一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

加奈の闇 3

〈加奈side〉

来蘭の側であたしは言葉も出なければ、身体も動かなかった...

そう、あたしは「同性愛者」...
「女性」しか愛せない...

中学の時に、初恋をした。
相手はもちろん女の子だった。

始めは仲の良い友達という関係だった。
仲が深まって行き、何でも話せる親友になって行った。
ある日彼女に「好きな男子」を打ち明けられた。
その時に初めて自覚したんだ、あたしは彼女を友達としてじゃなく好きになっていたことに...
苦悩した...
この感情をどうすることも出来ずに苦しんだ...

そんなあたしの苦悩の日々が、衝撃の展開へと向かうこととなったのは、彼女が想いを寄せていた彼に告白をしたことだった。
彼女の告白に彼は、「他に好きな子が居るんだ」と言って彼女を振った。
傷付いた彼女を慰めながら、あたしは自分の想いを抑えることが出来ずに打ち明けてしまった...
今思うとあれは、振られて弱っていたからなのだったのだろう、彼女はあたしの気持ちを受け入れてくれた。
幸せから奈落の底に落とされたのは、そのすぐ後だった...
彼女が想いを寄せていた彼から、あたしは告白をされたのだ...

それを知った彼女は、怒りと妬みから、あたしが「レズ」であるということを、吹聴して回った...
噂が広がるのは早かった...
あっという間にあたしは学校に行けなくなった。
親にも知られることになり、家も安らぐ場所ではなくなった。
うちは地元でも有名な地主で資産家の家だから、親はあたしの存在を「恥ずべきもの」として扱い、高校進学を機に厄介払いをするように、所有するこのマンションに追いやったのだった。

「一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「現代ドラマ」の人気作品

コメント

  • 来亜子

    だから加奈は来蘭を救えたんだろうね

    1
  • ノベルバユーザー427233

    加奈にも辛い過去があったんだね。

    1
コメントを書く