邪神の力の一部で不死になったんだが!?
アイテム確認をしよう
先ほど読んだアストルティア様が書いてくれた、アイテムの詳細について書かれた紙を取り出して見てみる。
「えっと、手紙には・・・『神崎さんに送ったものは先ず衣服です。神崎さんは今女の子なのでそれに合った服を用意しました。きっと神崎さんに似合うとと思いますので、是非着てくださいね。他にも神崎さんに似合いそうな服をいくつか見繕ってありますから、そちらも是非着てください。ここで注意なのですが、これらは全て一般的な衣服なので防具としては役に立たないので、そちらの衣服はご自分で用意していただければ幸いです。』・・・他にもあるんですね・・あまりこう言う可愛い服は着るのに抵抗があるんですが、普通の服は街などに行くことがあれば必ず買っておきましょうか。」
苦笑いしかおかばないがこれしか着るものがなし、お金も無いのでしばらくはアストルティア様が用意した服を着るしかない。
「続きは・・・『次に神崎さんに送ったものは【マジックポーチ】と言う魔道具です。このポーチを説明する前に先ず魔道具について説明しますね。魔道具とはその名の通り魔法の道具です。これは魔石などの魔力媒体を使って作られた便利な道具です。魔道具は燃料に魔力を使うことによって効果が発揮されます。ですのでこの【マジックポーチ】にも神崎さんの魔力を流していただければ効果が発揮します。そしてこのポーチの効果ですが、このポーチに魔力を通すと、ポーチの中が亜空間と繋がっておりおよそ六畳部屋ほどの広さになっています。ここには植物以外の生きている生物を入れることはできませんが、荷物運びにとても便利なので使ってください。そしてこのポーチにはすでに先ほど書きました衣服など生活用品がいくつか入れてあります是非活用してください。』・・・なるほどコレが魔道具ですか。とても便利そうですね。そして生活用品を入れておいていただいたアストルティア様には感謝しかないですね。」
正直これから生きていくのに生活用品がないとどうしようもないと思っていたところなので本当に有難い。
【マジックポーチ】の見た目は服と同じ白色で、目立った装飾は無くとてもシンプルなデザインだ。そしてこれまた同様に白色のベルトが付いていて、これなら服と一緒に着けても違和感はない。あと何に使うのか分からない小さな入れ物も付いている。
「折角なので早速使ってみましょうか。っと、その前に〈鑑定〉を使って見ましょうか。何かわかるかもしれません。」
頭の中でこのポーチを鑑定したいと言う意思で見つめていると。頭の中に【マジックポーチ】の詳細が流れ込んできた。その情報を整理するとこんな風になる。
ーーーーーーーーーーー
【マジックポーチ】•••空間魔法によって内容量が大幅に拡張された鞄。魔力を流すことによって異次元につながり物を収納することができる。容量は6畳ほどの部屋と同じくらいの大きさまで入る。
Class: MagicTool〔魔道具〕
Rarity:8 [Unique〔ユニーク〕]
Quality:S
Durability:S-
〈時間停止〉•••ポーチ内の時間を停止することができる。
ーーーーーーーーーーー
(へぇ〜ポーチの中は時間が停止してるんだなあ。中に入れた物は劣化しないのか。これなら食料とかを入れてもいつまでも腐らないから便利だね。)
「一度使って見ましょうか。えっと先ず魔力を通さないといけないんだけど、どうやって通すんだろう?」
この【マジックポーチ】を使ってみようとしても魔力の通し方が分からないため、何も変化が起きない。
「うぅ〜ん、もしかしてさっき感じた違和感見たいのが魔力なのかな?」
先ほど初めてこれを持った時に感じた違和感、あれを意識して魔力の感覚を覚えてみるか。一様〈魔力感知〉と〈魔力操作〉のスキルは持ってるから、多分大丈夫だと思う。魔力は感じやすいはずだ。
一度ポーチを台座に置き、右手を胸の前に持っていき・・
「こういうのはライトノベルでもよくあるから、そういう意味でも感じやすいはず。先ずは確か目を閉じて・・」
前世で読んだことのあるライトノベルに倣いそっと目を閉じ、意識を集中する。極限まで集中力を高める。
「次は身体中に張り巡らされた魔力を血管と同じような感覚を意識して・・こういうのはイメージが大切・・・」
しばらく魔力を感じようと目を閉じていたら、少しずつ自分の中にある先ほどの違和感が分かるようになってきた。確かに魔力が身体中に巡り巡っているようだ。そして心臓のあたりの大きな魔力の塊があるのが分かった。恐らく魔力の貯蔵庫、いわゆる魔力の心臓、魔臓と言えるものだろう。
「これが魔力なんだか少し冷たいような冷気のような感じがする。よしっ!あとはこれを【マジックポーチ】に流し込むようにイメージすれば使えるかも。」
そこで目を開けると・・・
