一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

歌姫 来蘭 3

陽介くんと2人で、お互いベースとギターを背負って、そうちゃんの家のガレージへと向かっていた。
聞くと、陽介くんの家とそうちゃんの家は数軒しか離れてない超近所で、お父さん同士も幼なじみで親友だという。
陽介くんのお父さんは、建築関係の仕事をしていて、今回そうちゃんの家のガレージをバンドの練習場所にするのに改築してくれたのは、陽介くんのお父さんなのだそうだ。

「なんかほんとにいろんな人に恵まれて、有り難すぎるよ...」

「俺思うんだけどさ、成功してく人間ってさ、引き寄せる力があるんだと思うんだよね。
来蘭ちゃんには、そうゆうのを感じるんだよ」

「えっ?!わたしにそんな力はないよー」

そんな会話をしていると、洋画に出てきそうなガレージが目に入ってきた。
「陽介くん、まさかあれ?」

「そう、まさかのあれが、奏太んちのガレージ、俺たちのプライベートスタジオ!」

ちょっとここで待っててと言われて、陽介くんが様子を見に行った。
だからどんなヤバいものがあったのよ?
どうせエロ本とかでしょ?もう!

少し待って居たら、そうちゃんの姿が見えてきた
「来蘭!お待たせ!おいで」
と、手招きしてる。
わたしはベースを背負い直して、ガレージへと向かった。

ドキドキしながら足を踏み入れると、まず目に飛び込んできたのは真新しいそうちゃんのドラムセット、それからギターアンプとベースアンプが両サイドに置かれていて、ドラムの左横、ベースアンプの後ろには、鍵盤ブースになっていて、何台かのキーボードが置いてある。入口の右横には、レトロなソファーと小さめの冷蔵庫、左横にはバーカウンター、その奥にはミニキッチン...
これもうライブハウスじゃない!!

「すごい...」

「すごいだろ?」
振り向くと、そうちゃんがわたしのすぐ後ろでどうだ!って顔して立っていた。

「井澤とのルームシェアの生活を整えて慣れていくまでの間に、来蘭に内緒で、ここを改築したんだよ。
うちの親父と陽介の親父が本気になっちゃってさ、このバーカウンターとミニキッチンなんかは、完全なるオヤジ2人の趣味なんだよ」
そう言ってそうちゃんと陽介くんは苦笑いした。

「陽介のアニキたちがやってるバンドも来るし、先輩たちも夜とか日曜とか学校使えない時なんかは来るよ!なんかもう早くも溜まり場だよ...
だから時々、来蘭の目には触れさせたくないような物が転がってることもあるかもしれない...」
バツが悪そうに言うそうちゃん

「エッチな本とかDVD?
今もそれ隠してたんでしょ?」
って睨んだら

「あのねー来蘭、俺は見ないよ?先輩たちとかが持ち込んで来るんだからね?」

ほんとかなぁ?って顔してそうちゃんを睨むわたしに
「来蘭以外に欲情しないよ俺は」
って耳元で囁くそうちゃん
わたしが耳弱いの知っててそうゆうことする...

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