣の皆さんは、野営の作業も忘れて私のことを呆然とした様子で見ていました。

 流石に夕食の準備の間、ずっと見られるのも気まずいので皆さん、自分の作業に戻って欲しいです。


 「あ、あの、じっと見られると少し恥ずかしいのですが・・・」

 「あっ、ご、ごめんね。急にテーブルが出て来たから驚いちゃって。」

 「あ、ああ。何処からともなくテーブルが出て来るとは思わなかったな。」

 「流石、マジックポーチね。まさかテーブルを収納してるなんて・・それにその箱、調理器具よね。まさかこんな旅の途中で食事を作るなんて、考え付かなかったわ。」

 「そうですか?意外と思いつく様な気がしますが。」


 ファンタジー小説では主人公がよく旅の途中で美味しい料理を作って同行者を驚かせると言うテンプレがありますが、この世界の人たちはこの様な事をしないみたいです。


 「いやぁ、マジックポーチを持っているやつは、商人だったらより多くの商品を運ぶために使うし、冒険者にしても依頼で使う道具やもしものためのポーションとかを入れたり、あとは依頼で狩った魔物の素材を持って帰るために、余計なものは入れない様にしてるな。」

 「それに、冒険者はみんな自分で料理できない人がほとんどだから、実際に調理道具を持って行ったとしても、そのまま焼いたり、スープを作ったりするぐらいだもんね。」

 「それなら、干し肉と硬いパンで我慢して、たくさん魔物を狩ってお金を稼いで、街に戻ってからパーッと店で食べた方がいいからね。」


 確かにわざわざ森に来てまで、少ない荷物の容量を調理器具に使うより、たくさん素材を持って帰り、素材を売ったお金でしっかりとした料理を食べた方が効率的です。


 「なりほど。確かにそちらの方が冒険者にとって効率的ですね。」

 「ですが、旅の途中で自炊することも、悪いことではありませんよ。」


 イリーナさんがそう言ってこの話は一旦終わりました。

 その後は、皆さんに見られながら、私たちの食事の準備を進めます。

 今回作るのは、あまり凝ったものにせず、シンプルなものにしようと思います。

 先ず最初にマジックポーチの中から少し大きめの鍋を取り出し、その中に事前に準備していた水を入れ、そこに森で採れた野菜を小さく切り、塩と共に入れていきます。

 鍋はロシエルに渡し、焚き火の火に通して置いてもらいます。

 次に取り出したのは、お肉です。これは森の中に生息する普通のウサギ肉で、家の周辺の調査のついでに、狩っておいた物です。

 ウサギ肉は、大抵鶏肉と同じ様な味と食感ですが、調理の仕方によっては牛肉の様な食感になるそうです。

 先ず、ウサギ肉を一口サイズの一回り小さい大きさに切り、塩コショウ、ハーブなどで味付けします。ウサギ肉は少し臭みがあるのでハーブで匂いを消します。

 次に、そのウサギ肉をフライパンで少し炒めてから、鍋に入れていきます。

 後は野菜に火が通るまで煮込み続けます。野菜に火が通ったら、これで野菜スープの出来上がりです。

 本当はウサギの肉を使ったクリームシチューなどを作りたかったのですが、家の周りに自生している素材だけでは、無理なので断念しました。


 「これで簡単なスープの完成です。」


 早速出来上がったスープを、ロシエルから受け取った器に移していると、何処からかグゥ〜と言う音が聞こえて来ました。

 音がして来た方を見ると、ヘンリさん達はみんな気まずそうに視線を逸らしています。


 「「「「・・・・・」」」」

 「・・・え、え〜と。もし良ければ、食べますか?」

 「エッ!いいの!?食べたいっ!」

 「あっ、コラ、レオナ!俺たちには干し肉と堅パンがあるだろ。」

 「えぇ〜、干し肉と堅パンなんて、全然美味しくないよ〜。」


 私の提案にレオナさんが、すぐに飛びつきましたが、ヘンリさんに論され不満をこぼしました。


 「あのっ!皆さんも食べるかなと思っていっぱい作ったので、ぜひ食べてください。」


 私はこういう事があるだろうと、事前に予想していたので、自分たちの分よりも多く作ったので、特に問題もありません。


 「え、あ、そうか?ありがとう。そういう事ならありがたく頂こうかな。もちろん、お代は払うよ。」

