一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

メジャーデビューへ 9

デビューアルバムの発売日が明日に迫る中、俺たちは渋谷スクランブルスクエアの屋上『SHIBUYA SKY』に居た。

日付が変わる午前0時に、『Re Light』が渋谷をジャックするのだ!
渋谷中のすべての大型ビジョンに、蓮の撮ったアルバムジャケットが映し出され、この『SHIBUYA SKY』から、生ライブを配信する!

本番を前に来蘭は1人喧騒を離れ、角の先端部に立ち、眼下に広がる都心の夜景を見つめていた。

「来蘭」
俺の声に振り向く来蘭を後ろから包む

「そうちゃん、見て!夜景が綺麗...」

「そうだな...」
来蘭の首筋に顔をうずめながら生返事をする...

「んん...もぉ...そうちゃん...夜景見もしないで...」
その来蘭の言い方が可愛くて、そのまま首元でふふっと笑うと、くすぐったいと悶えた来蘭が妙に色っぽくて、思わずkissをした...

「本番前なのに...」

「本番後のが良かった?」
と聞くと、来蘭は首を振った。

「まぁ、本番後にもするけどね...」


「本番行くよー!」
スタッフの声に、向かおうとする来蘭を呼び止める

「来蘭!」

「ん?」

「綺麗だよ」

一瞬目を丸くして驚いた顔を見せた後、最高の笑顔で来蘭は言った

「ありがとう!」

マイクスタンドに向かって走って行った来蘭が、Uターンして俺の元に戻って来たかと思ったら、めいっぱい背伸びして、俺の耳元で

「本番後のkissはベッドでね...」
と言って、また走って行った...

あーもう...
来蘭には一生勝てる気がしねぇ...


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