一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

体育 4

教室に戻ると、すでにそうちゃんが居て
「おかえり来蘭」
って手を引っ張られて、そうちゃんの膝の上にストンと座らされた。

「もう来蘭の席、ここでいいんじゃない?」
とか言う...

「んもぅ、降ろして!そうちゃん!」
と言うと、そうちゃんは、わたしの腰を両手で持って、ひょいと持ち上げる。一瞬身体が宙に浮いてびっくりした!
そうちゃんはなんでもない顔してる...

「ねぇそうちゃん...重くないの?」
なんかちょっと小声になる...

「重かったらあんなに軽々と持ち上げられるわけないでしょ?」
なんて言って笑ってる。
「ってゆーかさ、来蘭実は華奢じゃん。俺何回来蘭を抱きしめてると思ってんの?」
とか言ってそうちゃんはニヤリとした。
そうちゃんにはかなわないよ、もう...

いつの間にか更衣室から戻ってきてた井澤さんがそうちゃんに声をかける
「ちょっと青木!来蘭ちゃんにメロメロなのは分かるけどさ、たいがいにしなさいよ?
あの後来蘭ちゃん更衣室で大変だったんだからね?」

「え?そうなの?来蘭?」

「当たり前でしょ?ネット潜ってこっちへ来たかと思ったら、いきなり来蘭ちゃん抱きしめるんだもの」

「来蘭、なんか嫌な思いしたのか?」
途端に心配そうな顔して、わたしに問いかけるそうちゃん

「ううん、なんにもないよ」

「女子たちみんなが羨ましがって大変だったんだよね?来蘭ちゃん?」

「井澤さんがひとこと言ってくれたから助かったよ、ありがとうね」
と、肩をすくめた。

「全然だよ!」

「っていうか、井澤さんわたしの後ろの席だったんだね」

「今気がついたの??」

「うん...ごめん...」

「あたしは井澤 加奈。井澤さんじゃなくて加奈って呼んで!」

「加奈ちゃん、仲良くしてね」
ってハニカミながら言ったら、机に座ってた加奈ちゃんが、ストンと机から降りて
「萌える...ほんとかわいい...」 
って言って座ってたわたしをぎゅっと抱きしめた!

「井澤っ!俺の来蘭を気安く抱きしめるんじゃねぇよ!!」
そうちゃんが怒る...

「来蘭ちゃんは青木のもんじゃない!みんなのものだ!」
って加奈ちゃんが言うと、さっき体育で一緒だった球技大会バレーチームの女の子たちが集まって来て
「そうだよー」

「青木ばっかり来蘭ちゃん独占しないでくださーい!」

「ってゆーか、あたしも来蘭ちゃんぎゅってしたーい」

「あれだよね、さっきの体育館のぎゅってのもさ、むしろ青木にジェラシーだもんね」

なんかわかんないけど、たちまち女の子にモテモテなんですけど...なにこれ...

「もー!男子人気で手一杯だっつーのに、女子人気もなのかよ!」
そうちゃんが頭を掻きむしってる...

「来蘭ちゃん!今日みんなで一緒にタピろーよ!」
太田さんが誘ってくれた。
ちょっと返事に困ってそうちゃんを見たら

「いいよ、行っておいで」
って笑ってくれた。

「ありがと、そうちゃん」

「じゃあわたしも行く!」

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