 「お金は大丈夫ですよ。ここまでお世話になっているので、ちょっとしたお礼です。」

 「グレイシアさん、ありがとうございます。ありがたく頂かせて貰います。神に感謝を・・・」


 皆さんに野菜スープを注いだ器を配り、一緒に頂きます。

 シンプルに作ったとは言え、旅の途中で暖かい食べ物を食べれるのは、とても心が温まります。


 「はぁ〜、うまいなぁ。それに、肉が入っているのはありがたい。体力が漲る。」

 「そうね。それに、今日はみんな多少なりとも疲労しただろうし、体力を回復するのにこのスープは最適ね。ありがとうね、グレイシアちゃん。」


 皆さんそれぞれ温かいスープを飲んで、感謝の言葉をもらいました。

 とても簡単な作りのスープなので、作った私たちとしては、もう少し凝ったものでなくて申し訳ない気持ちです。


 「皆さんは明日街に着いたらどうするんですか?」


 ラティナさんに森で教えてもらった時、この森から街まで歩いて2日の距離と聞いたので、明日街に着くだろうと予想できます。

 その後、ラティナさんや誓いの剣の皆さんが、今後どうするのか気になって聞いてみました。


 「取り敢えず、明日リカレオに着いたら、まずはギルドに今回の件を報告して今後どうするか方針を聞きに行くよ。」

 「その後は、酒場や宿でゆっくりするさ。今回の依頼で装備がボロボロになっちまったからな。数日は修理に時間かかるぜ。」


 確かに彼らと初めて会った時も、ヘンリさんとカイさんの姿は、あちこちに切り傷や打撃痕などが残っておりボロボロでした。

 装備もあちこち凹んでいたり、泥で汚れていたりと、修理に出さなければいけないような形でした。


 「そう言うグレイシアちゃんは、どうするの?確か、冒険者になってみるって言ってたけど。」

 「はい、取り敢えずは、先ず宿を探してから部屋を確保した後に、冒険者ギルドに訪れようかと思います。」


 リカレオに着いたら、今後の資金の確保のため、冒険者になりお金を稼ぐことを目標としています。


 「グレイシアちゃんの実力はわからないけど、ロシエルちゃんがいれば、大丈夫でしょうね。すぐにランクを上げられると思うわ。」

 「後は、生活用品や食材などを購入しておきたいですね。ここ数日で、だいぶ消費してしまいましたから。」


 冒険者登録に加えて、不足していた身の回りの生活用品や、食材などもまとめて購入しておきたいです。


 「あ、それと、リカレオには図書館などの自由に本が読める施設などはありますか?」

 「・・?あるわよ。王都ほど大きくはないけれど。でも、どうして?」

 「私たちは、この国に来てからそれほど経っていませんし、これまでにも知る機会がなかったので、この国のことをよく知らないんです。だから、この国のことを知るために図書館などで、国のことを調べようと思いまして。」

 「そっか、そう言えばさっきもそんなこと言ってたね。」


 家にある本には国や歴史に関するものはなく、殆どがホムンクルスなどの錬金術に関するものや、禁呪に関するものでした。そのため、世界に関することはあまり知りません。

 なので、今後のどのように生きていくか、その方針を決めるためにも、今住んでいる国のことは知っておかないと、何か起こった際に十分に対処できませんから。


 「では、僭越ながら私が御二人にこの国の成り立ちをお話ししましょう。」


 すると、イリーナさんが突然こんな事を提案てきました。


 「私とレオナはこれでも魔法学校を卒業しているので、一般の方よりは歴史について知っていますよ。」

 「いいんですか?わざわざ教えてもらっても・・・」

 「はい。スープのお礼の一つだと思ってください。では、先ず・・・」


 ここからはイリーナさんが語ってくれたこの国についてのお話です。


 今から約三百年ほど前・・・

 ーーーその頃の世界は、混沌に満ちていました。世界には『ラキア帝国』『エルサレウ公国』『オルレイン王国』の三つの大国が存在しました。世界はこの三大国を中心として成り立っていました。しかしある時三大国の中でも、軍事国家としても名高い帝国の首都が突如原因不明の巨大な落雷により壊滅し、帝国全土は混沌と化しました。これは後に言う『ラキアの神罰』と言う神の怒りによって、帝国が滅んだと言われています。

