一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

軽音楽部 8

吉井先輩に手を引かれて自販機まで来た...

「俺ねーこのカフェオレー」
と言ってまだコインを入れてない自販機のボタンを押してる...
「はいはい、これですね?」
500円玉を入れた。
ストンと落ちてきたカフェオレを取り出すと
「来蘭ちゃんはこれ?」
とか言って、今にも押しそうな指の先にはわたしが嫌いな野菜ジュース!
「ちがーう!!」
吉井先輩はしゃがみこんで腹を抱えて笑ってる...
そんな先輩にあきれた視線向けながら、大好きな〈いちごみるく〉のボタンを押した。

「ねぇ先輩?5人にも買っていこうと思うんだけど、なにがいいですかね?」

すくっと立ってわたしの後ろに立つ吉井先輩
そうちゃんと同じくらいに背が高い吉井先輩が、頭の上で言う
「優しいね、来蘭ちゃん」
この人は絶対誰にでもこうゆうこと言って、計らずも女の子を落としてしまうんだろうな...と思った...

喧嘩になってもよくないから、カフェオレを5個買った。当然のように吉井先輩は持ってくれるわけもなく、5個のカフェオレとわたしのいちごみるくを抱えて、部室へと向かった。
辛うじて重い防音扉は開けてくれた...

中に入ると、先輩達とそうちゃんと陽介くんが待っていた。

「来蘭!」
いっぱい飲み物を抱えたわたしにそうちゃんが駆け寄ってくる。
「みんなの買ってきたよ!」
と言ってる間もなく、そうちゃんはわたしの腕から飲み物を受け取り
「吉井先輩持ってくれなかったの?」
と怒ってる

「ちょっと吉井先輩ー、持ってやってくださいよー、来蘭女の子なんですからね!」
と詰め寄ってる。

すると先輩たちが
「あー、吉井にそうゆうの求めてもムリムリ」

「女にちやほやされるのが普通だと思ってるから」
などと口々に言う。

確かにそうだろうなぁと、妙に納得した。


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