一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

手紙 6

「なんとか言ってよ来蘭...」
ちょっと不安そうにそうちゃんが言う

「俺、生まれて初めて告白したんだからね?」
と、少しだけ笑った。


「混乱しててなんて言ったらいいのか...」
わたしの言葉を待つそうちゃんに、そう言うしかなかった。

「そうか、そうだよな、俺も〈好きだ〉とかまでまだ言うつもりはなかったんだけどな...」
と言うと、そうちゃんは頭を抱えた。

「俺、今まで告白してきてくれた女の子たちの気持ちが、初めて分かったかもしれない...」

ため息をひとつついて、そうちゃんは続けた

「だいたい告白される時って、相手の顔も名前も分からないような子にいきなりされることが多くてさ、そんな急に好きだと言われても困ってしまうばかりでさ、いつもその場でごめんなさいって断って来たんだ。だって、俺は君のこと何も知らないし、君も俺のこと何も知らないだろ?って...
手紙とかにもよく書かれていた〈一目惚れしました〉ってのも、ピンとこなかった。むしろ嫌悪感を覚えた。だって一目惚れっていうのは〈見た目〉だけで好きになったと言うことで、そこには俺の中身は関係ないということだろ?逆にそんな失礼なことはないだろ!って思ってた。そんな風に思ってた俺が、まさか一目惚れするなんてな...」
と、そうちゃんは自虐的に笑った。

「理屈じゃないんだな、好きになるってのは...初めて知ったわ...」
と言うと、頭をカクンと落とした。

「一目惚れしたんだよ入学式に...もう目が離せなかった初めから...来蘭と話しをすればするほど好きになって行ったよ...だからこそ、これからもっと来蘭を知って、来蘭にも俺を知ってもらってから告白するつもりだった...そのつもりだったのに言っちゃったな、俺...」

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