キミと紡ぐ【BL編】

Motoki-rhapsodos

第6話


グラスを掲げた浩行に、カチンとグラスを当ててやる。満足げに微笑んだ浩行は、シャンパンを咽喉へと流し込んだ。

「うっま~! シャンパンが酒の中で1番美味いよな」

嬉々としてケーキにもフォークを突き立てる。それを見つめながら、俺は呆れた声を発した。

「お前さ。いい加減、俺関係で女と別れるのやめろよ」

これで何度目だ、と溜め息を吐く。

「俺まで巻き込んで」

「それは今回だけだろッ」

俺を指差し突っ込んできた浩行に、「いやマジで」と返した。

「今回みたいなのが続くと俺、欲求不満になってお前を襲うかもよ?」

一瞬キョトンとした浩行が、ケタケタと笑う。

「なんだよ。飲んでもないのに酔っちゃったの?」

そう言って、リモコンを持つとテレビを点けた。

「誰でもよくなるかもしれないだろ」

音楽番組を見始めた浩行に言う。画面から目を外さない浩行は「誰でもいいなら他の奴にしろよ」と手を振って返してきた。

「お前がいいって言ったら。……構わないのかよ?」


低く吐き出された俺の声は、歌に紛れて浩行の耳には届かなかったようだ。


          

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