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邪神の力の一部で不死になったんだが!?

Mikuzi

森を探索しよう

 遅れてすみません。最近色々と忙しいので来週も遅れるかもしれません。
 『ジーヴル』を『ジーヴィル』に変えました。書き換え忘れなどがあれば是非教えてください。

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 お風呂から出たあと、私は新しい服を取り出して身に纏い、準備を整えて正面玄関から前庭に出ました。


 「正面のお庭を見るのは、初めてですね。」


 玄関を出て正面にはそれなりに大きな噴水が設置されており、その周りを囲むように花壇が引かれています。そしてそのまま左右にこの家の正門へと続く花壇とともに道が通っています。所々水路のようなものもあり、どうやら噴水とつながっているようです。


 「ここが正面のお庭ですかぁ。流石に広いです。綺麗にするのにどれくらいかかるんでしょうかね?」


 裏庭を見て分かっていた事ですが、やはり前庭も広く花壇などには今や雑草が生い茂っています。庭の外には裏庭を含めて全体を二メートルぐらいの石の壁がぐるっと覆っています。そしてその壁の向こう側には鬱蒼とした森が広がっています。


 今から私がしようとしていることは、この森の探索です。先程準備するときに図書室にあったこの辺りについて書かれた本を片っ端からマジックポーチの中に入れてきました。

 知識だけであれば何も問題はありません。ですが実際にどんな生物が生息しているのか、この目で確かめないことには生活の安全が保証できないので、私自ら探索して確かめてみようと、今森の前に立っています。


 「さてと、どんな生き物がいるのか怖さ半分、ワクワクが半分ってところですね。ギフトがあればよっぽどがない限り死なないとは思いますけど、最新の注意は必要ですね。」


 門の先には、左右には道であったと思われる、舗装された地面が微かばかり残っています。

 図書室に残されていたこの周辺の地形に関して書かれた本には『左側へ真っ直ぐ進むと森を抜け平原に出られる』と言うようなことが書かれています。

 さらに、その草原を進むと共和国の街の一つ、この家の元家主の日記にも書かれていたリカレオの街があるはずなのですが、家の状態からしてすでに何十年と経っていると思われるので地形が変わっているかもしれません。

 逆に『右の道を進むと此処とは違う、凍える森に入ることができる』と書かれています。
 凍える森とは恐らくあの氷山の周りに群生する森のことだと思います。名前からしてここの気温よりもはるかに寒い気候であることは想像に難くありません。


 「凍える森の中は寒いんでしょうけど、魔力を纏えば問題なさそうですね。」


 これは先程気がついたことなのですが、どうやら私は魔力を体全体に纏うことで寒さを感じなくなるようなんです。
 先日の教会の中でも魔力を身体中に張り巡らせて纏うと私の体から冷気を発して周囲を凍らせるようなのですが、その時私は全く寒さを感じなかったので、常時体に魔力を張り巡らせて纏えば問題ないと思います。


 「では先ずは森を抜けて平原に行ってみましょうか。」


 私は、左右の分かれ道を左に進みます。


 「木自体は見たこともない種類だと思いますが、特にこれと言って禍々しいと言うことはないですね。至って普通の木です。」


 まあ異世界の木は今はじめて見たので、
私が見ているのが普通であるとは限りませんが、取り敢えず進んでみましょうか。


       〜数分後〜


 しばらく森の中を歩いていましたが、今のところ生き物は全く見当たりません。遠目からだと鳥は数羽飛んでいるのは見えましたが、他の小動物などは見つけることができません。


 (今が冬の季節で他の動物はみんな冬眠していると言う可能性はなくはないですが、微妙なところでしょう。)


 冬眠すると言っても気候は今春のような暖かさがあり、今も現に私は薄手の洋服を着ていますが、寒いという感じは見受けられません。


 (まあ私の体質で魔力の性質で寒さを感じないのかもしれませんが・・・)


 「そういえば、魔力察知のスキルがあるのを忘れていました。魔力を持つ生物なら何かいるかもしれませんし、一度試してみましょうか。」


 異世界なんですから、魔力を持った動物がいてもおかしくはないです。私は早速魔力察知を使ってみることにします。

 魔力探知のやり方は昨日の家の探索で一度使っているので簡単です。

 集中して周囲の魔力を探ってみると、私の半径50メートル以内には無数の魔力反応がありました。


 「周囲にはこんなに沢山の反応があるのに、何故私の周りのは何もいないんでしょうか?」


 魔力探知では、半径50メートル以内には沢山生物が居るようですが、私のすぐ側には全く生物の魔力反応がありません。

 試しに魔力反応のする方に近づいてみると、反応は良く私から逃げるように離れて
いきます。


 「これはどう言うことなんですか?もしかして私・・避けられてます?」


 しばらく色々と考えていると、魔力探知に今までにない大きな魔力反応が私の方へ近づいてくるのがわかりました。

 今までに探知した魔力反応はすごく小さく反応でしたがこの反応は他よりも五倍以上大きいです。


 (何でしょうか?今までは私が近づくとすぐに逃げてしまうのに、逆に向こうから近づいてくるなんて・・・)


 声を潜めて魔力反応のする方の森を注視し続けていると、反応が近づくに連れて少しずつズンズンと言う足音と思われる音が近づいてきます。

 そして遂に、私の約十メートル先まで近づくと、視線の先の森から大きな影がのっそりと現われました。


 「アレはっ・・!」


 それは猪のような姿で、しかし普通の猪とは違いその体は身長三メートル全長五メートル程もある巨体です。

 そして特徴的なのが、口の端から左右に二本ずつ生えている大きな牙で、牙単体の長さだけでも約一メートルはあるように見えます。


 「ブゥルルッ!」


 (とても興奮しているようですね。何かあったのでしょうか?)