 帝国が滅んだことにより世界の均衡は崩れ、帝国周辺の小国だけでなく、大国である公国と王国も大混乱に見舞われました。

 しかし、世界は帝国が滅んだ事に追い討ちをかけられるかの如く、世界に危機が迫っていました。



 それが・・・【邪龍】の出現です。



 邪龍は突如世界に現れ破壊の化身となり、世界に厄災を振りまきました。

 最初に邪龍の標的となったのは『エルサレウ公国』でした。邪龍は公国の東から現れ村や街を襲い、破壊の限りを尽くしました。

 公国はすぐさま状況を把握して、邪龍の討伐軍を編成しましたが・・・結果は全滅。

 公国は邪龍討伐に失敗し、村や街はなす術もなく破壊されていきました。

 公国は災厄の事態になる前に、諸外国に救援を要請しましたが、諸外国は大国である公国の討伐軍が全滅した事に恐れをなして、公国の救援に応える事はありませんでした。

 それから2年後、あらゆる手を尽くした公国が諦めかけたその時、大陸最後の大国の一つである『オルレイン王国』に神々の神託が下りました。それは神々の許しの下異世界から勇者を召喚する事でした。

 王国は公国と協力し、異世界から一人の青年の召喚に成功しました。

 その青年の名前はトーヤ・フジイ、何を隠そうこの『リストール共和国』の初代国王、トーヤ・フジイ・リストールでした。

 邪龍出現から5年後、彼は神々から授かった特別な力を駆使し、王国と公国の支援を受け、世界各地各国から集められた頼もしい仲間と共に邪龍の討伐の旅に出て、見事邪龍の撃退に成功しました。

 しかし、彼の力を持ってしても邪龍の強大な力の前には、撃退が限界でした。そこで彼は仲間と協力し、邪龍を弱体化させ封印する事に成功しました。

 こうして、5年もの間世界を恐怖に陥れた邪龍の脅威は世界から去り、平和が訪れました。

 彼はその後、邪龍を封印した仲間達とともに共和国を建国したそうです。

 ーーーと言う、これがこの国の成り立ちだそうです。

 この話を聞く限り、色々と気になる点はありますが、先ず初めにこの国の初代国王と言うそのトーヤ・フジイは間違いなく私と同じ日本人の方でしょう。

 私と同じように何らかの理由で向こうで死んでしまったか、もしくは無理矢理召還させられてしまったか。実際にどうであったかは分かりませんが、神々の許しの下で行われたと言うのであれば、きっと悪いことではないのでしょう。

 イリーナさんの話によれば、邪龍を封印したトーヤ・フジイさんはこの共和国で7人の女性を娶り、その7人の妻との間にできた子供達が、今の共和国の七公爵として国を統治しているようです。

 細かい事ですが共和国では、初代国王が色々な種族の女性を妻とした事で、今のような多種族が共存しているようです。

 さらに加えて言うと、この国の王は七公爵の中から選ばれるようで、そのため歴代の王は人族だけでなく、多種族が王になったこともあるそうです。

 ちなみに今の国王は人族だそうです。

 この他にも初代国王であるトーヤ・フジイさんは、魔道具開発にも力を注いだそうで、沢山の便利な道具が世に普及したそうです。

 その代表格が、私の家にもある水洗式のトイレだったり、コンロや冷蔵庫、その他いろいろと便利な物が彼のおかげで普及しているようです。彼には感謝しかありませんね。

 その後彼は良き王として今に至るまで語り継がれるほど、世界の歴史に名を刻んだそうです。



 いつか私も世界の歴史に名を残すような事をするのでしょうか。



 今は分かりませんが、私の人生はまだ始まったばかりですし、気ままにのんびりと新しい人生を謳歌しようと思いました。

 明日はいよいよリカレオの街です。

 一体何が待ち受けているのか、今から楽しみでワクワクします。


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 最後までお読みくださりありがとうございます。誤字・脱字やアドバイスなどのご意見があればコメントしてください。

   次回もよろしくお願いします。

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