「えっ!?」
僕は冷気を纏っていた・・・
周りは冷気が充満しており、あるところでは霜のように極小さな氷の柱ができていた。
「これはどういうこと?もしかして、魔力を身体中に巡らせた・・・から?」
予想だけど、魔力自体に冷気を発する性質や力があったのかもしれない。だから魔力を身体中に張り巡らせたことで、僕の体から冷気が漏れ出て周りに充満したのかも。まあ、そのことについてもあとで検証してみよう。
「今は【マジックポーチ】にこの魔力を流し込んでみよう。」
台座に置いてあったポーチを再び手に持ち先ほど感じることのできた魔力をそっと注ぐ。すると、魔力がポーチに吸われる感覚がした。そのまま流し続けると、先ほどまで何もなかったポーチの中を黒いモヤのようなものが覆った。試しに恐る恐る手で触れてみると、そのままどこまでも入っていきそうだ。
「これが【マジックポーチ】・・すごい頭の中に今入っているものが浮かび上がってくる。」
ポーチの底の黒いモヤに触れているとアイテムリストのようなものが頭の中に表示された。
「えっと服と下着がそれぞれ4着入ってる。それに大小タオルが5枚ずつ、後は化粧箱?これは・・アストルティア様は変な気を聞かせてくれますね。」
(女の子になったとはいえまだ心まで女の子になったわけじゃないから、多分ポーチの中に眠ったままになるんだろうなあ。)
もしこれを使う時が来たら、その時にはもう男だった頃が遠い昔になっているんだろう。
「他には食器類と調理道具類も入ってる。これで料理ができる。後は解体ナイフも入ってるから動物とかも狩猟してお肉も手に入るかもしれない。」
料理の方は大学生活で一人暮らしをしていたから問題はないと思う。でも狩猟となると経験も知識も無いからしばらくは木の実や植物を採取して食べることになりそう。〈鑑定〉のスキルがあれば食べられる物と食べられない物は判別できるからそこは大丈夫だと思う。
「他には・・所有証明証?何の所有証明証だろう。ま、これも後で確認しよう。最後に・・これは何だろう?」
頭の中に表示されているリストの最後には、ハテナマークで表記されている謎のアイテムがあった。
「もしかして、これがお詫びの物かな?」
名前だけでは判別がつかないので実際に出してみることにする。本当に出てくるのか怪しんでいたが、名前の物を取り出したいと思うとそれがての中に収まるようだ。あとはポーチから取り出すだけだが、本当になんだこれは?形は棒状で金属特有の冷たさを持っているようだが、なぜか僕はそれを知っている気がした。ポーチからそれを持ったまま手を抜き取る。
「これはっ!?あの時の鉄筋っ!」
それは僕がこの世界に転生する理由となった邪神の撃退で使用した唯一の武器だった。
「なんでこれが【マジックポーチ】の中に?」
一度鉄筋をを台座に置き手紙を取り出す。アストルティア様の手紙に何か書いていないか急いで確認してみると、また別の紙に書かれていた。
「えっと・・・『次は神崎さんが女性になってしまったことへのお詫びとして二つの物を用意しました。一つは手紙と一緒に置いておいた指輪です。これは【蘇りの指輪】という私が作った神器です。これは名前の通り死んだ人を蘇らせることができます。これを使うためには膨大な魔力が必要で、一度使うとしばらくは使うことができません。しかもこれには制約があり、生き返らせる者はある一定以上の力を持つ者でなくてはありません。何故なら一度死んだ者を蘇らせるには、その者の魂が必要なのですが、力が弱い者はすぐに魂が輪廻の輪に回収され真白に浄化されてしまうからです。力が強い者は死んだ後もしばらくは体の中に残り続けることができるので、もし神崎さんがこれを使う時が来たらその者が強い者であることを祈ります。さらに詳しいことを知りたいのでしたら指輪に〈鑑定〉を使ってみてください。』・・・これは、ものすごい物をくれましたね。どのくらい魔力が必要なのかわかりませんが、いつか使う時が有ればありがたく使わせてもらいます。本当にすごい物ですね。」
台座の前に置かれたままも指輪を手に取ってじっくりと眺めてみる。これも鑑定しておこいた方が良さそうだ。
先ほどと同じように鑑定しようと思ったら頭の中に情報が流れてくる。
ーーーーーーーーーーー
【蘇りの指輪】•••『種と生命の神アストルティア』によって『グレイシア・アル・ネヴィカーレ』にお詫びの品として創った神器。この指輪を使うことで死者を蘇生することができる。ただし相応の代償が必要である。
Class: Sacred 〔神器〕
Rarity:12 [Gods〔ゴッズ〕]
Quality:ー
Durability:ー
Magic 0/1000000
〈死者蘇生〉•••膨大な魔力を消費することで死者を蘇生することができる。ただし精神体が強い者に限られる。
