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邪神の力の一部で不死になったんだが!?

Mikuzi

幕間 暗躍する者たち

 気づいたらフォロワーが50人を超えてました。登録してくださった方々、ありがとうございます。不定期ですが、なるべく早く更新していくつもりなので、これからもよろしくお願いします。

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 「何ッ!?それは確かかっ!」

 「はい・・・先ほどアレに取り付けられていた魔道具の反応が,消失いたしました。」


 そこはとある山の中に存在する人の手で作られた広大な洞窟の中。薄暗い洞窟の中央に不釣り合いなほど荘厳な作りの教会。その最奥の教壇の前で、壮年の司祭と思しき人物を前に黒いローブを纏った男が跪き、何かを報告している。


 「何があった?アレにはインビジブルマンティス、フレイムワイバーンを取り込ませたのだぞ。たとえ亜竜種とは言え、世界最強の竜の力。そう易々と死ぬような代物ではあるまい。」

 「はい。そのはずなのですが、現に魔道具の反応は完全に消失しています。」


 そう言うと男は,跪いたままの体制で司祭の男に自分の左腕を見せた。

 男の左腕には、その服装からは不釣り合いなほど綺麗な装飾が施された腕輪がはめられていた。
しかし、その美しい装飾の中で一際目を引く宝石のような魔石は、普段であれば淡く光を発しているはずであるが、今はその輝きが失われていた。


 「確かに、今その腕輪は機能していないようだが・・・最後にアレがいた場所はわかっているのか?」

 「はい。最後に確認したのは昨日の昼、共和国の東に位置する辺境の都市リカレオのさらに東に存在するサルトレア山脈の麓、サルトレアの森にて確認しました。それ以降は私も多忙でしたので、確認に出来ていません。」

 「サルトレアの森か・・・あの森であればサルトレア山脈から降りてきた竜種に殺されてしまう可能性はある・・か・・・。他に用意していた魔物はどうした?」

 「そちらは、問題ありません。しかし、どの個体もアレほどは強くはありません。」

 「計画実行は一ヶ月後。・・・計画ではその森からアレが他の個体と森の魔物を率いて都市に進行し、都市ごとターゲットを始末するはずであったな。計画までにアレと同程度の強さを持つ魔物をすぐに用意するのは不可能・・・」


 跪く男は、思考に沈む己の上司を見やり、つい先ほどの事を思い出す。


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 自分がそのことに気がついたのは、その日の昼のことだ。最初に見たときは自分の目を疑った。

 多忙な時間の合間に、いつものように左腕にはめられた魔道具を確認すると、普段であれば淡い輝きを発しているはずの魔石が輝きを失い、腕輪を介して確認できるはずの魔物の情報が一切表示されない事からも、この腕輪が魔道具として機能していないのは明らかであった。

 アレは今回の計画の要として、様々な素材と時間を大量に費やし、完成させた教団の傑作だった。

 アレは元の強さからはかけ離れた力を持ち、さらにいくつもの強力な魔物の魔石を取り込み、特殊なスキルさえも獲得し、ランクとしてはSランクに引けをとらないほどであった。

 それが、微か数時間の間に何者か、あるいは魔物が討伐するとは到底信じられなかった。出来ることなら、見なかったことにして何事も無かったかのように通常の任務に戻りたかった。しかし、このことを上司に報告しないわけにもいかない。


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 そこでくだらない雑念は頭の片隅へと押しやった。

 何故なら今は上司に今回の事を報告し、今後のどうするのかの方針を聞かなければならないからだ。


 「いかがいたしましょう?」

 司祭は目を閉じたままであったが、何かを決めたのかもう一度跪く男に向かって指示を出していく。

 「仕方ない・・・計画は変更だ。アレの代わりに・・・使徒を差し向ける。」

 「―ーーっ!!・・・使徒を・・ですか?しかし、よろしいのですか?それでは、奴らに我々の存在を教えることになってしまいますが・・・」


 司祭のその言葉に、男は一瞬驚きの表情を見せたが、すぐに持ち直し頭に浮かんだ疑問を司祭に尋ねる。


 「この際だ、構わん。それよりも、ここで目的を達成できないことの方が、後々我々の都合が悪くなる。あの血筋は我々の障害となる。・・・すぐに最高司祭様にこの事の報告と、使徒の派遣を要請しろ。計画まで残り一ヶ月だ。我々には他にも準備しなければならないことがある。」

 「ハッ!直ちに準備いたします。」

 「ああぁ。・・・それともう一つ・・・アレの死骸の回収に向かわせろ。すでに魔物の腹の中かもしれんが、出来ることなら死骸だけでも回収しておきたい。共和国の奴らに回収されれば、厄介なことになるかもしれんからな。」

 「ハッ!そちらも、すぐに回収班を向かわせます。」

 「ふむ、頼んだぞ。我らに主のご加護があらんことを・・・」

 「我らに主のご加護があらんことを・・」

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 とある帝城の一室・・・

 「・・・召喚の儀の進捗はどのようになっている?」

 長年の主導者としての威厳を含んだ圧力を錯覚させる声音が室内に響いた。

 声を発したのは、室内に置かれた一際豪華な作りをした作りをした椅子に深く腰掛ける、四十代半ばとみられる男であった。男は、ゆったりとした寝間着のような淡い紺色のローブを身に纏っていた。そして男の頭上には装飾が施された立派な王冠を被っていた。しかし、それはそこらいらに隣立する小国家の国王がかぶる煌びやかな王冠では無く、必要最小限の装飾だけが施された覇者の王冠を思わせる物であった。

 室内は男が被る王冠とはそう反する、一目でわかるほど豪華な作りになっており、装飾の一つ一つが平民の一月の生活費を優に超えるほどの価値を持っていそうな物だった。


 「問題なく進んでおります、陛下。」


 男の問いに答えたのは、男が座る場所から斜め後ろに数歩下がった場所に立つ小柄な人物であった。発せられた声は、年をとった者特有の皺枯れた声で、この者が長い時を生きた人物であることは明白であった。


 「召喚陣は間もなく完成いたします。それと平行し、必要な生け贄の方も問題なく準備できております。」

 「ふむ、そうか・・・であれば、実行の方はいつ頃になりそうか?」

 「儀式を実行するだけであれば、一週間ほどで準備は完了いたします。しかし、儀式を行った後の事後処理や、召喚された者の身の回りの事、その後の訓練の予定などを考慮するとなると、一ヶ月後がよろしいかと・・・」

 「そうか・・・ではそのように進めよ。失敗は許されぬからな。準備は完璧にせよ。」

 「ハ、ハアァ・・・仰せのままに陛下。」


 報告し終わったその老人は、背後の扉から部屋を退室していった。

 扉が完全に閉まると、陛下と呼ばれた男は、椅子の脇の小さなテーブルの上に置かれていた、これまた美しい装飾が施されたグラスに、一緒に置かれていた年代物のボトルのワインを注いだ。

 男はグラスを持ったまま立ち上がり、部屋の窓際へと歩いて行き、窓の外のテラスへと出た。

  外は暗い夜を綺麗に整備された街灯と、酒場や飲食店、住宅の明かりで町を美しく照らしている。


 「・・・ようやくこのときが来たか。・・・帝国が滅ぼされて幾百年。我が国の悲願・・・ようやく・・・フフフフッ、待っていろ鮮血女帝。帝国の無念、必ず晴らしてくれるっ!!・・・フッフッフッフッ・・・ハァハァハァハッ!!]


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 最後までお読みくださりありがとうございます。誤字・脱字やアドバイスなどのご意見があればコメントしてください。

   次回もよろしくお願いします。

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