 前世では、動物が興奮するときは大体が身の危険を感じた時や、子育ての時期に周囲には敏感になっているときなどが思い当たります。他にも専門的な知識を持つ人ならいろいろ理由が思いつくと思いますが。

 仮にこの大きな猪が身の危険と感じて逃げてきたとしたら、近くにそのに元凶がいる筈ですが・・・


 (改めて魔力察知で周囲を見てみたものの、半径50メートル以内には目の前の猪以上の魔力反応はありませんね。)


 「ブルルッ!ブブゥンッ!」


 しばらく観察していると、猪は前脚で地面を引っ掻くように削り始めました。それはまるで闘牛が突進をする前準備の動作と似ています。


 「・・っ!?マズいですっ!」


 私は呟くと同時に反射的に体を無理やり捻るようにして横へ全力で飛びました。

 そして次の瞬間・・・



 ブヲォンッ!



 数瞬前まで私が立っていた場所を、高速で走る大質量の大型トラックように、周囲の風を巻き込んで走り抜けて行きました。

 そして、そのまま後方の木々を『バキッバキッ』と、なぎ倒しながら突っ込んで行き最終的に止まりました。


 「ふぅ・ふぅ・・危ないところでした。」


 私は体から冷や汗を流しながら呟きます。


 (あと少しでも反応が遅れていれば私はあの突進に巻き込まれ吹っ飛ばられていましたね。下手をするとぶつかった瞬間に四肢をバラバラにされていたかもしれません。)


 そんな事を考えている間にも猪は頭を振り私の方に向かって方向転換し始めました。恐らくもう一度突進を仕掛けてくるつもりなんでしょう。


 「考えている暇はなさそうですね。戦うしかなさそうです。」


 私はそう言うと腰に挿しているジーヴィル抜き取ると瞬時に魔力を流し込みます。魔力を流す行為にも慣れてきてスムーズに行動できます。

 今回イメージしたのは一番最初に形作った槍です。家の探索の時のようなレイピアではこの巨体を誇る猪の皮膚を突き刺したところで、さしてダメージを負わせられないと思ったための選択です。

 ジーヴィルは毎度の如く金属の帯になり槍の形に展開されていきます。完全に展開されると槍を構えます。構え方はよくあるような半身になって穂先を下にし、左手は真ん中あたりを握り右手は左手から五十センチほど後ろのところを握り構えます。

 槍の最大の特徴は近接武器の中では一番攻撃範囲が広く、リーチが長いことにあります。

 しかしこれは通常対人において最大限発揮される武器なので、獣相手にどのくらい通用するのか不安なところもあります。


 「まあ、実際にやってみなければ分からないですよね。」


 そうしているうちに、猪は完全に方向転換を終え先程と同じように突進の予備動作に入っています。


 (先ずは、この突進をどうにかしなければいけませんね。)


 猪の突進をどうにかして止めなければ、攻撃の機会がありません。


 (でもどう止めれば良いのか・・っ!そうです、これ瞬間であれば・・・)


 「ブゥオオオオォン!!」


 そして準備が整ったのか猪が先ほどよりも力強い咆哮と共にその巨体からは考えられないほど速い突進を仕掛けてきます。

 私は一度体を沈ませ、始祖となって身についた身体能力に頼り、垂直跳びの要領で思いっきり真上へと飛び上がります。

 そして、さすが始祖の身体能力です。ただの垂直跳びで五メートルほど飛び上がりました。


 (やっぱりすごいですね。これでもまだ感覚的にはより高く飛べる感じですね。)


 猪は先ほど同様の剛速で私の下を通過していきます。そして私が音も無く着地するときには、先程と同じようにまた木々をなぎ倒して止まりました。

 私は着地した瞬間、猪の方へ駆け猪が止まった数メートル後方で斜め上に飛び上がり、その背に着地すると思いっきりジーヴィルを突き立てました。


 「ブモォオオオオッ!?」


 すると、猪は突然の痛みに悲鳴をあげ、背に乗った私を振り落とすため暴れ馬の如くガムシャラに走りまわります。


 「うっ・・くっ!」


 私は振り落とされないようにジーヴィルを握りしめ必死に耐えます。さらに猪の背の高さではちょうど木々の枝が乱立しており、そこを走り抜けるので、私にその枝がいくつもあたり、地味にダメージを受けます。


 (うっ・・ここで・ジーヴィルの・・吸血のスキルをっ・・使いましょう・!)