〈自動吸収〉•••装着者の魔力を少しずつ自動で吸収する。
ーーーーーーーーーーー
できればこれを使うことが無いことを祈るしかない。それかそんな事態にならないように僕自身が力をつけないといけない。
「このを使うのに膨大な魔力が必要みたいだから今から着けておこう。」
そう言って持っていた指輪を左手の邪魔にならない中指にはめた。
すると、嵌めた瞬間から、自分の魔力がこの指輪に吸われていくのを感じる。
「この指輪は自動で魔力を少しずつ吸収していくんだね。あと自分からも魔力は流せるんだ。」
先ほど覚えたばかりの魔力を指輪に集めるようにイメージして流し込むと、いつまでも吸い続けて、キリがないので一旦止める。
すると・・
〈魔力を10379吸収しました。
Magic 10387/1000000〉
「これっていちいち教えてくれるんだ。すごく便利だね。」
たぶん、今込めた魔力を表示してくれるんだろう。込められた魔力の合計が違うのは〈自動吸収〉で吸収された魔力だと思う。
「さてと指輪は確認できたから今度こそこの鉄筋の事について読んでみよう。・・・『二つ目は【マジックポーチ】の中に入れておいた貴女もよく知る物です。嫌なことを思い出させてしまうかもしれませんが、貴女の力になるようにしました。これは貴女の魔力を限界まで流し込むことによって形を変え、貴女に適した武器に変化します。武器に変化した後の詳細は私には分からないのでご自分の〈鑑定〉で確認してみてください。そして最後に神崎さんが安全に生活できる環境として今神崎さんがいる場所の土地を贈ります。土地の所有証明書はポーチに入っていますので大事に取っておいてくださいね。では頑張ってください。』・・・なるほど、これに僕の魔力を限界まで流し込めば、これが武器に変化するんですね。それにさっきの所有証明証はこの土地の所有証明書だったんだね。取り敢えずこの鉄筋が本当に武器になるのか試して見ましょうか。」
台座に置いた鉄筋をもう一度手に取り先ほどの指輪と同じように自分の魔力を流してみる。こちらも指輪と同様にどこまで入れても全て吸収される。
しばらく魔力を流し続けていると、だんだんと鉄筋自体が光を発し初めた。それに比例して僕の魔力も減っていっているのを感じる。
(さすが〈始祖〉と言われるだけはあるね。生まれてほんの数時間しか経過していないけど、魔力はとても多いことは感覚で分かる。)
「結構流し続けているけど、まだ足りないのかな。そろそろ満タンになってもいい気がするけど・・・あっ魔力が流れなくなった。」
しばらくしてやっと魔力がいっぱいになったのか、これ以上魔力が流し込めなくなった。すると鉄筋が明滅を始め、次の瞬間には・・手には銀色に輝く少し分厚い長方形のような形をした謎の金属板が握られていた。
「何コレ?これって武器なの?こんな武器見た事ない・・一体どう使うんだろう?」
金属板の表面には薔薇に似た花の絵が彫られていて、真ん中より少し上の辺りにはビー玉ほどの大きさの穴が空いている。
見た目からはこれが武器なのか全く想像もつかない。そもそも武器であるかも怪しい。本当にどうすればいいのか・・
「あっ、そうだ、こう言う時こそ〈鑑定〉を使って調べよう。何かわかるかもしれない。」
手に持つこの金属物質は一体なんなのか、分かるといいけど。もし、鑑定して何も情報が無ければ、当分の間武器が解体用のナイフ一本だけになってしまう。
「お願いだから何か分かって欲しいけど。どうなるかな。」
さっそく〈鑑定〉のスキルを使おうと意識してみる。すると先ほど同様頭の中に情報が流れ込んできた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[設定]
【名前〔読み〕】•••説明
Class〔種別〕:
MagicTool〔魔道具〕
Weapon〔武器〕
Armor〔防具〕
Object〔物〕
Material〔素材〕
Tool〔道具〕
Consumable〔消耗品〕
Sacred 〔神器〕
Rarity〔レアリティ〕:
0[Unknown 〔アンノーン〕]
1〜2[Common〔コモン〕]
3〜4[Uncommon〔アンコモン〕]
5〜6[Rare〔レア〕]
7〜8[Unique〔ユニーク〕]
9[Epic〔エピック〕]
10[Ancient〔エンシェント〕]
11[Legend〔レジェンド〕]
12[Gods〔ゴッズ〕]
Quality:F±~S±
Durability: F±~S±
ランクの幅を変えました。
最後までお読みくださりありがとうございます。誤字・脱字やアドバイスなどのご意見があればコメントしてください。
次回もよろしくお願いします。
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