一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

来蘭をDVから救え 9

〈奏太side〉

授業になんか身が入るわけがなかった...
お揃いのスヌーピーのシャープペンシルと、来蘭の居ない隣の席を交互に見てはため息をついた...

来蘭の父親との話し合いには、もちろん俺は同席は許されなかったが、ずっと応接室の前で井澤と一緒に待っていた。
井澤は、今後の生活の話しになった時に、ルームシェアの相手として中に呼ばれて入って行った。
話し合いが終わり、出てきた時の来蘭の顔は青白く、立っているのがやっとの様子だった...
帰って行く父親を見送り、父親の姿が見えなくなった後、堰を切ったように来蘭は泣き出し、意識を失った...
俺はすぐに来蘭を抱き上げて、保健室へと連れて行った。
ずっと付いていてやりたかったが、授業に戻りなさいと保健の先生に促され、教室に戻ってきた...
一緒に教室に戻ってきた井澤が、斜め後ろから紙くずを投げてくる
「しっかりしろ!バカ!」

「分かってるわ!ボケ!」



これから来蘭は、1人で生きていかなきゃならない状況に置かれたんだ...
きっと計り知れない不安と孤独に押し潰されそうになるのを、父親の姿が見えなくなるまで必死で堪えていたんだろう...
目が覚めた時に、側にいてやりたいな...

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