一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

来蘭をDVから救え 3

〈来蘭side〉

窓の外の陽の光を、ほんのりと瞼に感じて、わたしは目を覚ました。
見慣れない部屋とベッド...
ここ何処?...
ベッドから降りて、部屋を出る...

「来蘭、起きたの?」
耳に入ってきた加奈の声
加奈の姿を探す...
加奈はキッチンに居た。
わたしはだまって加奈に抱きついて言った
「1人にしないで...」

「1人になんかしないよ...
目が覚めたら1人だったから不安にさせちゃったね...ごめん...」
そう言って加奈はわたしの髪を優しく撫でた...

「加奈に髪触られるのスキ...」

加奈は何も言わずに、ふふふと笑った...

「あたしシャワー浴びるけど、来蘭も一緒に入る?」
なんて加奈が誘う...
返事に困っていると
「冗談だよ、バカ...青木に怒られるわ!」
そう言って加奈は笑った。

別に加奈となら一緒にお風呂入れるもん...

パタンとバスルームの扉が閉まる音がして、シャワーの音が聞こえ出した。

朝食...なんかあるかな...
冷蔵庫を開けてみる。
卵と牛乳と、食パン...
バターはないけど、マーガリンでいっか!
わたしは朝食作りを始めた。

ほどなくシャワー音が止まり、バスルームから加奈が出てきた。

「いい匂いー」
バスタオルで髪を拭きながら、キッチンに立つわたしの後ろに立つ加奈
背が高い加奈を、振り返りながら見上げると、加奈がちょっと困ったように顔を赤くして、わたしから離れた...
なに...
なんかわたしまで顔が熱くなってきた...

「フレンチトースト焼いたの、加奈嫌いじゃなきゃいいんだけど...」

「フレンチトースト大好きだよ!」

「よかった!今焼けるからね!」

2人でひと皿のフレンチトーストを、分け合って食べた。
なんだかとても幸せだった。

「片付けはあたしがするから、来蘭も支度しな!その髪で行くの?」
そう言って加奈はたまらずに吹き出した。

そうだった...忘れてた...わたしの髪の毛は朝起きると爆発してることを...

「バスルーム借りるね...」

とぼとぼとバスルームに向かうわたしの後ろで、加奈はまだクスクスと笑っていた。



「一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「現代ドラマ」の人気作品

コメント

コメントを書く