3、元厨二病少女 3

イザベラお姉様は、最期の最後まで美しかった。

＿苦しい想いをしていることに気付けなくて、ごめんなさい。

＿＿＿愛しているわ、さよなら。

ドSな所が最期は出なかった。でも、そこが切なさを際立たせてて … 。涙を瞳に滲ませうかべながらも微笑むお姉様と言ったら、どんなに儚く立派なのかしら。

最期の最期まで、あっんな皇太子くそやろうを愛し続けるなんて。

… ねぇ、そこのあんた。お姉様って呼んでるのが気持ち悪いなんて言ったら、天国じごくに送ってやるわよ。

＿＿まぁ、取り敢えず色々かれこれあって、私は憎しみと悲しみを胸に抱きつつ受験勉強には熱心に取り組めた。

バカちゃらんぽらんな私だったけど、皮肉なことに皇太子くそやろうへの憎悪を糧に良い高校に受かってやりましたよ。えぇ、気ぃ紛らわすためにめっちゃ勉強しまくったからね …

＿＿＿

「 … はぁ。」

だけど、私は一人ぼっちな高校生活を送っていた。

だって、趣味合わないし。

グループ出来ちゃってるし。

黒歴史知らない人が居る、遠い高校に入学したんだし。

広げた色鮮やかなお弁当。見上げてあるのは、突き抜けるような青空だけ。

うん、典型的めっちゃなぼっちだな。

虚しくならないと言えば嘘になるが、寂しくはない。

… 強がりじゃないもん！

＿＿＿

下校も、一人だ。はぁ、寂しい。

実は、めっっっちゃ寂しい！

直ぐに覆したけど、寂しいよ。そりゃぁ寂しいよ。哀れだよ。

もう、すっかり空も夕焼けオレンジ。

グラデーションみたいに、青が微かに滲んでいる。

＿ふと思い出したのは、お姉様が屋敷の庭で一人、夕空の下で踊っているシーン。