一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

歌姫 来蘭 5

自分でも気が付かないうちにとめどなく涙が流れていた...
こんなに音楽で心が揺さぶられたのは初めてだった。
それと同時に、ベースを乗せて歌いたい衝動に駆られ、無言でベースを持った。
そんなわたしの様子に優輝くんが慌ててマイクを繋ぎ、わたしの前に置いた。



わたしの中の本当のわたしが目を覚ます...


わたしの世界に救いなんてない
あるのは暗闇だけ
浴びせられるのは罵倒と蔑んだ視線
希望を持つことすら忘れたわ
心も身体も軋むばかりで
痛みすらも快楽になる

月夜にひとりぼっちの部屋で
両腕で強く自分を抱きしめる

ねぇ神様
導く声を聴かせて

愛されたいと願ってもいいの?
抱きしめてと願ってもいいの?

だれかわたしを見つけて...


わたしの世界に光が差して
差し出された君の手
握り返すのはまだ怖くて躊躇する
わたしを優しく包む温もり
少し翳(かげ)のある君の瞳が
どこか似ているんだよね 

月夜にふたりぼっちの部屋で
冷えきった身体寄せ合って眠るの

ねぇ神様
どうか光を照らして

愛されたいと願ってもいいの?
抱きしめてと願ってもいいの?

わたしを離さないでいて...

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