 暴れ回る猪の動きに耐えながら、私はジーヴィルのスキル、吸血を発動させます。すると手に握るジーヴィルがこの猪から急速に血を吸い上げているのを感覚的に感じ取ります。


 「ブオォオオオオオオオオゥンッ!?」


 それに伴い猪はさらに悲痛な叫びを上げ、より激しく暴れまわります。私は目を瞑りじっと耐えます。

 猪の抵抗に耐えていると、しばらくして猪が少しずつ動きが鈍くなり始め、数秒もすると猪の動きが止まりました。

 完全に動きが止まると次の瞬間には猪の巨体が傾き、地面に向かって横倒しに倒れ込みました。


 「キャアッ!?」


 私はずっとジーヴィルを握っていたのでそのまま倒れるのに巻き込まれ、私自身が驚くような可愛い叫び声を上げながら地面に向かって放り出されました。


 「ううぅ・・どう・なったんですか?」


 体を起こしてどうなったのか、状況を確認しようと周囲を見渡すと、目の前には横倒しに倒れた巨大な猪の背が見えました。その背にはジーヴィルと思われる槍が深く突き刺さっています。


 「・・・これはっ!?」


 しかしそこには、いつもの白銀に輝くジーヴィルではなく赤く血色に染まった槍が刺さっていました。


 「これは・・もしかして血を吸ったことでジーヴィル自体が血の色に染まったと言うことでしょうか?」


 他にこのようになってしまった理由が思い浮かばないので、恐らくこの考えで合っているでしょう。


「ジーヴィルの吸血を発動すると、このようになるのですね。覚えておきましょう。」


 私は猪の背に深く突き立ったジーヴィルを力まかせに抜き取りました。勢い余って数歩たたらを踏みながらなんとか転倒することなく持ち堪えました。


 「これは・・・どうすればいいんでしょうか?このまま、赤く染まったままなのでしょうか?」


 取り敢えずジーヴィルを元に戻します。しかし元の金属の延べ棒に戻っても、ジーヴィルは赤いままでした。


 「そういえば、血晶玉生成なんて言うスキルがありましたね。ちょうどいい機会ですし一度使ってみましょうか。」


 このスキルを使えば魔力と吸血した血を消費するようなので、どのようになるのか試しておきたいです。

 早速ジーヴィルを握り血晶玉生成のスキルを発動させるように意識します。すると赤く染まったっていたジーヴィルの色が、中央に空いている小さな穴に向かって吸い寄せられるように集まっていきます。そして穴の中には叙々に血が急速に結晶化していき、数秒もするとジーヴィルの色が元の白銀に戻っていました。そして穴の中には白銀色とは対照的な、綺麗な血色のビー玉のような物がはめ込まれている状態でした。


 「これが血晶玉ですか。・・綺麗ですね。これは取り除いてもいいんでしょうか?」


 私はジーヴィルの反対側から押してみると、血晶玉はいとも簡単に取れました。


 「一度鑑定してみましょうか。どんなもの何か解るはずです。」


 私は掌に乗る血晶玉を見つめながらスキルを発動させます


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 【血晶玉】•••特殊な方法でしか生成されない極めて貴重な物。例としては《吸血種血》が死亡した際に稀に体内に生成されるなどである。血と魔力を媒体にして生成されたこの血晶玉の純度・品質は、媒体とした生物の血と魔力の量・純度・レベルに比例される。

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 【血晶玉(クレイジーハイボア)】
 Class: Material〔素材〕
 Rarity: 8 [Unique〔ユニーク〕]
 Quality:A+

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 上に表示されているのは恐らく血晶玉という物の説明で、下に表示されているのは私が今持っている血晶玉の説明なのでしょう。


 「このクレイジーハイボアというのはこの猪のことなんでしょうか?」


 私は倒れている猪の死体を見ながら考えます。


 「取り敢えずこの血晶玉はどうしましょうか。・・・何故かは分かりませんが・・何かいい匂いがしますね、この血晶玉。」


 先ほどから何故かこの血晶玉から肉にような匂いがしており、嗅いでいると何故か頭がクラクラしてきました。

 私は思考が覚束ない状態で手に持つ血晶玉を口元に持っていき・・・



 チロリ・・・と表面を舐めてみました。



 「・・・っ!?焼き肉ですね・・・」


 血晶玉は豚肉と牛肉の中間のような風味でとても美味しく感じました。そして何故か体全体が高揚するような、力が漲る感覚がします。


 「もしかして、この血晶玉を食べれば血を直接吸わ無くていいのではないでしょうか?」


 血晶玉は血と魔力を媒体にしている物。そして《吸血種》は魔力を媒体にして体を生成しているので身体的には何も問題がないと思うので試しに食べても問題ないでしょう。


 (それに私には不死の回復があります。何かあっても問題ないでしょう。)


 あまりこの力に頼るのはダメなように思いますが、これも私の一部だと思って割り切りましょう。


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 最後までお読みくださりありがとうございます。誤字・脱字やアドバイスなどのご意見があればコメントしてください。

   次回もよろしくお願いします。

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