一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...
手紙 13
「なぁ白石、少し長くなるけど、俺の話しを聞いてくれないか?」
興奮する彼女を落ち着かせるように言った。
彼女はだまってる...
深呼吸をひとつしてから、俺は話し始めた。
「俺はお前も知っての通り、中学の時はバレーボールに明け暮れて、一度も誰かと付き合ったこともないし、好きなやつがいたこともない。
〈好き〉って気持ちすら知らなかったわけだから、白石、お前の気持ちを分かっていなかったのは確かだよ...
    
俺な、来蘭に一目惚れしたんだよ...
一目惚れなんてもの信じてなかった俺が笑っちゃうんだけどな...人を好きになるっていうのは、理屈じゃないんだな...好きになってみて初めて知ったよ...
俺最初、来蘭に勢いに任せて話しかけてみたけど、あいつ目も合わさないんだよ...おどおどしてるというか...少しずつ聞いてみたら、中学で結構壮絶ないじめにあってたらしくて、その上病気もして入院して、中学では何一ついいことなんかなかったって言うんだよ、だから高校では中学で出来なかったこと全部やりたいんだって泣きながら笑ったんだよあいつ...
俺、それ見てあいつの願い叶えてやりたいと思った。あいつのそばで、来蘭の、来蘭だけのヒーローになりたいと思ったんだ。
こんな気持ちを知って初めて今まで告白してきてくれた女の子の気持ちが分かったんだよ俺...
だから白石ともちゃんと向き合わなきゃと思ってここへ来たんだ」
下を向いたまま、黙って俺の話に耳を傾けていた彼女が口を開いた
「そうよ...奏太は中学の3年間、どれだけ告白されようとも、誰とも付き合わなかった...だからいつかはあたしのこと好きになってくれるって信じてた...あの子はあたしが3年かかっても動かせなかった奏太の心を、3日で動かしちゃったんだね...
人の心は理屈じゃない...か...
残酷な事を言うよね...」
「ごめん...」
「でも、これまで奏太、こうやってとどめすら刺してもくれなかったもんね...
だからあたし、この想いを終わらせることも出来なかった...」
そう言って彼女は気丈に笑った。
「あの子が奏太の初彼女かー!あー悔しい!」
「まだ彼女じゃねーよ!盛大なる俺の片思いだわ!ばーか!」
それを聞いた白石が笑う
「笑うなよ!」
「せいぜい片思いのツラさ、思い知れ!」
そう言った彼女の顔は、とても柔らかい表情をしていた。
「さあほら!あなたはあの子のヒーローなんでしょ?早くあの子のところに行きなさいよ...」
「お前、来蘭になにか...」
「緑川と関野と吉田に、ここに来させないように足止めさせてあるだけよ...」
行こうとする俺に、白石は最後に言った
「ここに来てくれてありがとう奏太。ちゃんとあたしと向き合ってくれて嬉しかった」
目でだけ頷くと、俺は旧館の図書室へと走った。
興奮する彼女を落ち着かせるように言った。
彼女はだまってる...
深呼吸をひとつしてから、俺は話し始めた。
「俺はお前も知っての通り、中学の時はバレーボールに明け暮れて、一度も誰かと付き合ったこともないし、好きなやつがいたこともない。
〈好き〉って気持ちすら知らなかったわけだから、白石、お前の気持ちを分かっていなかったのは確かだよ...
    
俺な、来蘭に一目惚れしたんだよ...
一目惚れなんてもの信じてなかった俺が笑っちゃうんだけどな...人を好きになるっていうのは、理屈じゃないんだな...好きになってみて初めて知ったよ...
俺最初、来蘭に勢いに任せて話しかけてみたけど、あいつ目も合わさないんだよ...おどおどしてるというか...少しずつ聞いてみたら、中学で結構壮絶ないじめにあってたらしくて、その上病気もして入院して、中学では何一ついいことなんかなかったって言うんだよ、だから高校では中学で出来なかったこと全部やりたいんだって泣きながら笑ったんだよあいつ...
俺、それ見てあいつの願い叶えてやりたいと思った。あいつのそばで、来蘭の、来蘭だけのヒーローになりたいと思ったんだ。
こんな気持ちを知って初めて今まで告白してきてくれた女の子の気持ちが分かったんだよ俺...
だから白石ともちゃんと向き合わなきゃと思ってここへ来たんだ」
下を向いたまま、黙って俺の話に耳を傾けていた彼女が口を開いた
「そうよ...奏太は中学の3年間、どれだけ告白されようとも、誰とも付き合わなかった...だからいつかはあたしのこと好きになってくれるって信じてた...あの子はあたしが3年かかっても動かせなかった奏太の心を、3日で動かしちゃったんだね...
人の心は理屈じゃない...か...
残酷な事を言うよね...」
「ごめん...」
「でも、これまで奏太、こうやってとどめすら刺してもくれなかったもんね...
だからあたし、この想いを終わらせることも出来なかった...」
そう言って彼女は気丈に笑った。
「あの子が奏太の初彼女かー!あー悔しい!」
「まだ彼女じゃねーよ!盛大なる俺の片思いだわ!ばーか!」
それを聞いた白石が笑う
「笑うなよ!」
「せいぜい片思いのツラさ、思い知れ!」
そう言った彼女の顔は、とても柔らかい表情をしていた。
「さあほら!あなたはあの子のヒーローなんでしょ?早くあの子のところに行きなさいよ...」
「お前、来蘭になにか...」
「緑川と関野と吉田に、ここに来させないように足止めさせてあるだけよ...」
行こうとする俺に、白石は最後に言った
「ここに来てくれてありがとう奏太。ちゃんとあたしと向き合ってくれて嬉しかった」
目でだけ頷くと、俺は旧館の図書室へと走った。
コメント
来亜子
コメントありがとうございます。
ここは、わたしも白石綾にだいぶ感情移入しながら書きました。
深く読んでくださって嬉しいです。
ノベルバユーザー427233
白石って何気に良い人だね、ちゃんとそうちゃんが向き合い、話したから柔らかな表情を見せたんだですね。