一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

来蘭と加奈 2

「ちょっとは落ち着いた?」
わたしは加奈ちゃんに抱きしめられながら、ずっと背中をぽんぽんされてた...

「加奈ちゃん...」

「ん?なに?」
あまりにも優しい声に、また涙が出てくる。

「ねえ来蘭、加奈ちゃんじゃなくて、加奈って呼んでよ...」
懇願するような彼女の声に、深い孤独が伝わってきて、思わずわたしは彼女の背中に腕を回してぎゅうっと抱きしめていた...
そして、彼女の名を呼んだ
「加奈...」

「ねぇ来蘭、うちに行こう?」

「え?」

「あたし1人で暮らしてるから、気兼ねする必要ないから大丈夫だよ。
少なくとも今夜は来蘭を帰すわけにはいかないから...
おいで、来蘭」

1人で暮らしてる...
そう聞いた時点で、わたしも加奈を1人で帰らせたくはないと思った。

「行く...加奈んとこに行く...」

その時の加奈の嬉しそうな顔は、きっとわたしは忘れないだろうなと思った...

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