一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

初ライブ 3

「おはようございます!今日からよろしくお願いします!」

初ライブだと浮き足立ってる暇はなかった。
出番までは、わたしはライブハウスのバイトの仕事をしなければならない。
機材のセッティングの手伝い、ドリンク出しの仕事、PAさんのアシスタント、やる仕事はいくらでもあった。

オーナーの大森さんが首を傾げてわたしを見た
「ん?来蘭ちゃん?こないだと別人みたいだからわからなかったよ、びっくりした!そうか、今日1曲だけ演るんだもんな!」

「はい!先輩たちと大森さんのご好意で、演奏する機会を与えて頂きありがとうございます!」

「うんうん。まぁ俺があいつらの話しを聞いてたら、興味が湧いてしまって聞いてみたくなっちゃったからなんだけどね。楽しみにしてる。
しかしあれだな、初ライブで初バイトだなんて大変だな」

「着替える暇ないんで、衣装のまま仕事します。すいません!」

「うちはライブハウスだから全然構わないよ!むしろ看板娘になりそうでありがたいよ!」

今日は高校生バンドのフェスイベントで、アルコールは出さないから、とりあえず今日はドリンク出しをしてくれと言われ、バーカウンターに入ることになった。
ドリンク準備が終わったので、機材セッティングの手伝いをしてると、出演バンドの人達が来始めた。

「え?スタッフにこんなかわいい子居たっけ?新人?」
みんなに声を掛けられる...

扉が開いて、入って来た集団の中に見覚えのある顔...拓海さんだ...咄嗟に顔を背けるわたしに、ニヤニヤしながら近づいて来る...
「あれぇ?もしかして来蘭ちゃん?」
上から下まで舐めるように見て
「なんか見違えちゃったじゃん!なるほどねー、来蘭ちゃんは磨けば光る原石だったわけか...ますます欲しくなっちゃったな...」
そう言ってわたしの手を握ろうとした所に
「俺の来蘭に気安く触んじゃねぇよ!」

「そうちゃん!」

「奏太登場かよ...ちぇっ...」
舌打ちをしながら、ライティングスタッフの所に行って、なにやら話をしている...わたしを指差して話をしているのが妙に気になったが、プンプンしてるそうちゃんに連れて行かれてしまった...

連れて行かれた先には、陽介くん優輝くん、そして先輩達4人の姿も揃っていた。
みんながわたしの姿を見て驚いてる

「ヤバいなこれ..,」
「これは危険だわ...」
「うちの姫のポテンシャル舐めないでくださいよ」
「来蘭!抱かせろ!」

口々に勝手なことを言ってますが...
最後のやつは...ご想像通り、吉井先輩の発言です...
今日の先輩たちの出番はトリ。
その後にわたしたちに演奏の時間が与えられる。

今日はそうちゃん優輝くん陽介くんの3人は、先輩たちのボーヤ、いわゆる付き人的なことをしながら勉強し、先輩たちの世話がない時間帯は、スタッフの手伝いをしてくれた。

いよいよ開場だ。
どんどん客が入ってくる。
ドリンク出しはてんてこ舞い、気が付いたそうちゃんたちが助けに来てくれた。4人の連携プレーで行列はすぐに落ち着いた。
「手伝ってくれてありがとう!助かったー!」

トップバッターのバンドの演奏が始まった。

コメント

  • 来亜子

    ┐(´д`)┌ヤレヤレですよ(笑)

    0
  • ノベルバユーザー427233

    吉井先輩の性癖は治らないね笑笑

    1
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