一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

来蘭と加奈 7

来蘭を起こさないようにベッドを離れた。
そっと音をたてないように冷蔵庫を開け、ミネラルウォーターを取り出し一口飲んだ。

来蘭の鞄を開け、来蘭のスマホを探す...
あった...
ベッドに戻り、まだよく寝ている来蘭の右手の親指を当てる...
ロック解除した。
通話履歴から、〈そうちゃん〉と書いてあるのをタップする...
AM4:30か...さすがに出ないか...

「来蘭?どうした?」

出た...

「お前はジジイか!」

「来蘭...じゃないなその声...」

「井澤だよ」

「どうゆうことだ!なんでこんな時間に、来蘭のスマホから井澤が俺に電話してきてんだよ!」

「来蘭うちに泊まらせたんだ。まだよく眠ってる」

「は?泊まらせた?」

「落ち着け青木!来蘭が目を覚ますまで時間がない。なるべく簡潔に話すから黙って聞いてくれ!

みんなでタピオカ屋で解散した後、1人で駅に向かう来蘭の様子がおかしかったから、追いかけて声をかけたんだ。
実は、更衣室で来蘭の腹部にいくつもの痣が見えてしまって、どうしても気になったのもあったし、ちょっと1人で帰しては行けない気がしてさ...

...来蘭、母親からDV受けてる...

父親が泊まりで出張っていうと、母親が手を上げるらしい。
出張ではなく、外に女が居るらしいんだ。
暴力は今に始まった事ではないらしい...幼少期からだと来蘭が言ってた...
昨日うちに泊まらせたけど、来蘭うちに連絡してる様子はなかったから今スマホ見たら、母親から鬼のような着信が入ってた。多分今日学校に連絡が入ると思う。来蘭をあの母親の元に帰す訳にはいかない。
来蘭は青木にこのこと知られたくなかったと思うんだけど、あたしの力だけじゃ来蘭を守れないから、青木の力も貸して欲しいんだ...
というより、来蘭はお前に助けを求めてる...
さっき真夜中に来蘭が泣きながら夢を見ていて...青木...お前の名を呼んでいたよ...」

青木は絶句しているようだった...
無理もない...

「聞いてる?青木!」

「聞いてる...
ありがとう。気がついてくれて、泊めてやってくれて本当にありがとう。腹部の痣じゃ、俺、気が付きようがなかった..」

「そうだよな、気が付かないよな、仕方ないよ青木...来蘭自身も、このことは必死に隠そうとしていたんだから...
大事なのは、これからどうするか!どうやって来蘭を守ってやるかだよ青木!」


コメント

  • 来亜子

    またもコメントありがとうございます!
    加奈は誰よりも男前ですよね
    来蘭と加奈の絆は今後も深まっていくと思います。

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  • ノベルバユーザー427233

    井澤さん、未蘭思いなところすごくカッコ良い

    1
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